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透明
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とうめい
ふりがな文庫
“
透明
(
とうめい
)” の例文
灰色にしてややつめたく、
透明
(
とうめい
)
なるところの気分である。さればまことに豚の心もちをわかるには、豚になって見るより
致
(
いた
)
し方ない。
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人間だって
血液
(
けつえき
)
の赤い色と
毛髪
(
もうはつ
)
の色などをとりのぞけば、
体
(
からだ
)
じゅうが
無色
(
むしょく
)
で
透明
(
とうめい
)
になってしまうんだ。ガラスとたいしてちがわないよ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
私
(
わたし
)
の
居
(
ゐ
)
た、
草
(
くさ
)
にも、しつとりと
其
(
そ
)
の
靄
(
もや
)
が
這
(
は
)
ふやうでしたが、
袖
(
そで
)
には
掛
(
かゝ
)
らず、
肩
(
かた
)
にも
卷
(
ま
)
かず、
目
(
め
)
なんぞは
水晶
(
すゐしやう
)
を
透
(
とほ
)
して
見
(
み
)
るやうに
透明
(
とうめい
)
で。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
透明
(
とうめい
)
な
大碗
(
おおわん
)
が、すっと上にあがった。その下へ僕がころがりこむのと、その透明な大碗が落ちて来てその中に僕をふせるのと、同時だった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さうして、
斯
(
か
)
く
透明
(
とうめい
)
な
聲
(
こゑ
)
が、
二人
(
ふたり
)
の
未來
(
みらい
)
を、
何
(
ど
)
うしてあゝ
眞赤
(
まつか
)
に、
塗
(
ぬ
)
り
付
(
つ
)
けたかを
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つた。
今
(
いま
)
では
赤
(
あか
)
い
色
(
いろ
)
が
日
(
ひ
)
を
經
(
へ
)
て
昔
(
むかし
)
の
鮮
(
あざや
)
かさを
失
(
うしな
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
けれども、こんな海苔巻のようなものが夏になると、あの
透明
(
とうめい
)
な
翅
(
はね
)
をした
蛾
(
が
)
になるのかと想像すると、なんだか
可愛
(
かわい
)
らしい気もしないことはありません。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
極度の緊張に脳貧血を起していったん意識を
喪
(
うしな
)
い、再び恢復して来たときの復一の心身は、ただ一
箇
(
こ
)
の
透明
(
とうめい
)
な観照体となって、何も思い出さず、何も考えず
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
身
(
み
)
の
丈
(
たけ
)
は七八
寸
(
すん
)
、
肩
(
かた
)
には
例
(
れい
)
の
透明
(
とうめい
)
な
羽根
(
はね
)
をはやして
居
(
お
)
りましたが、しかしよくよく
見
(
み
)
れば
顔
(
かお
)
は七十
余
(
あま
)
りの
老人
(
ろうじん
)
の
顔
(
かお
)
で、そして
手
(
て
)
に一
条
(
じょう
)
の
杖
(
つえ
)
をついて
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
これもおのずから
透明
(
とうめい
)
になり、
鉄格子
(
てつごうし
)
の中に
群
(
むらが
)
った何匹かの猿を現して見せる。それからまた塀全体は
操
(
あやつ
)
り
人形
(
にんぎょう
)
の舞台に変ってしまう。舞台はとにかく西洋じみた室内。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
偶然
(
ひよつと
)
彼
(
かれ
)
は
俄
(
にはか
)
に
透明
(
とうめい
)
に
成
(
な
)
つた
空氣
(
くうき
)
の
中
(
なか
)
から
驅
(
かけ
)
つて
來
(
き
)
て
網膜
(
まうまく
)
の
底
(
そこ
)
にひつゝいたものゝやうにぽつちりと一つ
目
(
め
)
についたものがある。それは
遠
(
とほ
)
い
上流
(
じやうりう
)
に
繋
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
小
(
ちひ
)
さな
船
(
ふね
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ほの
暗
(
ぐら
)
い
宵闇
(
よいやみ
)
のそこから、
躑躅
(
つつじ
)
ヶ
崎
(
さき
)
の
濠
(
ほり
)
の流れは、だんだん
透明
(
とうめい
)
に
磨
(
と
)
ぎだされてきた。
眸
(
ひとみ
)
をこらしてのぞきこむと、
藻
(
も
)
にねむる
魚
(
うお
)
のかげも、
底
(
そこ
)
の
砂地
(
すなじ
)
へうつってみえるかと思う。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大いそぎで
薬品
(
やくひん
)
の
調合
(
ちょうごう
)
にとりかかり、それができあがると、
夕方
(
ゆうがた
)
から夜にかけて、ぼくは
体
(
からだ
)
を
透明
(
とうめい
)
にするその
薬
(
くすり
)
をのみつづけたんだ——
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そのすきとおった音に私の興奮した心はもう一ぺん
透明
(
とうめい
)
なニュウファウンドランドの九月というような気分に
戻
(
もど
)
りました。みんなもそうらしかったのです。陳氏は
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いやにまがりくねった
透明
(
とうめい
)
の糸みたいなものが走っていて、なんだかクラゲのような形をしていた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蒼
(
あお
)
ぐろい
透明
(
とうめい
)
のなかにたれている手が、ギヤマンをすかしたような色に見えた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おそらく、きみには
想像
(
そうぞう
)
もつかないことだろう。
透明
(
とうめい
)
でいるために服をきないでいると、食べ物を口に入れることができないんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
その拍手の中でデビス長老は祭司次長に連れられて壇を下り
透明
(
とうめい
)
な電鈴が式場一杯に鳴りました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そういってカコ技師は、
透明
(
とうめい
)
な液のはいっている小びんを出してみせた。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「覚者の善です。」その人の
影
(
かげ
)
は
紫
(
むらさき
)
いろで
透明
(
とうめい
)
に草に
落
(
お
)
ちていました。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
透明
(
とうめい
)
清澄
(
せいちょう
)
で黄金でまた青く
幾億
(
いくおく
)
互
(
たがい
)
に
交錯
(
こうさく
)
し光って
顫
(
ふる
)
えて燃えました。
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“透明”の解説
透明
とは、物体の反対側や内部にあるものが透けて見えること。極端な場合には間にある物体が存在しないかのように感じられる。また曇ったり、歪んだりはしているが透けて見えることを半透明という。
転じて「透明な」「透明性」などの形で、比喩として様々な意味・文脈でも用いられる概念である。特に行政や企業の運営状況等の公開に関連して「透明性」の語が用いられる。
(出典:Wikipedia)
透
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
“透明”で始まる語句
透明人間
透明壁
透明白膏
透明板
透明猫
透明硬膜