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旨
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うめ
ふりがな文庫
“
旨
(
うめ
)” の例文
「そこでお
撮
(
つま
)
で
召食
(
めしあが
)
る、む、これは
旨
(
うめ
)
え。」と舌鼓、「餓鬼
泣
(
ほ
)
えめえよ。」と
小児
(
こども
)
にも与えて散々に喰散らす、
怪
(
け
)
しからぬことなり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道楽を一つするじゃなし、お
妾
(
めかけ
)
を一人置こうじゃなし、時たま
旨
(
うめ
)
え酒を飲んで、旨え物を食ってみるくれえが関の山なんだ。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
馬「乗り度くねえたって乗ってお呉んなせえな、馬にも
旨
(
うめ
)
え物を喰わして遣りてえさ、立派な旦那様、や、
貴方
(
あんた
)
ア安田さまじゃありやせんか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だってこうなってからというものア運とは云いながら
為
(
す
)
ることも為ることもどじを
踏
(
ふ
)
んで、
旨
(
うめ
)
え酒一つ飲ませようじゃあ無し面白い目一つ見せようじゃあ無し
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そうすりゃあ、父にもおふくろにも、うんと
旨
(
うめ
)
えものを食わして、楽をさせてやらあ。
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「こいつあ
旨
(
うめ
)
え、しかし狸が作蔵の褌をとって何にするだろう」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ヤイ、蜂の子飯ァ
旨
(
うめ
)
いぞ!」と叫んだ。
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
兼「フム、お
前
(
めえ
)
さんの方がなか/\
旨
(
うめ
)
い
物
(
もん
)
だ、其の先にむずかしい字が
沢山
(
たんと
)
書いてあるが、お前さん読んでごらんなせい」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ああ、そんな
旨
(
うめ
)
え事はねえんだけれど、前掛でさえ、しみったれているんだもの、貸すもんか。それだしね、羽織なんて誰も持ってやしませんぜ。」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「姥ヶ餅ちゅうはこれかい、
旨
(
うめ
)
えのう、もう一盆これへ出しなさろ」
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
婆「
旨
(
うめ
)
えものは有りませんが、
在郷
(
ざいご
)
のことですから
焚立
(
たきたて
)
の御飯ぐらいは出来ます、畑物の
茄子
(
なす
)
ぐらい煮て上げましょうよ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おかみさん、
難有
(
ありがて
)
え、お
前
(
めえ
)
さんの
思召
(
おぼしめ
)
しも嬉しけりゃ、
肴
(
さかな
)
も嬉しけりゃ、酒も
旨
(
うめ
)
え、旨えけれど
可笑
(
おかし
)
くねえや、何てってこうおかみさん、おかみさん、」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
旨
(
うめ
)
えか」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
深川の
櫓下
(
やぐらした
)
に居たって、
名前
(
なめえ
)
はおしずさんと云って
如才
(
じょさい
)
ねえ
女子
(
あまっこ
)
よ、年は二十二だと云うが、口の利き様は
旨
(
うめ
)
えもんだ、旦那様が連れて来たゞが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何か
私
(
わし
)
も
旨
(
うめ
)
え
乾物
(
ひもの
)
など見付けて提げて来よう、待っていさっせえ。」と作平はてくてく出かけて
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「いつも
行
(
ゆ
)
く
度
(
たび
)
に
向
(
むこう
)
で散財して、
酒肴
(
さけさかな
)
を取って貰って、
余
(
あんま
)
り気が利かねえ、
些
(
ちっ
)
とは
旨
(
うめ
)
え物でも買って
行
(
い
)
こうと思うが、金がねえから仕方がねえ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「へ、野暮な事を聞くもんだ。相変らず
旨
(
うめ
)
えものを
食
(
くわ
)
してやるのよ。黙って入物を出しねえな。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
乙舁「
此奴
(
こいつ
)
は佐倉の町で笛を吹いてやアがった乞食だ、この原中で
旨
(
うめ
)
え仕事をしようという中へ
這入
(
へえ
)
って邪魔アしやアがって、此の野郎から殴ってしまえ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
む、ああ、
旨
(
うめ
)
え、馬鹿にしやがら、
堪
(
たま
)
らねえ旨えや。旨えが嬉しくねえ、
七目
(
しちもく
)
れんげめ、おかみさん、お
憚
(
はばか
)
りながらそういっておくんねえ、折角ですが嬉しくねえッて。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
兼「そんなに馬鹿にしたものじゃアねえ、中々
