“堤草”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どてくさ66.7%
どてぐさ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
路傍の堤草どてくさに腰をおろして、新平と平吾とは、斯んな話をしていた。其処へ、同じ部落の松代が通りかかった。松代は、ひどく色の黒い娘だった。
黒い地帯 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
秋子は堤草どてくさに身体をすりつけるようにして小さくなり顔を伏せるのだった。貞吉はあわてて彼女の手をほどいた。直通列車がすさまじい速力で囂々ごうごうと二人の頭の上を過ぎて行った。
汽笛 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
竹童ちくどうじゅんなものだ。そういわれてまで、かれを敵視てきしする気にもなれないので、意気いきごんだ力抜ちからぬけに、またもとの堤草どてぐさへ腰をおろした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)