“こうや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
曠野43.7%
紺屋24.1%
高野17.8%
広野5.2%
荒野4.6%
郊野1.1%
幸谷0.6%
広原0.6%
染物屋0.6%
甲谷0.6%
荒夜0.6%
行也0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
筆をって書いていても、魏叔子ぎしゅくし大鉄椎だいてっついでんにある曠野こうや景色けいしょくが眼の前に浮んでくる。けれども歩いている途中は実に苦しかった。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのせっかくの白い衣裳を、一つ流行文様に染めましょうと思って、梟紺屋こうやあつらえたところが、梟は粗忽そこつで真黒々に染めてしまった。
高野こうやの道場にこもるおつもりなのか? ……そして浮世うきよ未練みれんをもたぬため、いさぎよく、わざとじぶんにも会わず、父とも名のらず
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしていかなる苦しみをなめても、呂宋兵衛をうちとり、小角のれいをなぐさめなければならぬと、毎日広野こうやへでて、武技ぶぎをねり、陣法の工夫くふう他念たねんがなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よるは、くらそとに、木枯こがらしがすさまじくさけんでいました。そんなとき、たたく仏壇ぶつだんかねは、このいえからはなれて、いつまでもたよりなく、荒野こうやなかをさまよっていました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひそかにその機会をうかがっている中に、一日たまたま郊野こうやにおいて、向うからただ一人歩み来る飛衛に出遇であった。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
かねて信心しんじんする養安寺村の蛇王権現だおうごんげんにおまいりをして、帰りに北の幸谷こうやなるお千代の里へまわり、おそくなれば里に一宿いっしゅくしてくるというに、お千代の計らいがあるのである。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
お千代は北の幸谷こうやなる里方へ帰り、省作とおとよは湖畔の一旅亭りょていに投宿したのである。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ロシア国民楽派の一人、交響詩「中央アジアの広原こうやにて」、歌劇「イゴール公」などひどく韃靼臭だったんくさいものがある。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
この男、あたしの目に触れだしたのは、越前堀えちぜんぼりのお岩稲荷いなりの近所ににかに囲われていたころだった。染物屋こうや張場はりばのはずれに建った小家で、茄子なすの花が紫に咲いていた。
甲谷こうやの来るのはもうすぐだった。彼は甲谷に宮子という踊子を一人紹介されるはずになっていた。甲谷はシンガポールの材木の中から、この濁った底知れぬ虚無の街の上海シャンハイに妻をめとりに来たのである。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
行也こうや いずくにぞ あえいやしくもせん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)