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算木
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さんぎ
ふりがな文庫
“
算木
(
さんぎ
)” の例文
算木
(
さんぎ
)
一つの置き方で人を笑い死ぬまで笑わせたり、お座敷の真ん中に洪水を起して、畳の上で人を溺らせたりした様な恐ろしい奇術者も
憑き物系統に関する民族的研究:その一例として飛騨の牛蒡種
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
算木
(
さんぎ
)
、
筮竹
(
ぜいちく
)
、天眼鏡、そうして二、三冊の
易
(
えき
)
の書物——それらを載せた
脚高
(
あしだか
)
の
見台
(
けんだい
)
、これが店の一切であった。
葦簾
(
よしず
)
も天幕も張ってない。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
変らないのは、かのしょうづかの婆さんの木像のみで、書棚もしまいこまれてしまったし、
算木
(
さんぎ
)
筮竹
(
ぜいちく
)
も取りのけられて見えない。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
河北軍のほうは、
易
(
えき
)
の
算木
(
さんぎ
)
をおいたような
象
(
かたち
)
。
魚鱗
(
ぎょりん
)
の正攻陣を
布
(
し
)
いている。曹操の陣はずっと散らかって、鳥雲の陣をもって迎えていた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一口にいうと
周易
(
しゅうえき
)
の
算木
(
さんぎ
)
に似た意味をもっていて、イデアと法則を象徴し、全宇宙がこの七十八枚のカードの中に圧縮されているというのである。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
「子の五月三日。さようですか。」と易者はすぐに
筮竹
(
ぜいちく
)
を
把
(
と
)
って口の中で何か
呟
(
つぶや
)
きながらデスクの上に
算木
(
さんぎ
)
を並べ、「お年廻りは
離中断
(
りちゅうだん
)
の卦に当ります。 ...
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
侍が、去ってしまうと、手を延して、床の間から、
算木
(
さんぎ
)
の入った、白緞子で包んだ小函と、
筮竹
(
ぜいちく
)
の包とを取った。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
そこには、小さい組み立ての机、
筮竹
(
ぜいちく
)
、
算木
(
さんぎ
)
で暮す、
編笠
(
あみがさ
)
の下から、白い
髯
(
ひげ
)
だけ見せた老人が、これから、商売道具を並べ立てようとしているのであった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
学生時代にすっかりH先生に傾倒してしまったのだ。そこで易などに凝り初めて
算木
(
さんぎ
)
を寄せたり
筮竹
(
ぜいちく
)
などをジャラジャラやり出した。や、なかなか当るよ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
少々
(
せう/\
)
寒
(
さむ
)
し、
不景氣
(
ふけいき
)
な
薄外套
(
うすぐわいたう
)
の
袖
(
そで
)
を
貧乏
(
びんぼふ
)
ゆすりにゆすつて
居
(
ゐ
)
ると、
算木
(
さんぎ
)
を
四角
(
しかく
)
に
並
(
なら
)
べたやうに、クツシヨンに
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
た
客
(
きやく
)
が、そちこちばら/\と
立掛
(
たちかゝ
)
る。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
易者
(
えきしや
)
は
大道
(
だいだう
)
に
店
(
みせ
)
を
出
(
だ
)
して、
徃來
(
わうらい
)
の
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
一二錢
(
いちにせん
)
で
占
(
うら
)
なふ
人
(
ひと
)
と、
少
(
すこ
)
しも
違
(
ちが
)
つた
樣子
(
やうす
)
もなく、
算木
(
さんぎ
)
を
色々
(
いろ/\
)
に
並
(
なら
)
べて
見
(
み
)
たり、
筮竹
(
ぜいちく
)
を
揉
(
も
)
んだり
數
(
かぞ
)
へたりした
後
(
あと
)
で
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
