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高野
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こうや
ふりがな文庫
“
高野
(
こうや
)” の例文
紀州有田川の源流へ
高野
(
こうや
)
の坊主輩が便利する、由ってこの川の
年魚
(
あゆ
)
が特に肥え美味だなど伝うると等しく多少拠る所があったものか。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
高野
(
こうや
)
の道場にこもるおつもりなのか? ……そして
浮世
(
うきよ
)
に
未練
(
みれん
)
をもたぬため、いさぎよく、わざとじぶんにも会わず、父とも名のらず
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その後、大峰に三度、
葛城
(
かつらぎ
)
に二度、
高野
(
こうや
)
、
粉川
(
こがわ
)
、
金峰山
(
きんぷせん
)
、
白山
(
はくさん
)
、立山、富士の
嶽
(
たけ
)
、伊豆、箱根、信濃の
戸隠
(
とがくし
)
、出羽の羽黒など、日本全国くまなく廻り修行した。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「ウフフ。どうだよ、伝あにい。まずざっとこんなものだ。むっつり右門の目が光ったとなると、事は早いよ。野郎め、お槍をひっかついで
高野
(
こうや
)
へとっ走ったぜ」
右門捕物帖:31 毒を抱く女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
吾々は紀伊の各地を伝って、旅を
高野
(
こうや
)
の山寺で結ぼうとした。実にその夜のことであった。私たちは民藝館の設立を
議
(
はか
)
り、
晩
(
おそ
)
くまで心を躍らせてそのことを語り合った。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
小金吾問へば「檀那、お聞なすつて下さいまし、村の者から預つて来た、
高野
(
こうや
)
へ納める
祠堂金
(
しどうきん
)
の廿両、この袷の間へ入れて置いたのがございません、さあ大変だ、金がねえ」
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
同寺から
高野
(
こうや
)
へ送った武田家品物の目録書の稿の中に、飯縄本尊
并
(
ならび
)
に法次第一冊信玄公
御随身
(
みずいしん
)
とあることが
甲斐国志
(
かいこくし
)
巻七十六に見えているから、飯綱の法も行ったか知れぬ。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
立ち尽していると
頭上
(
ずじょう
)
で御祈祷鳥が鳴く、御岳山の御祈祷鳥は
高野
(
こうや
)
の奥に鳴くという仏法僧。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
高野
(
こうや
)
の弘法大師のことだと思っていましたが、歴史の弘法大師は三十三の歳に、支那で仏法の修業をして帰って来てから、三十年の間に高野山を開き、むつかしい多くの書物を残し
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
今から十日以内に
阪地
(
はんち
)
で落ち合おう、そうしていっしょに
高野
(
こうや
)
登りをやろう、もし
時日
(
じじつ
)
が許すなら、伊勢から名古屋へ
廻
(
まわ
)
ろう、と取りきめた時、どっちも指定すべき場所をもたないので
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは今の季節の京都に必ずなくてはならぬ
鰉
(
ひがい
)
の焼いたの、
鮒
(
ふな
)
の子
膾
(
なます
)
、
明石鯛
(
あかしだい
)
のう塩、それから
高野
(
こうや
)
豆腐の
白醤油煮
(
しろしょうゆに
)
に、柔かい卵色湯葉と真青な
莢豌豆
(
さやえんどう
)
の煮しめというような物であった。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
高野
(
こうや
)
豆腐を一つ煮るのにもなかなか面倒な講釈をする老人は、この
歳
(
とし
)
の若い妾を仕込むのに
煮焚
(
にた
)
きの道をやかましく云って、今ではお久の料理でなければ口に合わないと云うほどなので
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
言葉を知らないものにとっては、初めのうちは世界の都、巴里も、
高野
(
こうや
)
の奥の院位いの
淋
(
さび
)
しさであった。カフェーやレストウランで、大勢が何かやっているが、自分には何の影響もない事だった。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「
罐詰
(
かんづめ
)
でしたらかりんに
蜂
(
はち
)
の子、それに
高野
(
こうや
)
豆腐だの
氷餅
(
こおりもち
)
だの。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「あなたは、
高野
(
こうや
)
の
御家中
(
ごかちゅう
)
でござりますね」
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
酒旗
(
しゅき
)
高し
高野
(
こうや
)
の
麓
(
ふもと
)
鮎
(
あゆ
)
の里
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
高野
(
こうや
)
のお山は
蛍の灯台
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
高野
(
こうや
)
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また、かくいうも、このことばは自分ひとりの
言
(
げん
)
ばかりではない。ある夜、
高野
(
こうや
)
をひそかに
下
(
くだ
)
られた
某
(
それがし
)
とよぶ
御僧
(
みそう
)
のすすめもあるのである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紀州の
高野
(
こうや
)
の麓の
鞆淵
(
ともぶち
)
村あたりでは、昔
木樵
(
きこり
)
があって三人の男の子を持っていた。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
北畠親房や四条
隆資
(
