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遁
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にげ
ふりがな文庫
“
遁
(
にげ
)” の例文
と
南
(
みなみ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
は一
旦
(
たん
)
橋渡
(
はしわた
)
しをすれば
後
(
あと
)
は
再
(
ふたゝ
)
びどうならうともそれは
又
(
また
)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
だといふ
心
(
こゝろ
)
から
其處
(
そこ
)
は
加
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
に
繕
(
つくろ
)
うて
遁
(
にげ
)
るやうに
歸
(
かへ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
黒吉ですら、時々そうした、蒼白い予感に、体中の血が先きを争って、内部へ
遁
(
にげ
)
込んで行くような恐ろしい気持を感じた。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
自白した罪人はここに
居
(
お
)
ります。
遁
(
にげ
)
も隠れもしませんから、
憚
(
はばか
)
りながら、
御萱堂
(
ごけんどう
)
とお見受け申します年配の御婦人は、
私
(
わたくし
)
の前をお離れになって、お引添いの上。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
云
(
いひ
)
にける物語
二枝
(
ふたつ
)
に
分
(
わか
)
る
不題
(
こゝにまた
)
忠兵衞は主命なれば詮方なく
最
(
いと
)
云難
(
いひがた
)
き事の由を親子の者に云傳へ
其所
(
そこ
)
をば
遁
(
にげ
)
も出せしが
設
(
も
)
し
追掛
(
おひかけ
)
らる事もやと
意
(
こゝろ
)
の恐れに
眞暗
(
まつくら
)
散方
(
さんばう
)
跡を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一所野宴するを下し
視
(
み
)
て、もし知れる人にやと近よりて見んとするに、地に近づけば風力弱くなりて思わず
落
(
おち
)
たりければ、その男女おどろきさけびて
遁
(
にげ
)
はしりける
天保の飛行術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
こゝだおれを
撲
(
なぐ
)
りにかゝるやつがあるぞ、
遁
(
にげ
)
みちはちゃんときまってゐる、あしたの
午
(
ひる
)
ころみんな仕事に出たころ係二十人一斉に自転車でやって来てそいつを押へてしまふ
税務署長の冒険
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
卯平
(
うへい
)
はいきなり
煙管
(
きせる
)
を
叩
(
たゝ
)
きつけた。
鷄
(
とり
)
は
慌
(
あわ
)
てゝ
座敷
(
ざしき
)
の
筵
(
むしろ
)
へ
泥
(
どろ
)
を
落
(
おと
)
して
閾
(
しきゐ
)
の
外
(
そと
)
に
脚
(
あし
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
した
儘
(
まゝ
)
暫
(
しばら
)
く
轉
(
ころ
)
がつて
居
(
ゐ
)
たが、
遂
(
つひ
)
には
蹌跟
(
よろ
)
け/\
鳴
(
な
)
き
騷
(
さわ
)
ぎつゝ
遠
(
とほ
)
く
遁
(
にげ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「ええ、死神のような奴、取附かれて
堪
(
たま
)
るものか。」力に任して突飛ばせば、
婆々
(
ばばあ
)
へたばる、三吉
遁
(
にげ
)
る、
出合頭
(
であいがしら
)
に一人の美人、(木賃宿のあの人の)宵月の影
鮮麗
(
あざやか
)
なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それなり船の荷物にして、積んで帰れば片附きますが、
死骸
(
しがい
)
ではない、酔ったもの、
醒
(
さ
)
めた時の挨拶が厄介じゃ、とお船頭は
遁
(
にげ
)
を打って、帆を掛けて、海の
靄
(
もや
)
へと隠れました。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然
(
しか
)
し
餘
(
あま
)
りに
能
(
よ
)
く
瘡痍
(
きず
)
其
(
その
)
物
(
もの
)
の
性質
(
せいしつ
)
を
識別
(
しきべつ
)
した
醫者
(
いしや
)
は、
彼
(
かれ
)
に
其
(
その
)
果敢
(
はか
)
ない
心
(
こゝろ
)
を
訴
(
うつた
)
へる
餘裕
(
よゆう
)
を
與
(
あた
)
へずに
彼
(
かれ
)
を
頭
(
あたま
)
から
壓
(
おさへ
)
る
樣
(
やう
)
に
揶揄
(
からか
)
うた。
彼
(
かれ
)
は
其處
(
そこ
)
に
何物
(
なにもの
)
をも
得
(
え
)
ないで
遁
(
にげ
)
るやうに
珊瑚樹
(
さんごじゆ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
を
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は
遁
(
にげ
)
ることも出来なくなった、……もっとも駆出すにした処で、差当りそこいら雲を踏む心持、馬場も草もふわふわらしいに、足もぐらぐらとなっていて、他愛がありません。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれ。」とばかりに後にすさりて、
後
(
うしろ
)
ざまにまたその手を格子戸の引手にかけし、
遁
(
にげ
)
も出ださむ身のふりして、
面
(
おもて
)
をば
赧
(
あか
)
らめたまえる、
可懐
(
なつか
)
しと思う人なれば、涙ながら見て、われは
莞爾
(
にっこ
)
と笑いぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さあ
鰌
(
どじょう
)
は
遁
(
にげ
)
る、
鰻
(
うなぎ
)
は
辷
(
すべ
)
る、お
玉杓子
(
たまじゃくし
)
は
吃驚
(
びっくり
)
する。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遁
漢検準1級
部首:⾡
13画
“遁”を含む語句
遁出
見遁
遁亡
遁走曲
遁世
遁走
遁辞
火遁
夜遁
遁帰
八門遁甲
出家遁世
遁構
遁失
門遁甲
隠遁者
遁世者
遁口上
遁生菩提
隠遁所
...