古い袋から
筮竹
(
ぜいちく
)
を取り出して押し
頂
(
いただ
)
くこと、法のごとくにそれを数えること、残った数から陰陽を割り出して
算木
(
さんぎ
)
をならべること、すべて型どおりに行なったあとで
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
麻雀の道具箱位の大きさで、あけてみると昔の算法に使った
算木
(
さんぎ
)
がいっぱい入っていた。二色に分れていたと思うが、それで開平、開立というような高等な数学ができた。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
垜積
(
だせき
)
即ち有限級数の総和を求めることができるようにしましたし、それを更に拡張して無限級数に対する公式をもつくり、そのほかに
算木
(
さんぎ
)
による二次方程式の解法を原則として
関孝和
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
草履取
(
ぞうりとり
)
木下藤吉郎の人相を占って、
此
(
こ
)
の者天下を取ると出たのに
愕
(
おどろ
)
き、占いの術のインチキなるに
呆
(
あき
)
れ、その場で
筮竹
(
ぜいちく
)
をへし折り
算木
(
さんぎ
)
を河中に捨て、廃業を宣言したそうであるが
第四次元の男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その旗は
算木
(
さんぎ
)
を染め出す代りに、赤い
穴銭
(
あなせん
)
の形を
描
(
か
)
いた、余り見慣れない
代物
(
しろもの
)
だった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
葺たる上に
算木
(
さんぎ
)
といふ物を
作
(
つく
)
り
添
(
そへ
)
石を
置
(
おき
)
て
鎮
(
おもし
)
とし風を
防
(
ふせぐ
)
の
便
(
たより
)
とす。これゆゑに雪をほりのくるといへどもつくすことならず、その雪のうへに
早春
(
さうしゆん
)
の雪ふりつもりて
凍
(
こほる
)
ゆゑ屋根のやぶれをしらず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
焦
(
じ
)
れ立ったお銀様は、もう経机の前に経かたびらを装うて、
算木
(
さんぎ
)
筮竹
(
ぜいちく
)
を
弄
(
ろう
)
している女易者の自分でなく、深々と旅寝の夜具に埋もれて所在のない寝姿を
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
父はと見ると、もう一週間ほど前に床を払った一室に机をかまえて、
算木
(
さんぎ
)
筮竹
(
ぜいちく
)
をおき、易書などをわきに積んで、その晩も頻りに漢書を読み耽っていた。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこの
和尚
(
おしょう
)
は内職に身の上判断をやるので、薄暗い玄関の次の間に、
算木
(
さんぎ
)
と
筮竹
(
ぜいちく
)
を見るのが常であった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すべて支那からの伝統に従って
算木
(
さんぎ
)
というものを使って演算を行っていたのでしたが、それに代って筆算をはじめたということは、出来上った上では何でもないように思われても
関孝和
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
だから「
諸国銘葉
(
しよこくめいえふ
)
」の柿色の
暖簾
(
のれん
)
、「
本黄楊
(
ほんつげ
)
」の黄いろい櫛形の
招牌
(
かんばん
)
、「
駕籠
(
かご
)
」の
掛行燈
(
かけあんどう
)
、「
卜筮
(
ぼくぜい
)
」の
算木
(
さんぎ
)
の旗、——さう云ふものが、無意味な一列を作つて、
唯
(
ただ
)
雑然と彼の眼底を通りすぎた。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
葺たる上に
算木
(
さんぎ
)
といふ物を
作
(
つく
)
り
添
(
そへ
)
石を
置
(
おき
)
て
鎮
(
おもし
)
とし風を
防
(
ふせぐ
)
の
便
(
たより
)
とす。これゆゑに雪をほりのくるといへどもつくすことならず、その雪のうへに
早春
(
さうしゆん
)
の雪ふりつもりて
凍
(
こほる
)
ゆゑ屋根のやぶれをしらず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その左の目の瞳に近く、ポッツリ星がはいっていた。それが変に気味悪かった。黒塗りの見台が置いてあった。
算木
(
さんぎ
)
、
筮竹
(
ぜいちく
)
