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意気
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いき
ふりがな文庫
“
意気
(
いき
)” の例文
旧字:
意氣
竹童
(
ちくどう
)
は
純
(
じゅん
)
なものだ。そういわれてまで、かれを
敵視
(
てきし
)
する気にもなれないので、
意気
(
いき
)
ごんだ
力抜
(
ちからぬ
)
けに、またもとの
堤草
(
どてぐさ
)
へ腰をおろした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうだ、その
意気
(
いき
)
だ、しっかりやれ。」と、
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
で、
酒屋
(
さかや
)
の
小僧
(
こぞう
)
さんに
応援
(
おうえん
)
しながら、
塀
(
へい
)
の
節穴
(
ふしあな
)
から
目
(
め
)
をはなしませんでした。
日の当たる門
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
友を救うためには、
自己
(
じこ
)
の
危難
(
きなん
)
をかえりみるべきでない、
義侠
(
ぎきょう
)
の血をうけた富士男の
意気
(
いき
)
は、りんぜんとして五体にみちた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
……えゝ、
尤
(
もつと
)
も、
結核
(
けつかく
)
は、
喉頭
(
かうとう
)
から、もう
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
には
舌
(
した
)
までも
侵
(
をか
)
して
居
(
ゐ
)
たんださうですが。
鬼殻焼
(
おにがらやき
)
……
意気
(
いき
)
が
壮
(
さかん
)
なだけ
何
(
ど
)
うも
悲惨
(
ひさん
)
です。は、はア。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
襟
(
えり
)
の狭い、肩のすぼけた、黒の背広服を着ていたが、
併
(
しか
)
しそれが、背が高くて、足の長い彼に、妙にシックリと合って、
甚
(
はなは
)
だ
意気
(
いき
)
にさえ見えたのである。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
意気
(
いき
)
でも
野暮
(
やぼ
)
でもなく、なおまた、若くもなく
老
(
ふ
)
けてもいない、そしてばかでも高慢でもない代りに、そう
悧巧
(
りこう
)
でも
愚図
(
ぐず
)
でもないような彼女と同棲しうるときの
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして歩き付きが
意気
(
いき
)
だわ。お前さんまだあの人の
上沓
(
うわぐつ
)
を
穿
(
は
)
いて歩くとこは見たことがないでしょう。
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
けれどもその国の慣れて居る人間の眼には、その煤黒い下に赤味のあるのが非常に
粋
(
すい
)
とか
意気
(
いき
)
とかいうのだそうです。これがまあ婦人の身廻りについての風俗といってよい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
ちょっとパリジァンの
意気
(
いき
)
な所があって、今日のチャプリンとはまた異った味いがあった。
活動写真
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
にも拘らず、彼の女の態度には相手を無理やりに服従させなければ
已
(
や
)
まない
意気
(
いき
)
が
籠
(
こも
)
って居た。己は、たとえ催眠術にかゝって居なくても、かゝった真似をせずには居られなかった。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
星移れば物
換
(
かわ
)
りて人情もまた従つて同じからず。吉原のおいらんを歌舞の
菩薩
(
ぼさつ
)
と見て
崇
(
あが
)
めしは江戸時代のむかしなり。芸者を
粋
(
すい
)
なり
意気
(
いき
)
なりと見てよろこびしも早や昨日の夢とやいふべき。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
意気
(
いき
)
の
凛然
(
りんぜん
)
たる一行中尤
著
(
いちじ
)
るし、木村君は
初
(
はじ
)
め一行に
向
(
むか
)
つて
大言放語
(
たいげんはうご
)
、利根の
険難
(
けんなん
)
人力の
及
(
およ
)
ぶ所に
非
(
あら
)
ざるを談じ、一行の元気を
沮喪
(
そさう
)
せしめんとしたる人なれ共、
本
(
も
)
と水上村の産にして
体脚
(
たいきやく
)
強健
(
きやふけん
)
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
と
鉋太郎
(
かんなたろう
)
が
意気
(
いき
)
ごんでいいました。しかしかしらは、それに
答
(
こた
)
えないで
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
しかし大抵そういう場合の舞台のすがたは何となく生気に乏しい、影の薄いものであるが、かの新蔵ばかりはいつ見ても舞台の
意気
(
いき
)
凜然
(
りんぜん
)
たるものがあった。かれは魂の力で働いていたのであろう。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「待ってました!
手鍋
(
てなべ
)
さげてもの
意気
(
いき
)
で、ひとつ願いやすぜ」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この秋の
徳川家司宰
(
とくがわけしさい
)
のもとにおこなわれる大講会をして
木
(
こ
)
ッ
葉
(
ぱ
)
微塵
(
みじん
)
にしてやろうではないか——という
意気
(
いき
)
があがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馴
(
な
)
れない
料理人
(
れうりにん
)
が、むしるのに、
幾
(
い
)
くらか
鎧皮
(
よろひがは
)
が
附着
(
くつゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
たでせうか。
一口
(
ひとくち
)
触
(
さは
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
舌
(
した
)
が
切
(
き
)
れたんです。
鬼殻焼
(
おにがらやき
)
を
退治
(
たいぢ
)
ようと
言
(
い
)
ふ、
意気
(
いき
)
が
壮
(
さかん
)
なだけ
実
(
じつ
)
に
悲惨
(
ひさん
)
です。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「その
意気
(
いき
)
をもってするからには、たとえ
敵陣
(
てきじん
)
のかこみのうちに、
無念
(
むねん
)
の
鬼
(
おに
)
となろうとも、わしは
心残
(
こころのこ
)
りではない」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
背後
(
うしろ
)
から
視
(
なが
)
めて
意気
(
いき
)
昂
(
あが
)
つて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまぬ
)
いて、
虚空
(
こくう
)
を
睨
(
にら
)
んだ。
腰
(
こし
)
には、
暗夜
(
あんや
)
を
切
(
き
)
つて、
直
(
たゞ
)
ちに
木像
(
もくざう
)
の
美女
(
たをやめ
)
とすべき、
一口
(
ひとふり
)
の
宝刀
(
ほうたう
)
を
佩
(
お
)
びたる
如
(
ごと
)
く、
其
(
そ
)
の
威力
(
ゐりよく
)
に
脚
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
胸
(
むね
)
を
反
(
そ
)
らした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
否
(
いや
)
、
些
(
ちっ
)
とも変らないね、
相
(
あい
)
かわらず
意気
(
いき
)
な人さ。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“意気”の意味
《名詞》
意気(いき)
積極的に相手に当たろうという気概。
(出典:Wiktionary)
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“意気”で始まる語句
意気地
意気込
意気組
意気銷沈
意気軒昂
意気張
意気揚々
意気地無
意気造
意気揚