たかすけ
)
らが、運びをつけていたもので、さらにここから、
高野
(
こうや
)
へお
遷
(
うつ
)
りの議もあったが、その議は止み、ここ吉野の山上を、以後
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔ならば
叡山
(
えいざん
)
か
高野
(
こうや
)
へでも送るか、しからざれば永年武者修業でもした
挙句
(
あげく
)
に、どこかで槍先の功名を現わすというところであるが、新領主の方から、在所におりたくば純然たる農になれ
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
嵯峨
(
さが
)
、
淳和
(
じゅんな
)
、白河などの勅願もあり、堂塔三千八百坊、東北の
高野
(
こうや
)
といわれたという規模や沿革を、ここでは述べきれないし、ぼくの専門ではない。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うけたまわれば、弁ノ殿には、これより
紀州
(
きしゅう
)
高野
(
こうや
)
、
播磨
(
はりま
)
大山寺
(
たいせんじ
)
、
伯耆
(
ほうき
)
の
大社
(
たいしゃ
)
、越前の平泉寺などへ、内々の
綸旨
(
りんじ
)
をおびて、忍びやかに御廻国のよし。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後に、この公義は、
高野
(
こうや
)
へ入って、僧になっていたことが世にわかった。けれど師直師泰のふたりにはもうこの歌が誘う真実なさけびもまにあわなかった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
浄悪
(
じょうあく
)
すべてをつつむ八
葉
(
よう
)
蓮華
(
れんげ
)
の秘密の
峰
(
みね
)
——
高野
(
こうや
)
の奥には、
数多
(
あまた
)
の武人が弓矢を捨てていると聞く」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吉野山の
愛染宝塔
(
あいぜんほうとう
)
を根じろにたてこもっていた大塔ノ宮の御陣中にいたが、この二月初め、吉野は陥ち、宮は
高野
(
こうや
)
へ落ちのびてしまったので、こんどは土民に化けて
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高野
(
こうや
)
の奥の高野杉には、天上の鳥という
頻伽
(
びんが
)
の声が、澄みぬいている。ここでは、下界でいうもずも、ひよどりも、あらゆる雑鳥も一様に
迦陵頻伽
(
かりょうびんが
)
のさえずりであった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこには、
高野
(
こうや
)
のような金堂宝塔の美はないが、何か慕わしいものがあるように思われた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宮は無力な
落人
(
おちゅうど
)
にすぎない。身一ツ
高野
(
こうや
)
を
恃
(
たの
)
んで来られたのだ。これを
扶
(
たす
)
けぬのは仏心にそむく。——一山の衆議はすぐきまって、宮は、大塔とよぶ
大伽藍
(
だいがらん
)
の
天井裏
(
てんじょううら
)
に
匿
(
かくま
)
われた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ところで、この吉報を、さっそく大塔ノ宮へもお告げ申したいが、宮は吉野落ちの後、
高野
(
こうや
)
とばかりで、その御在所も連絡が来ておらぬ。……たれか心ききたる者はおるまいか」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高綱は、一個の
新沙弥
(
しんしゃみ
)
となって、当年の
高野
(
こうや
)
行人派のひとりとなって、修行を志した。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戦乱二年、吉野の奥から
高野
(
こうや
)
、十津川と、山野に
臥
(
ふ
)
して、郷士竹原六郎の娘を妃とし、野武士や山伏の徒とも、膝ぐみになって、秘策をかたらい、自身陣頭にも立ってきた宮である。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頼朝の不信は責めたが、卒然と何か悟って、中国七州を
弊履
(
へいり
)
のごとく捨ててしまい、先ごろから
高野
(
こうや
)
へ入って出家しているそうじゃ……。何といさぎよい、侍らしいやり口ではないか
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
〔
資盛
(
すけもり
)
〕清盛の孫、小松重盛の次男。新三位中将。兄の
維盛
(
これもり
)
は、屋島を脱出して、
高野
(
こうや
)
をさすらい、熊野の海で投身した。歌よみの才媛、
右京大夫
(
うきょうのたいふ
)
ノ
局
(
つぼね
)
(以前、建礼門院の侍女)の恋人。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
養家
(
ようか
)
の
貧
(
ひん
)
したため十五歳で京都の
妙心寺
(
みょうしんじ
)
に小僧にやられ、名を
十竹
(
じっちく
)
ともらい、
笈
(
おいずる
)
を負うて、若いあいだ、
南都
(
なんと
)
、
高野
(
こうや
)
、諸山を
遍参
(
へんさん
)
して、すこしばかり仏法をかじったり、
一切経
(
いっさいきょう
)
を読んでみたり
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おととし、
笠置
(
かさぎ
)
のあといらい。宮のありかは、熊野、伊勢、十津川の奥、
高野
(
こうや
)
の上、さまざまに沙汰されていたが、去年の夏ごろから、吉野築城の事実が関東方にも、やっと、はっきりつかめていた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高野
(
こうや
)
もある、
伯耆
(
ほうき
)
の
大山寺
(
だいせんじ
)
もある。
叡山
(
えいざん
)
、奈良はいうまでもない。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高野
(
こうや
)
の尻押しの
故智
(
こち
)
に習って、老人は楽そうに押されてゆく。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
“高野”で始まる語句
高野山
高野槇
高野豆腐
高野聖
高野槙
高野長英
高野村
高野領
高野路
高野川