“菫花”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すみれ75.0%
ヴァイオレット25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「われはその菫花すみれうりなり。君がなさけむくいはかくこそ。」少女は卓越たくごしに伸びあがりて、うつむきゐたる巨勢がかしらを、ひら手にて抑へ、そのぬか接吻せっぷんしつ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かくはかなき身と生れても、流石さすがよそほひ飾る心をば持ちたるにや、髮平かに結ひ上げて、一束の菫花すみれを揷せるが、額の上に垂れ掛れり。われそのかたちを窺ふに、羞慙しうざんあり、慧巧けいかうあり。
し彼に咫尺するの栄を得ば、ただにその目の類無たぐひなたのしまさるるのみならで、その鼻までも菫花ヴァイオレットの多くぐべからざる異香いきようくんぜらるるのさいはひを受くべきなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
菫花ヴァイオレットかをりむせばさるるばかりにくんわたりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)