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其場
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そのば
ふりがな文庫
“
其場
(
そのば
)” の例文
というなり、彼等は、
折角
(
せっかく
)
手にした懐中電灯も
其場
(
そのば
)
に
抛
(
ほう
)
り出して、云いあわせたように、ペタペタと、地上に尻餅をついてしまった。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
室中
(
しつちゆう
)
に
入
(
い
)
る
以上
(
いじやう
)
は、
何
(
なに
)
か
見解
(
けんげ
)
を
呈
(
てい
)
しない
譯
(
わけ
)
に
行
(
い
)
かないので、
已
(
やむ
)
を
得
(
え
)
ず
納
(
をさ
)
まらない
所
(
ところ
)
を、わざと
納
(
をさ
)
まつた
樣
(
やう
)
に
取繕
(
とりつくろ
)
つた、
其場
(
そのば
)
限
(
かぎ
)
りの
挨拶
(
あいさつ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其人
(
そのひと
)
に
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
自分
(
じぶん
)
の
持地
(
もちち
)
からは
澤山
(
たくさん
)
破片
(
はへん
)
が
出
(
で
)
るが、
未
(
ま
)
だ
誰
(
たれ
)
も
發掘
(
はつくつ
)
した
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いといふ。
然
(
さ
)
らば
近日
(
きんじつ
)
發掘
(
はつくつ
)
をさして
呉
(
く
)
れと
其場
(
そのば
)
で
手金
(
てきん
)
を
打
(
う
)
つた。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ほんの
其場
(
そのば
)
の親子の間だけの現実に過ぎないものであつて、その後また何の不思議もなく前からの習慣である女の男育ち、男の女仕立てが続きました。
秋の夜がたり
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
あの三戸前の奥蔵へ入りゃア、
其場
(
そのば
)
を去らず手討だという話だ、手討にされたら化けて帰って、駿河守様へ
申上
(
もうしあ
)
げる積りで、半年越し折を狙ったがいけねえ
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
やっと
其場
(
そのば
)
は納ったのですが、さあそれからというものは『井原は夢遊病者だ』という噂がパッと拡って了って、学校の教室での話題にさえ上るという有様でした。
二癈人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
戸外
(
そと
)
へ
出
(
づ
)
ることを
禁
(
とゞ
)
められた、それゆゑマンチュアの
急用
(
きふよう
)
も
其場
(
そのば
)
で
止
(
と
)
められてしまうたわいの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何
(
ど
)
うも
私
(
わたくし
)
は
腹
(
はら
)
が
空
(
へ
)
つて歩かれませぬ、
其上
(
そのうへ
)
塩梅
(
あんばい
)
が
悪
(
わる
)
うございまして。と
云
(
い
)
ふから
仕方
(
しかた
)
なしに
握飯
(
むすび
)
の
二個
(
ふたつ
)
に
銭
(
ぜに
)
の百か二百
遣
(
や
)
ると
当人
(
たうにん
)
は喜んで
其場
(
そのば
)
を
立退
(
たちの
)
くといふ。
是
(
これ
)
が
商売
(
しやうばい
)
になつて
居
(
ゐ
)
ました。
行倒の商売
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これで一と
通
(
とお
)
り
女
(
おんな
)
の
事情
(
じじょう
)
は
判
(
わか
)
ったのでございますが、
男
(
おとこ
)
の
方
(
ほう
)
を
査
(
しら
)
べなければ
何
(
なん
)
とも
判断
(
はんだん
)
しかねますので、
私
(
わたくし
)
はすぐ
其場
(
そのば
)
で一
層
(
そう
)
深
(
ふか
)
い
精神統一状態
(
せいしんとういつじょうたい
)
に
入
(
はい
)
り、
仔細
(
しさい
)
にその
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
まで
探
(
さぐ
)
って
見
(
み
)
ました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
以て
奉願上
(
ねがひあげたてまつり
)
候一赤坂傳馬町長助店道十郎後家光奉申上候
去
(
さんぬ
)
る寶永七年八月廿八日
拂曉
(
ふつげう
)
芝
(
しば
)
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
に於て麹町三丁目
町醫
(
まちい
)
村井長庵弟十兵衞
國元
(
くにもと
)
へ出立仕候
節
(
せつ
)
人手
(
ひとで
)
に
罹
(
かゝ
)
り相果候
其場
(
そのば
)
に私し
夫
(
をつと
)
道十郎所持
印付
(
しるしつき
)
の
傘
(
かさ
)
捨
(
すて
)
有之候より道十郎へ
御疑念
(
ごぎねん
)
相掛
(
あひかゝ
)
り候哉其節の御月番中山出雲守樣御奉行所へ夫道十郎儀
病中
(
びやうちう
)
御召捕
(
おめしとり
)
に相成
入牢
(
じゆらう
)
仰
(
おほ
)
せ付けられ候處御吟味中牢死仕つり死骸の儀は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
御米
(
およね
)
はまた
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なつたとは
思
(
おも
)
つたが、
自分
(
じぶん
)
の
粗忽
(
そこつ
)
を
面目
(
めんぼく
)
ながつて、
宗助
(
そうすけ
)
にはわざと
何事
(
なにごと
)
も
語
(
かた
)
らずに
其場
(
そのば
)
を
通
(
とほ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分もまた、同席の
小栗長左衛門
(
おぐりちょうざえもん
)
、
奥山茂左衛門
(
おくやましげざえもん
)
に討ち留められ、
其場
(
そのば
)
で三人共相果ててしまったのです。
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
他は
其場
(
そのば
)
より
遁走
(
とんそう
)
いたしました。これに対して○国人側も非常に怒り、復讐を誓って、唯今準備中であります。両国の外交問題は、
俄然
(
がぜん
)
険悪
(
けんあく
)
となりました。以上。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それから
猶
(
なお
)
いろいろの訊問があったり、警察医の検死があったり、部屋の内と外の現場調べがあったりしたが、その
揚句
(
あげく
)
、二郎は遂に
其場
(
そのば
)
から
拘引
(
こういん
)
される事になった。
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
例
(
いつも
)
なら
調戯
(
からかひ
)
半分に、あなたは何か
叱
(
しか
)
られて、
顔
(
かほ
)
を赤くしてゐましたね、どんな
悪
(
わる
)
い事をしたんですか位言ひかねない
間柄
(
あひだがら
)
なのであるが、代助には三千代の愛嬌が、
後
(
あと
)
から
其場
(
そのば
)
を取り繕ふ様に
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お倉婆さんが
其場
(
そのば
)
へヘタヘタと坐ってしまったのも無理のないことです。
奇談クラブ〔戦後版〕:03 鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平田氏は、
其場
(
そのば
)
ではこの死人の脅迫状を一
笑
(
しょう
)
に
附
(
ふ
)
して了ったことだが、さて、段々時がたつにつれて、何とも云えない不安がそろそろと彼の心に湧き上って来るのをどうすることも出来なかった。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私は宿屋の払いもそこそこに、
其場
(
そのば
)
から直ぐ東京へ帰りました。
奇談クラブ〔戦後版〕:08 音盤の詭計
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“其場”で始まる語句
其場所