出征しゅっせい)” の例文
村から出征しゅっせいした軍人の大半が戦死し、人々の神経が極度に緊張して居た時分であるから、強く村人の心を揺り動かし、郷里の人々は
血の盃 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
戦争せんそうが、はじまって、純吉じゅんきち出征しゅっせい召集しょうしゅうされたとき、父親ちちおやは、ただ息子むすこが、むらからともだちにけをらぬことをねんじたのでした。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
「僕も一生懸命、やっているんですよ、おばさん。この前の演習のときと違って、しっかりした大人は大抵たいてい出征しゅっせいしているんで手が足りないの」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
徴兵ちょうへいの三年を朝鮮の兵営へいえいですごし、除隊じょたいにならずにそのまま満州事変に出征しゅっせいした彼の長兄が、最近伍長ごちょうになって帰ったことが正をそそのかしたのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
日露戦争の出征しゅっせい軍歌を、くりかえしくりかえし歌っては、庭を巡回じゅんかいしてました、その一回の起点が丁度ちょうど私達の立って見て居る廊下ろうか堅牢けんろう硝子ガラスとびらの前なのです。
病房にたわむ花 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それよりも去年の暮、出征しゅっせいしていた頃、北京ペキン郊外こうがい豊台駅前のカフェに入った処が、高知県出身の女給さんばかりが多くいて、あなたのうわさが、偶然オリムピックの話から出たのには驚きました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
春休はるやすだいにち今日きょう、ごんごろがねがいよいよ「出征しゅっせい」することになった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
姉の富佐子ふさこは、結婚けっこんしていたけれど、良人が日華にっか事変の当時出征しゅっせいして戦死してからと云うもの、勝気で男まさりなところから、子供のないままに、野菜荷をかついで東京の町々へ売りに行って
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
吹雪ふぶきがやんでしあわせです。せがれ出征しゅっせいしていますので、わたしも、お見送みおくりさせてもらいます。」と、おじいさんは、みんなのなかくわわりました。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
話は遠く日露戦争の昔にさかのぼりますが、河内園長が満州の野に出征しゅっせいして軍曹ぐんそうとなり、一分隊の兵を率いて例の沙河さか前線ぜんせん遼陽りょうようの戦いに奮戦ふんせんしたときのことです。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
じいさんは、ごんごろがね出征しゅっせいを、一にちまちがえてしまって、ついにごんごろがねにおわかれが出来できなかったことを、たいそう残念ざんねんがり、くちおおきくあけたまま、かねのなくなった鐘楼しゅろうほうていた。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
父親ちちおや一人ひとり息子むすこ一人ひとりのさびしいらしをしていましたが、息子むすこは、戦争せんそうがはじまると召集しょうしゅうされて、とお戦地せんち出征しゅっせいしておくにのためにはたらいていました。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「すると園長は日露戦役に出征しゅっせいされたのですね」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
太郎たろうは、げたで、良二りょうじは、運動うんどうぐつをはいていました。やっと停車場ていしゃばくと、もう出征しゅっせい兵士へいしってしまったあととみえて、あたりは、しんとしていました。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは、いままであにいたのをたことがなかったのと、もし出征しゅっせいすれば、おそらくふたたびられないだろうとおもっていたので、ついこうききました。あね
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
出征しゅっせいさいは、○○えきから、徳蔵とくぞうさんは、出発しゅっぱつしたのです。兵隊へいたいさんをせた汽車きしゃとおると、国防婦人こくぼうふじん制服せいふくおんなたちは、線路せんろのそばにならんで、はたりました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしも、せがれをおおきくするまでには、いくどいたり、わらったりしたかしれない。そして、戦争せんそうで、出征しゅっせいしてからも、便たよりがなかったのは、一ねんや二ねんでなかった。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんど、戦争せんそうがはじまると、秀作しゅうさくさんは、寄留先きりゅうさきから召集しょうしゅうされて、いさましく出征しゅっせいしたのであります。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いや、きいたはなしさ。おじさんがたのは、あるむらで、うま出征しゅっせいするので、えきにりっぱなアーチがち、小学生しょうがくせいが、に、に、はたをふりながら、見送みおくりにいくのだった。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
にいちゃん、停車場ていしゃばだね、また、兵隊へいたいさんが出征しゅっせいするんだよ。」と、良二りょうじが、いいました。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
おれも、出征しゅっせいする十日とおかばかりまえのことだった。平常ふだんからかわいがっていたくりのがある。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
出征しゅっせいするあさも、かみだなのまえにすわって、このことをかえしていったのだ。今日きょう野原のはら景色けしきが、あまりうつしくえるので、ついこれからの激戦げきせんはなるのでないか、とおもったよ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もう、お正月しょうがつがくるのに、出征しゅっせいする兵隊へいたいさんがあるんだな。」
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あっ、うま出征しゅっせいするんだ。」
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)