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孃
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じやう
流れて
知られる
頼みもなしマアどの
位悲しからうと
入らぬ
事ながら
苦勞ぞかしとて
流石に
笑へばテモ
孃さまは
花の
心を
灘の
銘酒、
白鶴を、
白鶴と
讀み、いろ
盛をいろ
盛と
讀む。
娘盛も
娘盛だと、お
孃さんのお
酌にきこえる。
此の
夏はじめの
或る
宵のことでした。
築地の
聖ルカ
病院にK
先生のお
孃さんをみまひました。
何故ッて、
斯うです、お
孃さん、これは
元來赤い
薔薇の
木であつたんですが
私どもが
過つて
白いのを一つ
雜ぜたのです、それで、
若し
其れが
女王樣のお
目にとまらうものなら
勤め
大事に
骨さへ
折らば
御氣に
入らぬ
事も
無き
筈と
定めて、かゝる
鬼の
主をも
持つぞかし、
目見えの
濟みて三日の
後、
七歳になる
孃さま
踊りのさらひに
午後よりとある
... お
孃さん、
私共は
女王樣のお
出でになる
以前に、一
生懸命にそれを
塗つて
置くんです、それ——』
此時恰も
花園の
向ふを
氣遣はしげに
眺めて
居た
五點が、『
女王樣が!
女王樣が!』と
叫んだので
ああ、お
孃さんをみる、それが、
而も
最後にならうとは!
寄せしが
又故にホヽと
笑つて
孃さま
一寸と
御覽遊ばせ
此マア
樣子の
可笑しいことよと
面白げに
誘はれて
何ぞとばかり
立出る
優子お
八重は
何故に
其樣なことが
可笑しいぞ
私しには
何とも
無きを
「どうも
有難う、お
孃さん。いつかお
禮はいたします」
と
惱ましげにて
子猫のヂヤレるは
見もやらで
庭を
眺めて
茫然たり
孃さま
今日もお
不快御坐いますか
否や
左樣も
無けれど
何うも
此處がと
押して
見する
胸の
中には
何がありや
思ふ
思ひを
知られじとか
詞を