混亂こんらん)” の例文
新字:混乱
平次と八五郎が龜澤町へ馳けつけた時は、加納屋の上下は煮えこぼれるやうな騷ぎで、お品は子分達に號令して、その混亂こんらんの中に調べを進めてをりました。
れが實際問題じつさいもんだいになると、土地とち状態じやうたい風土ふうど關係くわんけい住者ぢうしや身分みぶん境遇きやうぐう趣味しゆみ性癖せいへき資産しさん家族かぞく職業しよくげふその種々雜多しゆ/″\ざつた素因そいん混亂こんらんしてたがひあい交渉かうせうするので
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
きり悲慘みじめすべてのものたがひらせまいとしてち/\すうけん距離きよりおいては物體ぶつたい形状けいじやうをもあきらかにしめさない。雜木林ざふきばやし樹木じゆもく開墾地かいこんち周圍しうゐにも混亂こんらんした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
混亂こんらん隊伍たいごなかおこつた。寢呆ねぼけて反對はんたい兵士へいしもゐた。ポカンとそら見上みあげてゐる兵士へいしもゐた。隊列たいれつ後尾こうびにゐた分隊長ぶんたいちやう高岡軍曹たかをかぐんそうぐにきしつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
あなくちかぬのにこれなのであるから、横穴よこあな發見はつけんとなつたら、どんな混亂こんらんしやうずるかわからぬといふので、警戒區域内けいかいくゐきないさらまた小區せうくくわくし、此所こゝにはたれれぬことにして
その混亂こんらんのあとには、持出もちだした家財かざい金目かなめのものがすくなからず紛失ふんしつした。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
群集ぐんしふたゞ囂々がう/\として混亂こんらんしたひゞきなか騷擾さうぜうきはめた。ちからかくごとくにして周圍しうゐ村落そんらくをも一つに吸收きふしうした。しかしながら、群集ぐんしふ勘次かんじにはかへりみようとはしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
泥土でいど混亂こんらんく、かひいろゆきごとしろく、合貝あひかひて、灰層くわいそうり、うしてなか/\ふかい。『有望々々いうぼう/\』とよばはりながら、水谷氏みづたにしぼくとはあなならべてすゝんだが、珍品ちんぴんらしいものにほひもせぬ。