頼光らいこう)” の例文
頼光らいこうはさっそくつなにいいつけて、さっき神様かみさまからいただいた「かみ方便ほうべんおに毒酒どくざけ」をして、酒呑童子しゅてんどうじ大杯おおさかずきになみなみとつぎました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まず弓矢八幡大菩薩ゆみやはちまんだいぼさつ頼光らいこう、綱、八郎、田原藤太たわらとうた、みんなのお力をたばにしたくらいの腕前でもなけれや、間に合いますまい。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
小栗判官おぐりはんかん頼光らいこう大江山おおえやま鬼退治、阿波あわ鳴戸なると三荘太夫さんしょうだゆう鋸引のこぎりびき、そういったようなものの陰惨にグロテスクな映画がおびえた空想のやみに浮き上がり
青衣童女像 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
けだし、スッテンドウジというのは、大江山の酒呑童子しゅてんどうじのことで、それはとうの昔に、みなもと頼光らいこうと、その郎党によって退治されているはずのものです。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すると頼光らいこうがいきなり刀を抜いてその瓜を真二つに切つた。瓜の中に小さい蛇が輪を巻いてかくれてゐた。
大へび小へび (新字旧仮名) / 片山広子(著)
松明たいまつったる巡査とほか数名の勇者は、頼光らいこう四天王してんのう大江山おおえやまったような態度で、再び窟へ引返ひっかえした。巡査がふごに乗って降りた。の者も順々に降りた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あの和泉町いずみちょう一勇斎国芳いちゆうさいくによしさんが今度の御政事向の事をばそれとなく「みなもと頼光らいこう御寝所ごしんじょの場」にたとえて百鬼夜行ひゃっきやこうの図を描き三枚続きにして出したとかいう事で御座ります。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さしずめ我等は綱、金時、得右衛門の頼光らいこう中央まんなかにして、殿しんがり貞光さだみつ季武すえたけ、それ押出せと五人にて、棍棒よりぼう、鎌など得物を携え、鉢巻しめて動揺どよめくは、田舎茶番と見えにけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頼光らいこう土蜘蛛つちぐもに悩まさるる折、綱、金時きんとき宿直とのいする古画等に彼輩この風に居眠る体を画けるを見れば、前に引いた信実の歌などに深山隠みやまがくれの宿直猿とのいざるとあるは夜を守って平臥せぬ意と見ゆ。
女人自身のいう所をことごとく真実と認めるのは、——わたしはこの二十年来、こういう疑問を抱いている。あの頼光らいこう四天王してんのうはいずれも多少気違いじみた女性崇拝家すうはいかではなかったであろうか?
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
頼光らいこうむすめなぐさめて、おしえられたとおり行きますと、なるほど大きないかめしいてつもんこうにえて、黒鬼くろおに赤鬼あかおにばんをしていました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
昔話のつな金時きんときのやうに、頼光らいこうの枕もとに物々しく宿直とのゐを仕つるのはもう時代おくれである。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
昔大江山の奥に酒呑童子しゅてんどうじが住んでいた、それを頼光らいこうが退治した。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さていよいよ大江山おおえやまけてつことにきめると、頼光らいこうはじめ六にん武士ぶしはいずれも山伏やまぶし姿すがたになって、あたま兜巾ときんをかぶり、篠掛すずかけました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
昔話のつな金時きんときのように、頼光らいこうの枕もとに物々しく宿直とのいつかまつるのはもう時代おくれである。
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どうして頼政よりまさがそういう名誉めいよになうようになったかともうしますと、いったいこの頼政よりまさは、あの大江山おおえやまおに退治たいじした頼光らいこうには五だいめのまごたりました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ともかくも古来有名な物になって居りまして、かの頼光らいこう大江山おおえやま入りなども恐らくこれが粉本ふんぼんであろうと思われますから、事実の有無うむを問わず、ここに紹介することに致します。
それから幾日いくにち幾日いくにちもかかって、貞光さだみつ金太郎きんたろうれてみやこかえりました。そして頼光らいこうのおやしきへ行って
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
頼光らいこう足柄山あしがらやまから山姥のを連れて来たと云うのが実説ならば、の金太郎と云うのは即ち山𤢖の一人いちにんで、文明の教育を受けた結果、後に坂田金時さかたのきんときという立派な勇士になったのだろう。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
はるあめのしとしとばんのことでした。平井保昌ひらいのほうしょうと四天王てんのう頼光らいこうのお屋敷やしきあつまって、おさけんでいました。みんないろいろおもしろいはなしをしているうちに、ふと保昌ほうしょう
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そこで金太郎きんたろう坂田金時さかたのきんとき名乗なのって、頼光らいこう家来けらいになりました。そして大きくなると、えらいおさむらいになって、渡辺綱わたなべのつな卜部季武うらべのすえたけ碓井貞光うすいのさだみつといっしょに、頼光らいこうの四天王てんのうばれるようになりました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
頼光らいこう大江山おおえやまおに退治たいじしてから、これはそののちのおはなしです。
羅生門 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
頼光らいこういながら、金太郎きんたろうあたまをさすりました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)