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よこあい
ふりがな文庫
“
横合
(
よこあい
)” の例文
ひとのものを
横合
(
よこあい
)
からとるようなことが多い。実にふんがいにたえない。まだ世界は
野蛮
(
やばん
)
からぬけない。けしからん。くそっ。ちょっ。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「山西じゃないか」と、
横合
(
よこあい
)
から声をかけた者があった。
壮
(
わか
)
い男は耳なれた声を聞いて足を止めた。
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
を
冠
(
き
)
た小柄な男が立っていた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
と争って居る
横合
(
よこあい
)
から、龜藏が真鍮巻の木刀を持って、いきなり孝助の持っている提灯を叩き落す、提灯は地に落ちて燃え上る。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一羽の
雉子
(
きじ
)
を見つけて鉄砲の
狙
(
ねら
)
いを定め、まさに打ち放そうとするときに、不意に
横合
(
よこあい
)
から近よってこの男の右腕を柔かに叩く者があった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
すると
横合
(
よこあい
)
から、
蛇
(
へび
)
のような眼を持ったカンカン寅がヒョックリ顔を出す。とたんに仙太の顔がキューッと
苦悶
(
くもん
)
に
歪
(
ゆが
)
む。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
これは一番野猪と蕨を題して句でも作れという事だろうと言うと、妻が
横合
(
よこあい
)
からちょっとその電信を読みおわり、これはそんなむつかしい事でない。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それも旦那の生前に頼まれていたとでもいうのならいざ知らず、
横合
(
よこあい
)
から飛出して来たおせっかいである。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
源兵衛が
横合
(
よこあい
)
から叫んだ。留五郎は、その様子を冷ややかに見たが、急に眼を光らせたのは伝七だった。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
四、五間向うに、数羽の
雛
(
ひな
)
とともに
戯
(
たわむ
)
れている雷鳥、
横合
(
よこあい
)
から不意に案内者が石を投じて、
追躡
(
ついじょう
)
したが、
命冥加
(
いのちみょうが
)
の彼らは、遂にあちこちの岩蔭にまぎれてしまう。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
変だなと思って、自分の席の方へ行こうとすると、突然
横合
(
よこあい
)
から、
昂奮
(
こうふん
)
した声で呼びかけられた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
また
横合
(
よこあい
)
から飛び出して行つて、どちらかの影を踏まうとするのもある。かうして三人五人、多いときには十人以上も
入
(
い
)
りみだれて、地に落つる
各自
(
めいめい
)
の影を追ふのである。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こう俊助が
横合
(
よこあい
)
から、
冗談
(
じょうだん
)
のように異議を申し立てると、新田は冷かな眼をこちらへ向けて
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
頭髪
(
かみのけ
)
が沢山で、重々しそうに鍋でも
被
(
かぶ
)
っているように見える、目尻の垂れ下った、
鯰
(
なまず
)
の目附に似ている神経質じみた脊の低い、紺ぽい木綿
衣物
(
きもの
)
を着た女が、
横合
(
よこあい
)
から出て来た。
櫛
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其時はピンもさながらデカに義理を立てるかの如く、
横合
(
よこあい
)
からワン/\
吠
(
ほ
)
えて走って行く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
追
(
お
)
おうとすると
横合
(
よこあい
)
から、小文治の
馬腹
(
ばふく
)
をついた
菊池半助
(
きくちはんすけ
)
が、槍をしごいてさまたげた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と考えが
道草
(
みちくさ
)
の蝶に
誘
(
さそ
)
われて、ふわふわと
玉
(
たま
)
の
緒
(
お
)
が菜の花ぞいに伸びた
処
(
ところ
)
を、風もないのに、
颯
(
さっ
)
とばかり、
横合
(
よこあい
)
から雪の
腕
(
かいな
)
、
緋
(
ひ
)
の
襟
(
えり
)
で、つと
爪尖
(
つまさき
)
を反らして足を
踏伸
(
ふみの
)
ばした姿が、
真黒
(
まっくろ
)
な馬に乗って
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目科は
横合
(
よこあい
)
より細君に声を掛け
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
すると、林が再び
横合
(
よこあい
)
から
誰が何故彼を殺したか
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
いきなり
横合
(
よこあい
)
から、機関の停っているこのボルク号が、音もなく潜水艦のうえにのりあげた——と、考えているのです。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
側に居ります同心は一応
検
(
あらた
)
めて罪人に渡しまするが
掟
(
おきて
)
でございますから、
横合
(
よこあい
)
