まい)” の例文
二号にがう活字くわつじ広告くわうこく披露ひろうさるゝほかなんよくもなき気楽きらくまい、あツたら老先おひさきなが青年せいねん男女なんによ堕落だらくせしむる事はつゆおもはずして筆費ふでづひ紙費かみづひ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
時うつりて生出いき(い)づ。をほそくひらき見るに、家と見しはもとありし荒野あらの一四二まい堂にて、黒き仏のみぞ立たせまします。
浮浪や、ならず者や、さむらいくずれが、したい三まいを演じるには、時こそ、あつらえ向きなれ、と云ってよい。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
致し居候ても正直しやうぢき一三まい出精しゆつせい致し居候と申上ければ越前守殿久八に申さるゝは其方事昨日も尋問たづぬる通り千太郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と思うとカッと逆上のぼせて来て、根が人がよいから猶々なお/\気が欝々うつ/\して病気が重くなり、それからはお嬢の俗名ぞくみょうを書いて仏壇に備え、毎日々々念仏三まいで暮しましたが
むかしの任侠にんきょうと称する者を見ても、彼らは外見上放蕩ほうとうまいに身を持ちくずすようでありながら、なお女子に対する関係は思いのほかに潔白で、足を遊里ゆうりに踏み込んでも
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
出したつて話ですから、いづれ、そんな事で刄物はものまいになつたんぢや御座いませんか
丁度ちょうどそのときわたくしうみ修行場しゅぎょうば不相変あいかわらず統一とういつ修行しゅぎょうまいふけってりましたので、みぎ婦人ふじん熱誠ねっせいこめた祈願きがんがいつになくはっきりとわたくしむねつうじてました。これにはわたくしも一とかたならずおどろきました。
而も世を棄て名を棄て、更に三界に流浪せしめしは誰ぞ。我もとより貧しけれど天命を知る。我が性玉の如し。我はこれ畢竟詩歌しいかまい、清貧もとよりる。我はめ、妻はいまだ痴情の恋に狂ふ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「はしなく、途中の三まいだにで、行き会うたのでおざりました。——こなたへ降って来る御舎弟ごしゃていと、若者ばらに」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うませいよいよさかえ行けるに母のお勝も大いに安堵あんどし常に念佛ねんぶつまい道場だうぢやうに遊びき庄兵衞が菩提ぼだいとむら慈悲じひ善根ぜんこんを事としたれば九十餘さい長壽ちやうじゆたも大往生だいわうじやう素懷そくわい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母のに服すこと一年、まもなく旅へ出て、泉州の南宗寺へ身を寄せ、後には大徳寺へも参じ、また、光広卿などと共に、世の流転るてんをよそに、歌行脚よし、茶三まいよし
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
決し在所ざいしよの永正寺と云尼寺あまでらへ入みどり黒髮くろかみそり念佛ねんぶつまい生涯しやうがいおくりし事こそ殊勝しゆしようなれされば長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夜が白んで来たのも——小鳥の声がし始めて来たのも——またこの家の戸が、彼の部屋を余す以外すべて開け放されたのもまったく知らずに——彼は三まいにはいっていた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
廟道びょうどうは奥深い。つねに道士が寄って経を談じ、山翁はのりを説いて、修行三まい、宇宙と人魂じんこんとのかたらいをなす秘壇ひだんとある。祭るものは、虚空こくう三千大世界のあまつ星や地宿の星とか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のろりとした風貌ふうぼうで、無能家老だの、昼行燈ひるあんどんなどと云われていた内蔵助——又事変後には、祇園や伏見で豪奢ごうしゃまいていを見せたり、そうかと思うと疾風迅雷に最後の目的に向い、儼然と
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでこの状態のまま、二本の刀が根くらべの三まいに入ることややしばし。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)