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まじわり
ふりがな文庫
“
交
(
まじわり
)” の例文
この
両人
(
ふたり
)
が卒然と
交
(
まじわり
)
を
訂
(
てい
)
してから、
傍目
(
はため
)
にも不審と思われるくらい
昵懇
(
じっこん
)
な
間柄
(
あいだがら
)
となった。運命は
大島
(
おおしま
)
の表と
秩父
(
ちちぶ
)
の裏とを縫い合せる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
抽斎が三人目の妻徳を
娶
(
めと
)
るに至ったのは、徳の兄岡西
玄亭
(
げんてい
)
が抽斎と同じく蘭軒の門下におって、共に
文字
(
もんじ
)
の
交
(
まじわり
)
を訂していたからである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
世に
竹馬
(
ちくば
)
の
交
(
まじわり
)
をよろこべるものは多かるべしといへども、子とわれとの如く終生よく無頼の行動を共にしたるものは稀なるべし。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
だから彼も必然的に頭山満と
交
(
まじわり
)
を結んで、濛々たる
関羽髯
(
かんうひげ
)
を表道具として、玄洋社の事業に参劃し、炭坑の争奪戦に
兵站
(
へいたん
)
の苦労を引受けたり
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この全編の大略を概していえば、天下の人心、直接すればその
交
(
まじわり
)
をまっとうすべからず。今の世間に、この流行病あり。
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
「軍人はサッパリしています。争奪戦をやった二人が相変らず
刎頸
(
ふんけい
)
の
交
(
まじわり
)
を続けているのです。君達も斯うあって欲しい」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「それじゃア
些
(
すこ
)
し聞く事が有るが、
朋友
(
ほうゆう
)
の
交
(
まじわり
)
と云うものは互に尊敬していなければ出来るものじゃ有るまいネ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
文墨
(
ぶんぼく
)
の
交
(
まじわり
)
がある位で、ちょっと変った面白い人で、第三回の博覧会の時でしたかに、会場内の
厠
(
かわや
)
の下掃除を引受けて、御手前の防臭剤かなんかを
撒
(
ま
)
かしていましたが
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
いくばくもなく官を退いた後は、
故山
(
こざん
)
、
虢略
(
かくりゃく
)
に
帰臥
(
きが
)
し、人と
交
(
まじわり
)
を絶って、ひたすら詩作に
耽
(
ふけ
)
った。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
打たずんば交りをなさずと云って、
瞋拳
(
しんけん
)
毒手の殴り合までやってから真の
朋友
(
ほうゆう
)
になるのもあるが、一見して
交
(
まじわり
)
を結んで肝胆相照らすのもある。政宗と秀吉とは
何様
(
どう
)
だったろう。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
社会のために好字書の成らざりしを悲しまんか。我二十年の
交
(
まじわり
)
一朝にして絶えたるを悲しまんか。はた我に先だつて彼の逝きたるは彼も我も世の人もつゆ思ひまうけざりしをや。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「農家義人伝」はこの変化を「
交
(
まじわり
)
を
博徒
(
ばくと
)
に求む、
蓋
(
けだ
)
し
讐
(
かたき
)
の所在を知らんと欲する也」
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
某
(
それがし
)
が無二の
交
(
まじわり
)
を結べる
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
榛軒は抽斎より一つの年上で、二人の
交
(
まじわり
)
は
頗
(
すこぶ
)
る親しかった。
楷書
(
かいしょ
)
に片仮名を
交
(
ま
)
ぜた榛軒の
尺牘
(
せきどく
)
には、
宛名
(
あてな
)
が抽斎賢弟としてあった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
心柄
(
こころがら
)
とはいひながら
強
(
し
)
ひて
自
(
みずか
)
ら世をせばめ人の
交
(
まじわり
)
を断ち、
家
(
いえ
)
にのみ
引籠
(
ひきこも
)
れば
気随気儘
(
きずいきまま
)
の空想も門外世上の声に妨げ
覚
(
さ
)
まさるる事なければ
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
現に今日の人間交際を見るに、いかなる人にても、
交
(
まじわり
)
を求むるに上流を避けて下流につく者を見ず。ことさらに富貴の人を嫌うて、貧賤を友とする者を見ず。
教育の目的
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
兵隊に行っている間に同年兵の西の男と
刎頸
(
ふんけい
)
の
交
(
まじわり
)
を結んで、その妹と縁談が纒まったのである。嫁の遣り取りは稀でない。東から西へ養子に行っているのさえある。
ある温泉の由来
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何故
(
なぜ
)
こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えように
依
(
よ
)
れば、思い当ることが全然ないでもない。人間であった時、
己
(
おれ
)
は努めて人との
交
(
まじわり
)
を避けた。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
劇場は
木挽町
(
こびきちょう
)
の河原崎座であった。
贔屓
(
ひいき
)
の俳優は八代目団十郎である。作者
勝諺蔵
(
かつげんぞう
)
をば部屋に訪うて
交
(
まじわり
)
を結んだ。諺蔵は後の河竹新七である。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ケダシ
士君子
