)” の例文
すると、すぐ狼が疋出て来て、みんなまじめな顔をして、手をせわしくふつて云ひました。
狼森と笊森、盗森 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
粂の字をの宇との字にした方がいいって、こじつけちゃったんだそうだが——滑稽こっけいさね。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
文字もじはやがてみゝわきおそろしきこゑもてさゝやくぞかし、一通いつゝうもとふるへて卷收まきをさめぬ、二通につうおなじく三通さんつう四通しつう五六通ごろくつうよりはすこかほいろかはりてえしが、はつ十通じつゝう十二通じふにつう
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
不時ふじ天變てんぺんが無ければ、いまより二年にねん月目げつめすなはこれから三度目さんどめ記元節きげんせつむかふるころには、試運轉式しうんてんしき擧行きよかうし、引續ひきつゞいて本島ほんとう出發しゆつぱつして、なつかしき芙蓉ふえうみねのぞこと出來できませう。
それで長屋建ながやだてで、俗にいう尺二けん店賃たなちんが、よく覚えてはいないが、五百か六百……(九十六もんが百、文久銭一つが四文、四文が二十四で九十六文、これが百である。これを九六百くろくびゃくという)
對向さしむかひに、一寸ちよいとせなひねつた、片手かたて敷辷しきすべらした座蒲團ざぶとんはしいて、すらりと半身はんしんつま内掻うちがい土間どまそろへた、二十はたちえた、白足袋しろたびで、これも勝色かついろいコートを姿すがたよくたが、おとうとよこにして
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(九荷といふ荷物はなかつた。に通じるから嫌はれたらしい。十一荷では少しはんぱの数だから十三と極めたのであらう。西洋風に勘定すれば十一の方が十三よりは数がよろしいけれど、昔はそんな事は知らなかつた)
よめいり荷物 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
もなく倒すに」で九人。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
。」
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「第とうしやう。マツチのメタル。さあ、次だ、次だ、出るんだよ。どしどし出るんだ。」
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
でも、三十五氏はまだいいが、三十六みそろく、三十しち、三十はち、それから三十はをかしい。
三十五氏 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
ぬしをとこともをんなともひとにはえじとおもひしげなれど、たるは三十許さんじふばかりきし女中風ぢよちゆうふうと、いま一人ひとり十八じふはちか、にはだとおもはるゝやうの病美人びやうびじんかほにも手足てあしにもといふものすこしもなく
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「第とうしょう。マッチのメタル。さあ、次だ、次だ、出るんだよ。どしどし出るんだ。」
かしわばやしの夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
突当りの芥溜ごみためわきに尺二けんあががまち朽ちて、雨戸はいつも不用心のたてつけ、さすがに一方口いつぱうぐちにはあらで山の手の仕合しやわせは三尺ばかりの椽の先に草ぼうぼうの空地面、それがはじを少し囲つて青紫蘇あをぢそ
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どりの第三夜。みんな順々にこゝに出て歌ふんだ。じぶんの文句でじぶんのふしで歌ふんだ。一等賞から等賞まではぼくが大きなメタルを書いて、明日あした枝にぶらさげてやる。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
見ると、五つつより下の子供が人、わいわい云いながら走ってついて来るのでした。
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「何が無礼だ。もう本切るだけは、とうに山主の藤助とうすけに酒を買つてあるんだ。」
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)