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弴
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とん
ふりがな文庫
“
弴
(
とん
)” の例文
二三日
(
にさんにち
)
經
(
た
)
つて、
弴
(
とん
)
さんに
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
をした。
丁
(
ちやう
)
ど
其日
(
そのひ
)
、
同
(
おな
)
じ
白樺
(
しらかば
)
の
社中
(
しやちう
)
で、
御存
(
ごぞん
)
じの
名歌集
(
めいかしふ
)
『
紅玉
(
こうぎよく
)
』の
著者
(
ちよしや
)
木下利玄
(
きのしたりげん
)
さんが
連立
(
つれだ
)
つて
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
単に現代の作家諸氏を見ても、泉鏡花氏、正宗白鳥氏、里見
弴
(
とん
)
氏、久米正雄氏、佐藤春夫氏、宇野浩二氏、菊池寛氏等を数へられるであらう。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小説家では、里見
弴
(
とん
)
氏。中里
介山
(
かいざん
)
氏。ともに教訓的なる点に於いて、純日本作家と呼ぶべきである。
古典竜頭蛇尾
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
最近谷崎潤一郎氏は「きのうきょう」の中で里見
弴
(
とん
)
氏の会話の妙をたたえて、「小説界の圓朝」といわれているが圓朝の巧さはまことこうしたところに尽きているとおもう。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「
弴
(
とん
)
は?」
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
……つい
此
(
こ
)
の
間
(
あひだ
)
、
弴
(
とん
)
さんに
逢
(
あ
)
つて、
其
(
そ
)
の
話
(
はなし
)
が
出
(
で
)
ると、
十圓
(
じふゑん
)
と
怯
(
おど
)
かすより
九九九
(
くうくうくう
)
と
言
(
い
)
ふ
方
(
はう
)
が、
音〆
(
ねじめ
)
……は
粹
(
いき
)
過
(
す
)
ぎる……
耳觸
(
みゝざは
)
りが
柔
(
やはら
)
かで
安易
(
あんい
)
で
可
(
よ
)
い。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
最も小説家らしい里見
弴
(
とん
)
氏さへ幾篇かの詩を残してゐる筈である。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
を——
或時
(
あるとき
)
、
弴
(
とん
)
さんと
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた
事
(
こと
)
のある
志賀
(
しが
)
さんが
聞
(
き
)
いて、
西洋
(
せいやう
)
の
小説
(
せうせつ
)
に、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
削
(
けづ
)
る
奇人
(
きじん
)
があつて、
女
(
をんな
)
のとは
限
(
かぎ
)
らない
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
(
ひと
)
あし
先
(
さき
)
の
幹事
(
かんじ
)
が
見
(
み
)
えない。やがて、
二十分
(
にじつぷん
)
ばかりにして、
當
(
たう
)
の
幹事
(
かんじ
)
弴
(
とん
)
さんは、
飛車
(
ひしや
)
を
拔
(
ぬ
)
かれたやうな
顏
(
かほ
)
をして
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弴
(
とん
)
さんは、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
喧嘩被
(
けんくわかぶ
)
り、
白地
(
しろぢ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の
尻端折
(
しりぱしより
)
で、いま
逃出
(
にげだ
)
したと
言
(
い
)
ふ
形
(
かたち
)
だが、
手
(
て
)
を
曳
(
ひ
)
いて……は
居
(
ゐ
)
なかつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
後
(
あと
)
で
聞
(
き
)
くと、
弴
(
とん
)
さんの
苦心
(
くしん
)
は、
大根
(
だいこん
)
おろし。まだ
御馳走
(
ごちそう
)
もない
前
(
まへ
)
に、
敢
(
あへ
)
て
胃
(
ゐ
)
の
消化
(
せうくわ
)
を
助
(
たす
)
けるためではない。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天
(
てん
)
の
時
(
とき
)
は
雨
(
あめ
)
ながら、
地
(
ち
)
の
理
(
り
)
は
案内
(
あんない
)
の
美人
(
びじん
)
を
得
(
え
)
たぞと、もう
山葵漬
(
わさびづけ
)
を
箸
(
はし
)
の
尖
(
さき
)
で、
鯛飯
(
たひめし
)
を
茶漬
(
ちやづけ
)
にした
勢
(
いきほひ
)
で、つい
此頃
(
このごろ
)
筋向
(
すぢむかひ
)
の
弴
(
とん
)
さんに
教
(
をしへ
)
をうけた、
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
見附
(
みつけ
)
の
鳩
(
はと
)
じるしと
言
(
い
)
ふ
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
木下
(
きのした
)
さんの
方
(
はう
)
は、
弴
(
とん
)
さんより
三四年
(
さんよねん
)
以前
(
いぜん
)
からよく
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
たが——
當日
(
たうじつ
)
連立
(
つれだ
)
つて
見
(
み
)
えた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けた
一人
(
ひとり
)
があつた。……
可懷
(
なつかし
)
い
聲
(
こゑ
)
だ、と
見
(
み
)
ると、
弴
(
とん
)
さんである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
読者
(
どくしや
)
知
(
し
)
るや、
弴
(
とん
)
さんと
芥川
(
あくたがは
)
(
故
(
こ
)
……あゝ、
面影
(
おもかげ
)
が
目
(
め
)
に
見
(
み
)
える)さんが、
然
(
しか
)
も
今年
(
ことし
)
五
月
(
ぐわつ
)
、
東北
(
とうほく
)
を
旅
(
たび
)
した
時
(
とき
)
、
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
つて、
函館
(
はこだて
)
の
貧
(
まづ
)
しい
洋食店
(
やうしよくてん
)
で、
弴
(
とん
)
さんが、オムレツを
啣
(
ふく
)
んで、あゝ、うまい、と
嘆
(
たん
)
じ
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弴
部首:⼸
11画
“弴”を含む語句
里見弴
長谷川弴