野三昧のさんまい)” の例文
ですから、谷内谷内やちやち——ええ、おんなじ字を重ねますんです。谷内谷内の野三昧のさんまいで、兄さんと死骸を焼くんでしょう。それはほんとうで、そうして、それだけだろうと思います。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
市営なんのって贅沢ぜいたくなのは間に合わないけれどね、村へ行くと谷内谷内やちやちという処の尼寺の尼さんが懇意ですがね。その谷戸やと野三昧のさんまいなら今からでも。——小屋に爺さんが一人だから。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)