とゞこほ)” の例文
新字:
箆棒べらぼう家賃やちんでもとゞこほつたにや、辨償まよはなくつちやりやすめえし、それこさあらが身上しんしやうなんざつぶれてもにやえやしねえ、だにもなんにも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
よく知つて居るよ、なア、黒助兄哥、お前さんのとつさんは御用金がかさんだ上、上納がとゞこほつて水牢で死んだ筈だ。
よそほひ道中とゞこほりなく十一日晝過に京都四條通りの旅館へぞちやくなせり則ち大坂の如くに入口玄關へはむらさ縮緬ちりめんあふひもんの幕を張渡はりわたし門前へは大きなる表札へうさつを立置ける錢屋ぜにや四郎右衞門は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〔譯〕心をれいと爲す。其の條理でうり情識じやうしきうごく、之をよくと謂ふ。欲に公私こうし有り、情識の條理に通ずるを公と爲す。條理の情識にとゞこほるを私と爲す。自ら其のつうたいとをべんずるは、即ち心のれいなり。
づはとゞこほりなく大阪おほさかへ——それから豐前ぶぜん𢌞まはつて、中津なかつこめ江戸えどんで、江戸えどから奧州あうしうわたつて、また青森あをもりから津輕藩つがるはんこめことづかつて、一品川しながはまでもどつたところあらためて津輕つがる材木ざいもくむために
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また今更いまさらかんがへれば旅行りよかうりて、無慘々々むざ/\あたら千ゑんつかてたのは奈何いかにも殘念ざんねん酒店さかやには麥酒ビールはらひが三十二ゑんとゞこほる、家賃やちんとても其通そのとほり、ダリユシカはひそか古服ふるふくやら、書物しよもつなどをつてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「あてはどないにもあらしまへん。今日云はうか明日云はうか思ふてゐた事を云ふた丈や。なあ、大貫さん、今迄とゞこほつた宿賃なんか一錢も貰はんかてよろしいさかい、今日限りいんで貰ひまつせ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
勘次かんじ依然いぜんとしてくるしい生活せいくわつそとに一のがることが出來できないでる。おしなんだとき理由わけをいうてりた小作米こさくまいとゞこほりもまだ一つぶかへしてない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
檢屍もとゞこほりなくすみましたが、下手人げしゆにんは何んとしても擧がりません。その時家の中に居たのは、殺された市太郎の外には、女主人の浪乃と、小さい娘の早苗さなえと二人きり。
かれはまだおしなんだとし小作米こさくまいとゞこほりもはらつてはないし、加之それのみでなく卯平うへいからゆづられた借財しやくざいのこりもちつともきまりがついていのにまた今度こんど間違まちがひからわづかながらあらた負擔ふたんくははつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
跡目は何んのとゞこほりもなく、養子園江金次郎に相續仰せ付けられるにきまつて居りますが、うつかり詮索立てをして、八十郎の死が殺しであつたとなると、次第によつては名目養子も叶はず
掃溜はきだめに鶴の降りたやうな清純な感じのするのが、幾日かとゞこほつた日濟しの金——と言つても、さしに差した鳥目を二本、たもとで隱してそつと裏口から覗くと、開けつ放したまゝの見通しの次の間に
家賃は申す迄もなく、酒屋米屋の拂ひもとゞこほらず、身裝みなりまで小綺麗になつたのを見て世間の人は、千兩の持參が、日向の雪達磨ゆきだるまのやうに、見る/\減つて行くだらうと、人事乍ら氣が氣ぢや無い
お六は併し何んのとゞこほりもなく應へました。