“穴銭”の読み方と例文
読み方割合
あなせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老人は金襴の袋から、穴銭あなせんを三枚取り出した。穴銭は皆一枚ずつ、薄赤い絹に包んであった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その旗は算木さんぎを染め出す代りに、赤い穴銭あなせんの形をいた、余り見慣れない代物しろものだった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
道人どうじんは薄赤い絹を解いて、香炉こうろの煙に一枚ずつ、中の穴銭あなせんくんじたのち、今度はとこに懸けたじくの前へ、丁寧に円い頭を下げた。軸は狩野派かのうはいたらしい、伏羲文王周公孔子ふくぎぶんおうしゅうこうこうしの四大聖人の画像だった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)