が載せてあった。その人物が左伝次であった。茶無地の被布を纏っていた。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二段柵
(
にだんさく
)
、
外開
(
そとびら
)
き、迷路、
算木
(
さんぎ
)
組みなど、様々な様式があるらしい。はや暁に近く、信長が馬上で巡視に来た頃は、すでに雨もあがり、柵の工も終っていた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの
算木
(
さんぎ
)
筮竹
(
ぜいちく
)
で易を立てて、噛んで含めるように、ていねいにお
諭
(
さと
)
しをしておやりになりましたものですから、それがために救われたものも多分にございました
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
往来の人の身の上を一二銭で
占
(
うら
)
なう人と、少しも違った様子もなく、
算木
(
さんぎ
)
をいろいろに並べて見たり、
筮竹
(
ぜいちく
)
を
揉
(
も
)
んだり数えたりした後で、
仔細
(
しさい
)
らしく
腮
(
あご
)
の下の
髯
(
ひげ
)
を握って何か考えたが
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから「諸国
銘葉
(
めいよう
)
」の柿色の
暖簾
(
のれん
)
、「
本黄楊
(
ほんつげ
)
」の黄いろい
櫛形
(
くしがた
)
の
招牌
(
かんばん
)
、「
駕籠
(
かご
)
」の
掛行燈
(
かけあんどう
)
、「
卜筮
(
ぼくぜい
)
」の
算木
(
さんぎ
)
の旗、——そういうものが、無意味な一列を作って、ただ雑然と彼の眼底を通りすぎた。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
竜之助一行を送り出しておいて、しきりに胸さわぎがしたので、読みかけた本をふせて、丹後守は座右の
筮竹
(
ぜいちく
)
と
算木
(
さんぎ
)
とを取って
易
(
えき
)
を立ててみました。そうして
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、
算木
(
さんぎ
)
のほこりを口で吹いて、ザラザラと
筮竹
(
ぜいちく
)
の空鳴りをさせていた露店の
主
(
ぬし
)
は、近ごろ古巣の江戸へ舞い戻って、
三味線堀
(
しゃみせんぼり
)
に長い顔をさらしている梅花堂流の馬春堂先生でした。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その上彼はこの婦人の机の上に、
筮竹
(
ぜいちく
)
も
算木
(
さんぎ
)
も
天眼鏡
(
てんがんきょう
)
もないのを不思議に
眺
(
なが
)
めた。婆さんは机の上に乗っている細長い袋の中からちゃらちゃらと音をさせて、穴の
開
(
あ
)
いた
銭
(
ぜに
)
を九つ出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の
几
(
つくえ
)
の上には、いまたてた
易占
(
うらない
)
の
算木
(
さんぎ
)
が、吉か凶か、
卦面
(
けめん
)
の
変爻
(
へんこう
)
を示していた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するうちに、ばしッと
筮竹
(
ぜいちく
)
を割り、
算木
(
さんぎ
)
の表裏を
反
(
かえ
)
して、
卦
(
け
)
を現わすやいな
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忍川
(
しのぶがわ
)
という角の茶屋——外から見ると静かそうな二階があるので、三枚橋を渡ってそこへ入ろうとすると、辻に一本の枯柳があって、柳と細竹に
風防
(
かぜよ
)
けを廻し、
掛行燈
(
かけあんどん
)
に
算木
(
さんぎ
)
を書いた大道易者。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呉用は、
香炉台
(
こうろだい
)
を借り、
香
(
こう
)
を
薫
(
くん
)
じ、おもむろに
算木
(
さんぎ
)
を
几
(
つくえ
)
にならべ始めた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“算木”の意味
《名詞》
易で卦をあらわす用具。
和算で計算に使用する用具。
(出典:Wiktionary)
“算木”の解説
算木(さんぎ)または算籌(さんちゅう)とは、中国数学や和算で用いられた計算用具である。縦または横に置くことで数を表した。算木に基づく算木数字も使われた。算木を用いた計算法を籌算という。
(出典:Wikipedia)
算
常用漢字
小2
部首:⽵
14画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“算木”で始まる語句
算木筮竹