沿岸えんがん)” の例文
かれなにかにだまされたあとのやうに空洞からりとした周圍しうゐをぐるりと見廻みまはさないわけにはいかなかつた。かれ沿岸えんがん洪水後こうずゐじ變化へんくわ驚愕おどろきみはつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「金博士。吾輩の切なるお願いである。新奇なる兵器を作って、わがイギリスの沿岸えんがんから発し、独本土へ上陸せしめられたい」
下方したゆるのは矢張やはり印度洋インドやうなみで、ことによつたらマダカツスルじま西方せいほうか、アデンわんおきか、かく歐羅巴エウロツパへん沿岸えんがんには、左程さほどとほところではあるまいとおもはれた。
とくにブラジルの沿岸えんがんのでつぱりに丁度ちようど割符わりふあはせたようにつぎはされることを氣附きづかれるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
シラチブチは其頃そのころから埋まりかけてゐた。東へ掘割を掘つて水を眞下にながすやうになつてから、夏になるたび沿岸えんがんの土が流れ込んで、五寸づつ一尺づつ、だん/\とうづまつて行つた。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
ニュージーランド沿岸えんがんの地図、世界地図、インキ、ペン、鉛筆えんぴつ、紙、ぶどう酒。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ガロンヌ川沿岸えんがんの土地を回ったのち、ランゴンで川をはなれて、モン・ド・マルサンへ行く道をとった。その道はつま先下がりに下がっていった。もうぶどう畑もなければ、牧場ぼくじょうもない。
暴風雨あらしいくさもよほすならむ、その一團いちだんはやすで沿岸えんがんやまいたゞきたむろせり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まだあつ空氣くうきつめたくしつゝ豪雨がううさら幾日いくにち草木くさきいぢめてはつて/\またつた。例年れいねんごと季節きせつ洪水こうずゐ残酷ざんこく河川かせん沿岸えんがんねぶつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かくしてわがくに大平洋側たいへいようがは沿岸えんがん非局部性ひきよくぶせい大地震だいぢしんおこ海洋底かいようていせつしてゐるわけであるが、しかしながら其海岸線そのかいがんせん全部ぜんぶ津浪つなみ襲來しゆうらい暴露ばくろされてゐるわけではない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
えず其邊そのへん航路かうろ徘徊はいくわいし、ときにはとほ大西洋たいせいやう沿岸えんがんまでもふね乘出のりだして、非常ひじやう貴重きちやう貨物くわぶつ搭載とうさいしたふねると、たちまこれ撃沈げきちんして、にくよくたくましうしてるとのはなし
淡路島あわじしま一帯を捜索そうさくしてみてくれというお話があったので、あちらの警察とも連絡をとって、しらみつぶしに島内から、その沿岸えんがんをしらべたのですが、すると果然かぜん、耳よりな情報が入ったのです。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
氣※きかう工合ぐあひや、草木さうもく種類しゆるいなどでると、亞弗利加アフリカ沿岸えんがんにもちかやう氣持きもちもする。
前記ぜんきごと地形ちけい沿岸えんがんおい多少たしよう被害ひがいることもある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)