“他念”の読み方と例文
読み方割合
たねん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしていかなる苦しみをなめても、呂宋兵衛をうちとり、小角のれいをなぐさめなければならぬと、毎日広野こうやへでて、武技ぶぎをねり、陣法の工夫くふう他念たねんがなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やつめ、あんなところで、なにをしているのだろう? ……おおあのおそろしい顔はどうだ。あの他念たねんのない形相ぎょうそうをする時は、いつも、呂宋兵衛がとくいの南蛮流なんばんりゅう幻術げんじゅつをやるときだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)