旨
(
うめ
)
え……兄い喰ってみねえ……おゝ婆さん、お
燗
(
かん
)
が出来たか」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
してみると貰うて進ぜる方がまだお
前達
(
めえたち
)
の
面
(
かお
)
を
好
(
よ
)
くして、名を売ってやる恩人だ。勘定すれば一銭も差引無し、こちとらは鰹節で、お前様方が
旨
(
うめ
)
え汁を吸うといったようなものだ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吉「大丈夫、さア
庄
(
しょう
)
、あかは
後
(
あと
)
にして先ず二人で
遣付
(
やっつ
)
けようじゃねえか、成程こいつア中々
旨
(
うめ
)
え」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「へい、ですかい屑屋ですかい。お待ちなせえ、待ちねえよ、こう
旨
(
うめ
)
えことを
考
(
かんげ
)
えた。一番、こう、
褌
(
ふんどし
)
ゃ
切立
(
きったて
)
だから、恥は掻かねえ、
素裸
(
すっぱだか
)
になって、二階へ上って、こいつを脱いで、」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あのなア繁岡さんと
喜瀬川
(
きせがわ
)
さんを呼んで呉んな、揚女郎てえ訳ではねえが、
私
(
わっち
)
は少し義理が有るから、
旨
(
うめ
)
え物を
沢山
(
たんと
)
食
(
あが
)
れ、なにー、愚図/\云うな、
大台
(
おおでえ
)
を……大台をよ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そりゃ
旨
(
うめ
)
えことをした。」「いかさま棄てる神あればかい。土橋のいうあの御面相で買手があったか。」鉄蔵は
澄
(
すま
)
して
煙草
(
たばこ
)
の
粉
(
こ
)
をすぱすぱ、「何女郎じゃねえ。」という声、
戸外
(
おもて
)
に
洩
(
も
)
れて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前
(
めえ
)
も嫌えかも知れねえが喰うなら喰ってくんろ、勿体ねえからってお
前
(
めえ
)
さんは
旨
(
うめ
)
え物をくれるだが、番頭野郎は自分がそれ程に好かねえもんでも惜しがってくれやアがるだ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
旨
(
うめ
)
えもんですぜ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何うせ此の世にゃア望みは
無
(
ね
)
え、
旨
(
うめ
)
えものでも
沢山
(
たんと
)
喰
(
くら
)
って、面白い思いをして太く短かく
生涯
(
しょうげえ
)
を楽に暮して、縛られゝば百年目、此の粗末な
素首
(
そっくび
)
を飛ばして
帳消
(
ちょうけし
)
をして貰うばかり
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
權「
外出
(
がいしつ
)
だって我儘に
旨
(
うめ
)
え物を喰いに
往
(
ゆ
)
くとか、面白いものを見に
往
(
い
)
くのなれば遠慮ういたしますが、殿様のお側を守るなア遠慮は出来ねえ、
外出
(
がいしつ
)
するなって
其様
(
そん
)
な殿様も
無
(
な
)
えもんだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伴「成程、こいつは
旨
(
うめ
)
え、
屹度
(
きっと
)
持って来るよ、こいつは一番やッつけよう」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兼「
旨
(
うめ
)
い其の通りだ、その
結尾
(
しまい
)
にある
釣鉤
(
つりばり
)
のような字は何とか云ったね」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わし
)
ゃア
無一国
(
むいっこく
)
な人間で、
忌
(
いや
)
にお
侍
(
さむれえ
)
へ上手を
遣
(
つか
)
ったり、窮屈におっ
坐
(
つわ
)
る事が出来ねえから、
矢張
(
やっぱり
)
胡坐
(
あぐら
)
をかいて
草臥
(
くたび
)
れゝば寝転び、腹が
空
(
へ
)
ったら胡坐を掻いて、塩引の
鮭
(
しゃけ
)
で茶漬を
掻込
(
かっこ
)
むのが
旨
(
うめ
)
えからね
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いっても仕方がねえ、一体まア此の土地が何処の国だか分らんから、だがたんと流されやアしめえと思うが、上総房州の内なれば
宜
(
い
)
いが事によったら伊豆の島
辺
(
あた
)
りかも知れねえ、まだ/\それなれば
旨
(
うめ
)
えが
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
杢「
有難
(
ありがた
)
え、こんな
手伝
(
てつだえ
)
しなけりゃア
旨
(
うめ
)
え物が食えねえから」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伴「成程
旨
(
うめ
)
えや、だが中々外へは出まいよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
峯「
旨
(
うめ
)
え物でも食って
娼妓
(
じょろう
)
でも買え」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“旨”の意味
《名詞》
(むね)事のおもむき、こころ、題意、趣旨、意味。
(出典:Wiktionary)
旨
常用漢字
中学
部首:⽇
6画
“旨”を含む語句
旨味
御旨
旨趣
宗旨
令旨
旨々
楽旨
綸旨
聖旨
主旨
論旨
趣旨
奥旨
勅旨
御綸旨
宗旨替
宣旨
要旨
叡旨
旨煮
...