(
しくんし
)
万巻
(
ばんかん
)
ヲ読破スルモマタ
須
(
すべか
)
ラク廟堂ニ登リ
山川
(
さんせん
)
ヲ
看
(
み
)
交
(
まじわり
)
ヲ
海内
(
かいだい
)
名流ニ結ブベシ。然ル後
気局
(
ききょく
)
見解自然ニ
濶大
(
かつだい
)
ス、良友ノ
琢磨
(
たくま
)
ハ自然ニ
精進
(
せいしん
)
ス。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
我輩の所見を以てすれば、家内の
交
(
まじわり
)
には一切人為の虚を構えずして天然の真に従わんことを欲するものなり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「それじゃ先刻同県人だから
刎頸
(
ふんけい
)
の
交
(
まじわり
)
を結んで行動を共にしようと言ったのは
何
(
ど
)
ういう意味です?」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
抽斎は貞固の説を以て、情に偏し義に失するものとなして聴かなかった。貞固はこれがために一時抽斎と
交
(
まじわり
)
を絶つに至った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
所が前申す通り
榎本釜次郎
(
えのもとかまじろう
)
と私とは
刎頸
(
ふんけい
)
の
交
(
まじわり
)
と云う
訳
(
わ
)
けではなし、何もそんなに力を入れる程の親切のあろう訳けもない、
只
(
ただ
)
仙台藩士の腰抜けを
憤
(
いきどお
)
ったと同じ事で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
われ初て南岳と
交
(
まじわり
)
を
訂
(
てい
)
せしは明治三十二年の頃清朝の人にして俳句を善くしたりし
蘇山人羅臥雲
(
そさんじんらがうん
)
が
平川天神祠畔
(
ひらかわてんじんしはん
)
の寓居においてなりけり。南岳
諱
(
いみな
)
は
亨
(
とおる
)
。
野口幽谷
(
のぐちゆうこく
)
の門人なり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
苟
(
いやし
)
くも
刎頸
(
ふんけい
)
の
交
(
まじわり
)
を結んだ以上は、君が退学すると、僕も退学しなければならない」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
右は人間の
交
(
まじわり
)
の大略なり。その
詳
(
つまびらか
)
なるは二、三枚の紙につくすべからず、必ず書を読ざるべからず。
中津留別の書
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
巨勢君にはかしこなる画堂にて逢ひ、それより
交
(
まじわり
)
を結びて、こたび巨勢君、ここなる美術学校に、しばし足を
駐
(
とど
)
めむとて、旅立ち玉ふをり、われも
倶
(
とも
)
にかへり
路
(
じ
)
に上りぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
わたくしが初て帚葉翁と
交
(
まじわり
)
を
訂
(
ただ
)
したのは、大正十年の頃であろう。その前から古本の
市
(
いち
)
へ行くごとに出逢っていたところから、いつともなく話をするようになっていたのである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「赤羽君と二人で蕎麦屋へ行って、
刎頸
(
ふんけい
)
の
交
(
まじわり
)
を結んで来た」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
広く外国と
交
(
まじわり
)
を結び、約束に信を失わず、貿易に利を失わしめざる者も、この子女ならん。
京都学校の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
人の心には底の知れない暗黒の
堺
(
さかい
)
がある。不断一段自分より上のものにばかり交るのを喜んでいる自分が、ふいとこの青年に逢ってから、
余所
(
よそ
)
の
交
(
まじわり
)
を疎んじて、ここへばかり来る。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
父は唐宋の詩文を好み、早くから支那人と文墨の
交
(
まじわり
)
を
訂
(
さだ
)
めておられたのである。
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
墓は願行寺
先塋
(
せんえい
)
の中にある。竜池の師、静廬もこの年八十三歳で歿した。
寿阿弥曇奝
(
じゅあみどんちょう
)
の歿したのも同年である。寿阿弥と竜池父子とは相識ではあっただろうが、その
交
(
まじわり
)
の
奈何
(
いかん
)
を
詳
(
つまびらか
)
にしない。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
心なき
世
(
よ
)
の
交
(
まじわり
)
を忌みおそれ
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そうしたら、或は珍らしい純潔な
交
(
まじわり
)
が成り立つまいものでもない。いやいや。それは不可能であろう。西洋の小説を見るのに、そんな場合には女は到底侮辱を感ぜずにはいないものらしい。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
さ程深くもなかった
交
(
まじわり
)
が絶えてから、もう久しくなっているが、僕はあの人の飽くまで穏健な、目前に提供せられる受用を、程好く享受していると云う風の生活を、今でも
羨
(
うらや
)
ましく思っている。
百物語
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
交
(
まじわり
)
広く、もの
惜
(
おし
)
みせず、世事には極めて
疎
(
うと
)
かりければ、家に遺財つゆばかりもなし。それよりダハハウエル街の北のはてに、裏屋の二階明きたりしを借りて住みしが、そこに遷りてより、母も病みぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“交”の意味
《名詞》
(コウ)付き合い、交わり。
(コウ)年月や季節の変わり目。
(出典:Wiktionary)
交
常用漢字
小2
部首:⼇
6画
“交”を含む語句
交際
交換
入交
交互
交々
交渉
交代
交叉
取交
交情
打交
交趾
眼交
交尾
交錯
交誼
情交
人交
目交
飛交
...