玉子たまご)” の例文
水しやくひの娘は、いた玉子たまごを包みあへぬ、あせた緋金巾ひがなきん掻合かきあわせて、が赤いうおくわへたやうに、みよしにとぼんととまつて薄黒い。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
昌平橋しょうへいばしたもとへ高札のように貼って押し立てて、聖堂に通う学者の玉子たまごに読ませて、江戸一円の笑い草にしたことさえありました。
とうさんはそのあたらしい草履ざうりをはいたあしで、おうち臺所だいどころそとあそんでにはとりきました。おほきな玉子たまごをよくとうさんに御馳走ごちさうしてれたにはとり
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
玉子たまごソースのペラオメシ 秋付録 米料理百種「西洋料理の部」の「第五 玉子ソースのペラオ飯」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
カルロ・ナイン嬢はまさにその後者の方で、全体に小柄の方であるが、心持玉子たまご形をした拉典ラテン系統の顔の輪廓と、端麗花をあざむく眼鼻立ちと、希臘ギリシャの古彫刻そのままの恰好のいいくびすじと
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
中々なか/\とゞいたもので、土間どまひろく取つて、卓子テーブルに白いテーブルかけかゝつて、椅子いすりまして、烟草盆たばこぼんが出てり、花瓶くわびんに花を中々なか/\気取きどつたもので、菓子台くわしだいにはゆで玉子たまごなにか菓子がります
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
見てヤレ/\夫は御手柄々々おてがら/\先生の事ゆゑ定めし斯あらんと存じ仰付おほせつけられとほり醫師もまねおき燒酎せうちう白木綿しろもめん玉子たまごとも調とゝのひ置候なりと云つゝ半四郎倶々とも/″\新藤夫婦を奧へともなひ醫師にみせ市之丞の疵口をぬはせ療治を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きつはなして急催促きふさいそく言譯いひわけすべきほどもなくたちま表向おもてむきの訴訟沙汰そしようざたとはれりけるもと松澤まつざは數代すだい家柄いへがら信用しんようあつければ僅々きん/\せん二千にせんかね何方いづかたにても調達てうたつ出來得できうべしと世人せじんおもふは反對うらうへにて玉子たまご四角しかくまだ萬國博覽曾ばんこくはくらんくわいにも陳列ちんれつ沙汰さた
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
玉子たまご半熟はんじゆく、とあつらへると、やがてさらにのつて、白服しろふくからトンといて、卓子テエブルうへあらはれたのは、生々なま/\しいにく切味きりみに、半熟はんじゆくつたのである。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うちにはおいしい玉子たまご御馳走ごちそうしてれるにはとりつてありました。とうさんが裏庭うらにはて、きりしたあたりをあるまはつてますと、そのへんにはにはとりあそんでました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
玉子たまごのライスカレー 秋付録 米料理百種「西洋料理の部」の「第二十二 玉子のライスカレー」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
玉子たまごいが、みぎにくで、うかつにはけられぬ。其處そこで、パンを一切ひときれいてもらつた。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
玉子たまごのサンドウィッチ 秋付録 パン料理五十種の「第二十 玉子のサンドイッチ」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「ね、きいちやん、けいらんツて玉子たまごことだね。」
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)