“野三昧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のざんまい66.7%
のさんまい33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……流灌頂ながれかんちょう——虫送り、虫追、風邪の神のおくりあと、どれも気味のいいものではない。いや、野墓、——野三昧のざんまい、火葬のあと……悚然ぞっとすると同時に、昨夕ゆうべの白い踊子を思い出した。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこが、野三昧のざんまいの跡とも、山窩さんかが甘い水を慕って出て来るともいう。人の灰やら、犬の骨やら、いずれ不気味なその部落を隔てた処に、かすかにその松原が黒く乱れてふくろが鳴いているお茶屋だった。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ですから、谷内谷内やちやち——ええ、おんなじ字を重ねますんです。谷内谷内の野三昧のさんまいで、兄さんと死骸を焼くんでしょう。それはほんとうで、そうして、それだけだろうと思います。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
市営なんのって贅沢ぜいたくなのは間に合わないけれどね、村へ行くと谷内谷内やちやちという処の尼寺の尼さんが懇意ですがね。その谷戸やと野三昧のさんまいなら今からでも。——小屋に爺さんが一人だから。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)