打殺うちころ)” の例文
何でもこの野郎を打殺うちころして仕舞しまえ。理屈を云わずに打殺して仕舞えと私が怒鳴る。松下はなだめるようなふうをして、「マア殺さぬでもいじゃないか。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
『さァ、やつだい一のせつへた』と帽子屋ばうしやつて、『其時そのとき女王クイーンあがり、「とき打殺うちころしてるのはれだ!其頭そのあたまねてしまへ!」とさけびました』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
たとい打殺うちころしても二度とアンナ希望を持たせないようにするつもりだ……と非常に昂奮していられましたがね
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
外国あちらでは原語でございますとジョン、ハミールトンという人が、ナタンブノルという朋友ともだちの同類と、かのスマイル、スミスを打殺うちころしまして莫大ばくだいの金を取ります。
今彼が奥村を打殺うちころした銃声も、遠方の人々には、その鳥おどしの銃声と区別がつかなかったに相違ない。
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
村に一人の大悪人だいあくにんがあって寄ってたかって打殺うちころしてしまったが、中には彼の心臓をえぐり出し、油煎あぶらいりにして食べた者がある。そうすると肝が太くなるという話だ。
狂人日記 (新字新仮名) / 魯迅(著)
あれは遠い丸の内、それでも天気のいい時には吃驚びっくりするほど座敷の障子をゆすぶる事さえある、されば、すぐ崖下に狐を打殺うちころす銃声は、如何に強く耳を貫くであろう。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
叩立たゝきたてしかば一村二百軒の百姓そりやこそ名主殿へ盜賊が這入はひつたぞ駈付かけつけ打殺うちころせと銘々めい/\得物々々えもの/\たづさへて其處へ來りヤア盜人は面をすみにてぬりたるぞあらひて見よと聲々こゑ/″\のゝしり盜人の面を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは越前ゑちぜん名代なだい強力がうりき一日あるひ狩倉かりくら大熊おほくま出逢であひ、てるやりくまのために喰折くひをられこと鉄拳てつけんげてくまをば一けんもと打殺うちころしこの勇力ゆうりよくはかくのごとくであるとくまかは馬標うまじるしとした。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此のに太左衞門と五八は表のたなへ往って、来合せていた若衆わかいしゅにこれ/\の訳だと話をすると、平常ふだんにくまれている名主だから、名主も原も打殺うちころしてしまえと云うので
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ヤア面倒めんどうだ、一打ひとうち打殺うちころして仕舞うからめなさんなと、れする中に往来の人は黒山のように集まっておお混雑になって来たから、此方こっちお面白がって威張いばって居ると
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「本当のことを云うとね、僕は今晩ある男をピストルで打殺うちころしたんだよ。その男の死骸は、今でもある空家に転がっているんだよ。だが、君は、真から僕の味方なんだろうね」
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
見につるし上られたまゝしたる體ゆゑ重四郎も流石さすが氣の毒に思ひハヽア僧主は僧主だけ正直な者然し打殺うちころさるゝ迄云ぬと言ふは武士にもました丈夫な精神たましひ天晴々々あつぱれ/\感心した然し彼の掃部めは三五郎が殺したと心得しは鐵扇てつせん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
文「やい最前から是ほど申しても分らぬか、いかに言葉が碌々ろく/\通ぜずとも、あれ程手を合わして頼んだじゃないか、いよ/\かずば打殺うちころすぞ、さアうだ、これでもか」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
様子をけどった甚藏は捨てゝは置かれねえとお賤が鉄砲で打殺うちころしたのだが土手の甚藏は三十四年以前にお熊が捨児にした総領の甚藏でお賤が為には胤違たねちがいの現在の兄を
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
むら/\と起りました悪心から致して、有合ありあ定木じょうぎをもって清水助右衞門を打殺うちころす。
旦那様が出て何ともはアお礼のもうしようはありません、見掛けは綺麗な優しげな、力も何もねえようなお前様が、大の野郎を打殺うちころしただから、お侍はちがったものだと噂をして居りました
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
みんなが徒党をして、大勢でわっち打殺うちころすと云って追掛おっかけたものだから、一生懸命に此処こゝまでは逃げて来たが、目が眩んでいますから、殿様とも心付きませんで、とんだ粗相を致しました
さて春見丈助は清水助右衞門を打殺うちころしまして、三千円の金を奪い取りましたゆえ、身代限りに成ろうとする所を持直もちなおしまして、する事為す事皆当って、たちまち人に知られまする程の富豪ものもちになりました。
官の手を待たずして此の文治郎が立所たちどころ打殺うちころすが、われは親兄弟もあるだろうが、これ手前てまえ親達おやたちは左様な悪人に産み付けはせまい、どうか良い心掛けにしたい、善人にしたいと丹誠たんせいして育てたろうが
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
打殺うちころしてお帰りになったがしからぬ訳じゃアございませんか
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「やい、わりゃア何者か、邪魔をしやアがると打殺うちころすぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)