コンドルセエ氏の著書は、啻に一有名人の所見の概要たるのみならず、また革命当初のフランスの多くの文人の所見の概要たるものである。
啻に家庭婦人と家庭男子とばかりでなく、一切の男女を保護せねばならない事は、文化生活の一条件として今更論ずるまでもないことですが
新婦人協会の請願運動 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う (新字新仮名) / 木村芥舟(著)
啻に原始時代においてのみならず、中世の欧洲においても、動物に対する訴訟手続などが、諸国の法律書中に掲げられてあること、決して稀ではない。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
彼らは啻にその志を遂げ得ざるのみならず、国家の進歩にもまた何ら貢献すること能わずしておわるの外はない。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず (新字新仮名) / 吉野作造(著)
この見る立場の差異とは、啻に芸術の立場のみではなく、全人間生活の生きる姿勢、身構えといった意味の、いわば世界観の差異である。世界態度の差異である。
勿論、右のようなのは生活の大体の筋書で、例外も起れば、風雲啻ならないような場合もありましょう。
男女交際より家庭生活へ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
幕末維新懐古談:50 大病をした時のことなど (新字新仮名) / 高村光雲(著)
啻に一国においてのみならず更にまた多くの国において、ほとんど限りなく増加せられ得よう。
経済学及び課税の諸原理 (新字新仮名) / デイヴィッド・リカード(著)
人生は僕のためには十分耐へ忍んで行くことの出来るものである。僕は我生存の上に煩累をなす何物をも見出さない。僕には失恋の恨は無い。啻に恨が無いばかりではない。
その非常に苦しい状態は啻にこのペンバ・プンツォのみならず、ほかの貧民も乞食も皆そういうような状態に在る者が多いからして、そこでこういう事をいったのでしょう。
啻に芸者になった場合に限らず、妻のどんな行為も実は傍観する外はない結論となります。
安吾人生案内:04 その四 人形の家 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
フランソア・コッペ訪問記 (新字旧仮名) / 堀口九万一(著)
啻に遊覧地なるのみならず、その近傍は上代及近世に亙りて、歴史の上に関はるもの尠からず、また山光といはず、水色といはず、乃至、一茎の撫子、一羽のかち烏(肥前の特産)にも
寂漠の情は以前に倍せしとともに同宗教における親愛の情は実に骨肉も啻ならざりき、当時余は思えらく基督教会なるものは地上の天国にしてその内に猜疑憎悪の少しも存することなく
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)