弱虫よわむし)” の例文
旧字:弱蟲
どちらかといえば、ぼくは、内弁慶うちべんけいで、そとでは弱虫よわむしというのでしょう。幼稚園ようちえんへも、なかなか一人ひとりではいけなかったのでした。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
學校がくかうにての出來できぶりといひ身分みぶんがらのいやしからぬにつけても弱虫よわむしとはものなく、龍華寺りうげじ藤本ふぢもと生煮なまにえのもちのやうにしんがあつてやつくがるものもりけらし。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ぼくは、いつもなら、こんなに弱虫よわむしじゃないんだ。」と、ニールスは言いました。「あしたまで、ねかせてさえくれりゃ、このふたぐらい、きっとあけられると思うがなあ。」
そんな弱虫よわむしをいつてはいかん おとうさんはまい日天文台もんだいでもつと遠くを見てゐるんだ
あたまいたいぐらいで学校がっこうやすむなんて、そんなやつがあるかい。弱虫よわむしめ。」
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
をられ或は腰骨こしぼね腋腹骨あばらぼね皆打折れて即死せしもあり適々たま/\未だしなざるも然も哀れ氣にうめさま心地こゝちよくこそ見えたりけれ後藤は是をかへりみてヤレ/\たはいもなき弱虫よわむしめら只一打にて逃散にげちつたりシテまだ死切しにきら奴輩やつばら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なんだ。弱虫よわむしだなあ。みんないっぺんにかかってい。」
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ぼくが、こういったとき、うちひとたちは、そんな弱虫よわむしが、どうして、一人ひとりでいけるものかといって、わらいだしました。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
でも、三人は、やわらかい寝床ねどこや、気もちのいい部屋へやをほしがるような弱虫よわむしではありませんから、きっとどこかに、みんなのがまんできるような休み場所が、見つかるでしょう。
弱虫よわむし平家へいけめ、おどかしていはらってやれ。」
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ピチクンはニャンちやんよりも弱虫よわむしだなあ アハハ
と、ひとごとをしてゆきすぎました。また弱虫よわむし子供こども母親ははおやは、ボンがいなくなったといて、うちそとて、いい気味きみだといわぬばかりにわらっていました。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あら 弱虫よわむしの天文学者に なるのね
「はッは、弱虫よわむしめ。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、ふたたび自分じぶんうちへつれてかえると、となりのいじわるいばあさんがまたいぬをしかるばかりでなく、あの弱虫よわむし子供こども母親ははおやまでがいぬをいじめるとおもいました。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かつさんだって、くるのだから。」といったので、弱虫よわむしおもわれては、いけないとおもって
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やればできたんだが、みなおまえさんのような弱虫よわむしばかりだ。」と、からすはいいました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やい、こんなところでなにしているんだい、弱虫よわむしめ、あっちへいって兵隊へいたいになれよ。」
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やあい、どこかの弱虫よわむしめ、やあい。」と、うしろのほう子供こどもらが悪口わるくちをいいました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
弱虫よわむしだなあ、じゃ、ぼくらだけおよぎにいこうよ。弱虫よわむしなんかこなくてもいいや。」と、二、三にんが、一つになって途中とちゅうからわかれて、田舎道いなかみちあるいてかわのあるほうへといったのであります。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ボンはとなりのばあさんと、その弱虫よわむし子供こども母親ははおやから、さんざんわるくいわれました。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、校舎こうしゃぐちには、きのう、いっしょにあそんだ、子供こどもたちが二、三にんもかたまって、ぼくのほうをて、なにかはなしあって、わらっています。きっと、弱虫よわむしとでもいっていたのでしょう。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
弱虫よわむしのくせに、はだしでゆくやあい。」と、また子供こどもらがいいました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また、弱虫よわむし正坊まさぼうが、あしいためて、体操たいそうやすんだときであります。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、いつもその弱虫よわむしなかはいっていました。わたし祖母そぼ母親ははおやが、かわへいくことをあぶないといってきびしくしかったからです。そして、わたしはいつも弱虫よわむし仲間なかまはいって、うちほうへとかえっていきました。
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にいちゃん、ぼくより、弱虫よわむしだなあ。」
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)