“とうし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トウシ
語句割合
唐紙28.8%
藤氏10.2%
透視10.2%
鄧芝6.8%
蕩子3.4%
闘志3.4%
凍死3.4%
榻子3.4%
鬪士3.4%
東徙1.7%
闘士1.7%
倒屣1.7%
偸視1.7%
刀子1.7%
唐詩1.7%
島司1.7%
島誌1.7%
東之1.7%
東使1.7%
東子1.7%
東支1.7%
答使1.7%
讀師1.7%
陶詩1.7%
骰子1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔し島田は藤田東湖ふじたとうこの偽筆に時代を着けるのだといって、白髪蒼顔万死余云々はくはつそうがんばんしのようんぬんと書いた半切はんせつ唐紙とうしを、台所のへっついの上に釣るしていた事があった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
俊寛は、いな御身おんみの父の成親なりちか卿こそ、真の発頭人である。清盛が、御身の父を都で失わなかったのは、藤氏とうし一門の考えようを、はばかったからである。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
吾儕われらは奇蹟を驚異し、透視とうしの人を尊敬し、而して自身は平坦な道をあるいて、道の導く所に行きたいものである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
『三国志』に名高い呉に使して君命をはずかしめなんだ蜀漢の鄧芝とうしは、才文武を兼ねた偉物だったが、黒猿子を抱いて樹上にあるをを引いて射て母に中てしにその子ためにを抜き
わたしは抽斎伝の興味を説き、伝中に現れ来る蕩子とうしのわれらがむかしに似ていることを語った。
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中柄ちゅうがらで肉のしまっているこの女水泳教師のうすい水着下の腹輪の肉はまだ充分じゅうぶん発達しないさびしさを見せてはいるが、こしの骨盤ははち型にやや大きい。そこに母性的の威容いようたくましい闘志とうしとをひそましている。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
無慙むざんにも凍死とうしをしたのでした。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
太い榻子とうしりかかって、じっと話に耳を傾ける。
空罎 (新字新仮名) / 服部之総(著)
Sとは、極度きよくどめた生活せいくわつをして、献身的けんしんてき運動うんどうをしてゐた、わか一人ひとり鬪士とうしだつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
わたくしは北条霞亭の東徙とうしを語るに先だつて、霞亭は何時めとつたか、何時仕へたかと問うた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは此年辛巳五月二十六日に、菅茶山の北条霞亭に与へた書の断片中より、既に当時西遊途上にあつた狩谷棭斎の数日間の行住去留を検出し、又受信者霞亭の東徙とうしの時を推定しようと試みた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
なにとぞ大講会参加さんかの一闘士とうしとして飛びいりおゆるしくださいますよう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徳川家とくがわけからは五名の闘士とうしの名をあげてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一日昧爽まいそう櫛沐しつもくあたリ、打門ノ声甚ダ急ナルヲ聞キ、楼欄ニツテこれヲ観ルニ、客アリ。清癯せいく鶴ノ如シ。戸ニ当リテ立ツ。スミヤカニ倒屣とうしシテ之ヲ迎フ。既ニシテ門ニ入リ名刺ヲ出ダス。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
老夫は腹だたしげに御者のかお偸視とうしせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、この図も見たとおりだが、全体が刀子とうし(石器時代の滑石武器)の刃形みたいな形をしているだろう。ところが、その右肩うけんを斜めに截った所が、実に深遠な意味を含んでいるんだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
詩にて申候えば『古今集』時代はそう時代にもたぐえ申すべく俗気紛々ふんぷんと致しおり候ところはとても唐詩とうしとくらぶべくも無之候えども
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
シッ……その事じゃ。あの増長者奴のぼせめが、一昨年の夏、あの宗像むなかた大島の島司とうしになっているうちに、朝鮮通いの薩州藩の難船を助けて、船つくろいをさせた上に、病人どもを
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
島誌とうしのしるすところによれば、ここの少女団の首領は十七歳で、その指導の下に村に二ヵ所の大きなかまどを粘土と小石をもって作り上げ、その上に台を置いて男女二つの粘土製の人形を載せる。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
過去帳一本に「實は東國屋伊兵衞弟、俳名東之とうし」と註してある。東清の壻養子であらう。淨賀は安永十年三月二十七日に歿した。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこで急遽きゅうきょ、この長井縫之助がえらばれ、新朝廷の西園寺、久我こがなどの大臣おとどをとおし、二上皇の御裁可をうながすべき東使とうしとして、派遣されて来たものだった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そう言って六樹園は立って行って本箱をしばらく探していたが、やがて一冊の草紙を持って座に帰ったのを見ると、それは文化二年に出た、竹塚たけづか東子とうしの「父母怨敵現腹鼓おやのかたきうつつのはらづつみ
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
地図を開いてごらんになると判るが、東支とうし鉄道が黒竜江省こくりゅうこうしょうを横断している。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
長浜を撤去てっきょし、家族を姫路に移し、八月、宝寺城の工を起し——この間、京都政治所と山崎とのあいだを隔日に往来しつつ、あした禁闕きんけつに伏し、昼に市井を巡察し、夕べに庶政しょせいを見、答使とうしを発し
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どこの組内にも、讀師とうしの役をつとめるものが一人ある。これが僧侶の代りをする。杉野の組内の讀師は又七つあんといふ老人だつた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
しかれども詩情もまたおおき人たりしは疑う可からず。詩においては陶淵明とうえんめいし、笠沢りゅうたく舟中しゅうちゅう陶詩とうしを読むの作あり、うちに淵明を学べる者を評して
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
運命へ向って骰子とうしを振る気もち——とでもいおうか、底に悲壮な一大決意がよこたわっているのは事実で、こればかりは、いかに老練な飛行家でも
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)