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吹聽
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ふいちやう
ふりがな文庫
“
吹聽
(
ふいちやう
)” の例文
新字:
吹聴
妨
(
さまた
)
げんと
何國
(
いづく
)
の者やら
相分
(
あひわか
)
らざる醫師を遣し世に有りしとも覺えざるテレメンテーナといふ藥の事を
吹聽
(
ふいちやう
)
し結納までも取
交
(
かは
)
せし婚姻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けると、
多勢
(
おほぜい
)
の
通學生
(
つうがくせい
)
をつかまへて、
山田
(
やまだ
)
が
其
(
その
)
吹聽
(
ふいちやう
)
といつたらない。
鵺
(
ぬえ
)
が
來
(
き
)
て
池
(
いけ
)
で
行水
(
ぎやうずゐ
)
を
使
(
つか
)
つたほどに、
事
(
こと
)
大袈裟
(
おほげさ
)
に
立到
(
たちいた
)
る。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そは「アバテ」の天才より産まれし思想中の最も惡しきものなり。されどそを
吹聽
(
ふいちやう
)
せんも氣の毒なり。友。吾意見は御主人とは異なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
物見遊山と違つて用事が用事だから、旅へ出るんだつて、近所の人にも内證で、誰にも
吹聽
(
ふいちやう
)
なんかしません、家の者には堅く口留めしてある筈で
銭形平次捕物控:273 金の番
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれども
尚
(
な
)
ほ
僕
(
ぼく
)
は
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
の
出身
(
しゆつしん
)
なることを、
諸君
(
しよくん
)
の
如
(
ごと
)
き
立派
(
りつぱ
)
な
肩書
(
かたがき
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
を
)
らるる
中
(
うち
)
で
公言
(
こうげん
)
して
少
(
すこし
)
も
恥
(
はぢ
)
ず、
寧
(
むし
)
ろ
誇
(
ほこ
)
つて
吹聽
(
ふいちやう
)
したくなるのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
パンの
破片
(
かけら
)
、
紙屑
(
かみくづ
)
、
牛
(
うし
)
の
骨
(
ほね
)
など、
而
(
さう
)
して
寒
(
さむさ
)
に
顫
(
ふる
)
へながら、
猶太語
(
エヴレイご
)
で、
早言
(
はやこと
)
に
歌
(
うた
)
ふやうに
喋
(
しやべ
)
り
出
(
だ
)
す、
大方
(
おほかた
)
開店
(
かいてん
)
でも
爲
(
し
)
た
氣取
(
きどり
)
で
何
(
なに
)
かを
吹聽
(
ふいちやう
)
してゐるので
有
(
あ
)
らう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ブロクルハーストさんがリード夫人からの受け賣りで、根據もないのに、大げさに
吹聽
(
ふいちやう
)
したこの
嫌疑
(
けんぎ
)
を、あなたは受けてゐる譯がないのを、私が知つてゐるやうに。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
呆れながら、お前たちがあの鳥を聞いて何にするのだ、と言へば、いゝえ、お客樣ごとにその事を
吹聽
(
ふいちやう
)
して勸めるのですよ、といふ。その代り佛法僧は近來頻りに啼くのださうだ。
梅雨紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
逍遙子沒理想を唱へて記實の業を操り、談理のやうなさを
吹聽
(
ふいちやう
)
す。われこれを評せむとするに當りて、
烏有
(
ういう
)
先生が有理想の説を擧げたり。この間わが談理の業を廻護したるところもありき。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
毎年
(
まいねん
)
のやうに
新奇
(
しんき
)
なる
潜行艇
(
せんかうてい
)
を
發明
(
はつめい
)
したと
誇大
(
こだい
)
に
吹聽
(
ふいちやう
)
するものゝ、
其
(
その
)
多數
(
おほく
)
は、「
水
(
みづ
)
バラスト」とか、
横舵
(
わうだ
)
、
縱舵
(
じゆうだ
)
の
改良
(
かいりよう
)
とか、
其他
(
そのほか
)
排氣啣筒
(
はいきぽんぷ
)
や、
浮沈機等
(
ふちんきとう
)
に
尠少
(
いさゝか
)
ばかりの
改良
(
かいりよう
)
を
加
(
くわ
)
へたのみで
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
樺太から着した翌日には、氷峰に誇つて、渠のまだぐづ/\してゐるうちに、自分は三千圓ばかりの仕事をして來たぞと
吹聽
(
ふいちやう
)
したが、今はそれが殆ど正反對だ。外部的には殆ど何もやつてゐない。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
と
吹聽
(
ふいちやう
)
