米屋こめや)” の例文
二人ふたり呉服屋ごふくや反物たんものつてた。米屋こめやからこめつてつた。けれども其他そのたには一般いつぱん社會しやくわいところきはめてすくない人間にんげんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
めすでもかまいませんから、わたしにくださいませんか、ねずみがいてしようがないのです。」といって、とうとう米屋こめやさんが、ふところにれてかえりました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
味噌みそこしげてはしたのおあしにぎつて米屋こめやかどまではうれしくけつけたれど、かへりにはさむさのにしみてあしかじかみたれば五六軒ごろくけんへだてし溝板どぶいたうへこほりにすべり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
源内先生は高端折たかはしょり。紺の絹パッチをニュッと二本突ン出し、笠は着ず、手拭を米屋こめやかぶりにして、余り利口には見えないトホンとした顔で四辺あたりの景色を眺めながらノソノソと歩いて行かれる。
うまつたはうからしながら「みなさん、ひるすぎに、見付みつけの米屋こめやうまです。あのうまつら見覺みおぼえがあります。これかららせにきます。」と、商家しやうか中僧ちうぞうさんらしいのが、馬士まごおぼ
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かゝりし程に下女は慌狼狽あわてふためき近所きんじよの人々に聞どもたれる者もなく早速さつそく米屋こめやへも知らせければ市郎左衞門は云に及ばず我も/\と駈付かけつけあけそみたる死骸を見て皆々みな/\茫然ばうぜんとして言葉もなかりしが市郎左衞門なみだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
米屋こめやこめいてるのさ。機械きかいをとだよ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
けれども米屋こめやはらひを、この三十日みそかにはうしたものだらうといふ、くるしい世帶話しよたいばなしは、いまかつ一度いちど彼等かれらくちにはのぼらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのうちは、米屋こめやでありました。米屋こめやのおじいさんは、なにか、くろい、おおきなものがはいってきたとおもって、よくますと、それは、ひきがえるでありましたから
お母さんのひきがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
疳癪かんしやくがおこつたときにはおもて米屋こめや白犬しろいぬるとおもふてわたしうちあらひかへしを光澤出つやだしの小槌こづちに、きぬたうちでもりにくだされ、それならばおまへさんもひとにくまれずわたしはうでも大助おほだすかり
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
せい一は、お菓子かしばこしました。また近所きんじょ米屋こめやはしっていって、わらももらってきました。戸田とだは、かいこをはこを一つ、まぶしを一つつくってくれました。
芽は伸びる (新字新仮名) / 小川未明(著)
こまったなあ。」と、おとうさんは、かんがえていられました。ちょうど、そこへ、米屋こめやさんが
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)