から手を出して取ろうと致しますると、亥太郎が承知いたしませぬ。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
侯爵の詰問に、相手の男が答える前に、突然
横合
(
よこあい
)
から口を出したのは、執事の三好老人だ。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お葉の火の手が折角
鎮
(
しず
)
まりかかった処へ、又もや
斯
(
こ
)
んな
狂気婆
(
きちがいばばあ
)
が
飛込
(
とびこ
)
んで来て、
横合
(
よこあい
)
から余計な
藁
(
わら
)
を
炙
(
く
)
べる。重ね重ねの面倒に
小悶
(
こじれ
)
の来た市郎は、再び大きい声で
呶鳴
(
どなり
)
付けた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
七つの
歳
(
とし
)
であったが、
筋向
(
すじむか
)
いの家に湯に招かれて、秋の夜の八時過ぎ、母より一足さきにその家の戸口を出ると、不意に
頬冠
(
ほおかむ
)
りをした屈強な男が、
横合
(
よこあい
)
から出てきて私を
引抱
(
ひっかか
)
え、とっとっと走る。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お
媽
(
かみ
)
さんが
横合
(
よこあい
)
から口を
挟
(
はさ
)
んだ。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「そんなにのぼっていって、それでいいのかね。
横合
(
よこあい
)
から人造人間がわーっと飛びだしたらどうするのかね」
人造人間エフ氏
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
はっと思って
二人
(
ににん
)
が
退
(
さが
)
る途端に身を
交
(
かわ
)
して
空
(
くう
)
を打たせ、素早く
掻潜
(
かいくゞ
)
って
一人
(
いちにん
)
の利腕を捩上げ、
尚
(
な
)
お
一人
(
ひとり
)
が、「小癪なことを
為
(
し
)
やがる」と
横合
(
よこあい
)
より打込み来る其の
間
(
ま
)
に
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
捜査課長がびっくりしたような表情で、
横合
(
よこあい
)
から口を出した。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、博士が
蛙
(
かえる
)
のようにとびついてゆくのをワーニャが
横合
(
よこあい
)
からとんできて、博士の身体をつきとばした。
見えざる敵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また山之助の
突掛
(
つきか
)
ける所を
引外
(
ひっぱず
)
して
釣瓶形
(
つるべがた
)
の煙草盆を投付け、続いて湯呑茶碗を
打付
(
ぶッつ
)
け小さい土瓶を取って投げる所を、
横合
(
よこあい
)
からお繼が、親の敵覚悟をしろと突掛けるのを身を
転
(
かわ
)
して
利腕
(
きゝうで
)
を打つと
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ふと気がついた様に紋三が
横合
(
よこあい
)
から口を出した。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「オヤオヤ」突然
横合
(
よこあい
)
から叫んだのは天津飛行士だった。「これは
愕
(
おどろ
)
いた。奇蹟中の奇蹟! 六角隊長と私とをこの土地に残して、空に飛びだした第一の宇宙艇だ」
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
時に
横合
(
よこあい
)
より亥太郎「恐れながら申上げます」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「弦ちゃん、お前は、こんなことで毎日帰りが遅かったのかい」
黄一郎
(
きいちろう
)
が、
横合
(
よこあい
)
から口を出した。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
風浪
(
ふうろう
)
ともみ合ったり、
横合
(
よこあい
)
から入って来た危難を切りぬけるのに、ほねをおったぐらいのことで、こっちから仕かける壮途らしいことは、ただの一回もやったことがないのだ。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やがて時刻とみえて、ビルの
横合
(
よこあい
)
の出口から、若い男や女が、ぞろぞろと出てきた。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私はわざと
先頭
(
せんとう
)
になって駈けだした。刑事も
横合
(
よこあい
)
から泳ぐように力走した。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ハルクが、たくましい腕をのばして、
横合
(
よこあい
)
から麻紐をぐっと引いた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それア相当なもんですなア」と副園長が
横合
(
よこあい
)
から云った。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのとき帆村は
横合
(
よこあい
)
から声をかけた。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、帆村が
横合
(
よこあい
)
から口を出した。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
横合
(
よこあい
)
から、
疳高
(
かんだか
)
い声が聞えた。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と帆村が
横合
(
よこあい
)
から口を出した。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“横”で始まる語句
横
横町
横柄
横面
横着
横浜
横川
横臥
横腹
横手