するやうに稱讚したために、多くの人が、云ひつたへ聞きつたへして、「あれは傑作だ」、「あれはおもしろい小説ださうだ」、と、附和雷同して、傑作にまつりあげたやうなところもある。
「鱧の皮 他五篇」解説
(旧字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
相當に念を入れて食べ試みたから話すことはまだ澤山有るが、たいして詩的のものではなく、同好の人と談ずべく、世間に
吹聽
(
ふいちやう
)
するまでの氣にならない。また吹聽するにはもつと十分の用意がいる。
すかんぽ
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
それを
思
(
おも
)
ふと
私
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
に
仇敵
(
あだ
)
といふ
人
(
ひと
)
は
一人
(
ひとり
)
も
無
(
な
)
くて、あの
輕忽
(
そゝくさ
)
とこましやくれて
世間
(
せけん
)
へ
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
のあらを
吹聽
(
ふいちやう
)
して
歩
(
ある
)
いたといふ
小間
(
こま
)
づかひの
早
(
はや
)
も、
口返答
(
くちへんたふ
)
ばかりして
役
(
やく
)
たゝずであつた
御飯
(
ごはん
)
たきの
勝
(
かつ
)
も
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「今もいふ通り、この祕密は小幡夫婦と私のほかには誰も知らないことだ。小幡夫婦はまだ生きてゐる。小幡は維新後に官吏となつて今は相當の地位にのぼつてゐる。わたしが今夜話したことは誰にも
吹聽
(
ふいちやう
)
しない方がいゝぞ。」
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
吹聽
(
ふいちやう
)
するに疑ひなし其上長屋中へ
錢金
(
ぜにかね
)
用立家主へも金を
貸
(
かす
)
故
(
ゆゑ
)
勘太郎を二
無
(
なき
)
者の樣におもひ我々如き
後生
(
ごしやう
)
大事
(
だいじ
)
と渡世する者は
貧乏
(
びんばふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
隱
(
かく
)
して
置
(
お
)
くにも、
何
(
なん
)
の
中
(
なか
)
も、どんな
箱
(
はこ
)
も
安心
(
あんしん
)
ならず……
鎖
(
じやう
)
をさせば、
此處
(
こゝ
)
に
大事
(
だいじ
)
が
藏
(
しま
)
つてあると
吹聽
(
ふいちやう
)
するも
同一
(
おなじ
)
に
成
(
な
)
ります。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「よしツ、貴公のやることを、俺が引込む法はあるまい。この毒酒の果し合ひを嫌だと言つたら、貴公はそれを面白さうにお孃さんに
吹聽
(
ふいちやう
)
するだらう」
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この狂態を以つて
吹聽
(
ふいちやう
)
しに行くらしい。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
殺害したるに違ひなしと思ひし
中
(
うち
)
家の造作家内の
身形
(
みなり
)
も立派になり皆々
不思議
(
ふしぎ
)
に存じたる所博奕に廿兩勝た三十兩勝たと
吹聽
(
ふいちやう
)
致せども是は盜賊の名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「どうせあつしは
甘口
(
あまくち
)
ですよ。チエツ、面白くもねえ、目黒くんだりまで來て、馬鹿を
吹聽
(
ふいちやう
)
されりや世話アねえ」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「女に突き飛ばされたのを
吹聽
(
ふいちやう
)
したつて手柄になるかい。井戸端へ行つて水でもかぶつて來な、馬鹿野郎」
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「新しいのは越後屋のお
此
(
この
)
で、與三郎の野郎、此間から自慢らしく
吹聽
(
ふいちやう
)
して歩いて居ましたよ」
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へツ、少しばかり寄り道をしたんで。斯う
吹聽
(
ふいちやう
)
して置くと、姐さんは思ひやりがあるから」
銭形平次捕物控:272 飛ぶ若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いかにも
華奢
(
きやしや
)
な男ですが、八五郎が
吹聽
(
ふいちやう
)
したやうに、それはなか/\の男前です。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
尤
(
もつと
)
も、お前なら、出來ないうちから
吹聽
(
ふいちやう
)
して歩く」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吹
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
聽
部首:⽿
22画
“吹”で始まる語句
吹
吹聴
吹雪
吹上
吹出
吹込
吹矢
吹掛
吹消
吹溜