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今時分
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いまじぶん
ふりがな文庫
“
今時分
(
いまじぶん
)” の例文
今時分
(
いまじぶん
)
不思議な事と怪しむ間もなく、かの金棒の響は
正
(
まさ
)
しく江戸町々の
名主
(
なぬし
)
が町奉行所からの
御達
(
おたっし
)
を家ごとに触れ歩くものと覚しく
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
『いや、いや、
如何
(
どう
)
考
(
かんが
)
へても
今時分
(
いまじぶん
)
あんな
船
(
ふね
)
に
此
(
この
)
航路
(
かうろ
)
で
追越
(
おひこ
)
される
筈
(
はづ
)
はないのだ。』と
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
不安
(
ふあん
)
の
顏色
(
いろ
)
が
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
何
(
なん
)
だつて、
今時分
(
いまじぶん
)
来
(
き
)
たんだ」と代助は
愛想
(
あいそ
)
もなく云ひ放つた。彼と寺尾とは平生でも、この位な言葉で交際してゐたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
誠にお恥かしい事で、
今時分
(
いまじぶん
)
漸
(
やっ
)
と『
種原論
(
オリジン・オブ・スペシース
)
』を読んでるような始末で、あなた
方
(
がた
)
英書をお読みになる
方
(
かた
)
はこういう名著を早くから御覧になる事が出来るが
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
馬子でも思慮のあるものは
今時分
(
いまじぶん
)
ここを一人歩きはしないものを。それもそのはず、この若い馬子をよく見れば、かの万年橋の下の水車小屋の番人、馬鹿の与八ですもの。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
不図
(
ふと
)
、
其中
(
そのうち
)
の一軒から、
艶
(
なまめ
)
かしい女が、白い
脛
(
はぎ
)
を見せて、
今時分
(
いまじぶん
)
ガラガラと雨戸を
繰
(
く
)
り
出
(
だし
)
た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
今時分
(
いまじぶん
)
、おせんがいないはずはないから、ひょっとすると八五
郎
(
ろう
)
の
奴
(
やつ
)
、
途中
(
とちゅう
)
で
誰
(
だれ
)
かに
遇
(
あ
)
って、
道草
(
みちくさ
)
を
食
(
く
)
ってるのかも
知
(
し
)
れぬの。
堺屋
(
さかいや
)
でもどっちでも、
早
(
はや
)
く
来
(
く
)
ればいいのに。——
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これは
彌六
(
やろく
)
といつて、
與吉
(
よきち
)
の
父翁
(
ちゝおや
)
が
年來
(
ねんらい
)
の
友達
(
ともだち
)
で、
孝行
(
かうかう
)
な
兒
(
こ
)
が
仕事
(
しごと
)
をしながら、
病人
(
びやうにん
)
を
案
(
あん
)
じて
居
(
ゐ
)
るのを
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るから、
例
(
れい
)
として
毎日
(
まいにち
)
今時分
(
いまじぶん
)
通
(
とほ
)
りがかりに
其
(
その
)
消息
(
せうそく
)
を
傳
(
つた
)
へるのである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前
(
まへ
)
は
浦山
(
うらやま
)
しいねと
無端
(
そゞろ
)
に
親
(
おや
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
せば、それ
繪
(
ゑ
)
がぬれる、
男
(
をとこ
)
が
泣
(
な
)
く
物
(
もの
)
では
無
(
な
)
いと
美登利
(
みどり
)
に
言
(
い
)
はれて、
己
(
お
)
れは
氣
(
き
)
が
弱
(
よわ
)
いのかしら、
時々
(
とき/″\
)
種々
(
いろ/\
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すよ、まだ
今時分
(
いまじぶん
)
は
宜
(
い
)
いけれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
その
)
根方
(
ねがた
)
の
所
(
ところ
)
を、
草鞋
(
わらぢ
)
がけの
植木屋
(
うゑきや
)
が
丁寧
(
ていねい
)
に
薦
(
こも
)
で
包
(
くる
)
んでゐた。
段々
(
だん/\
)
露
(
つゆ
)
が
凝
(
こ
)
つて
霜
(
しも
)
になる
時節
(
じせつ
)
なので、
餘裕
(
よゆう
)
のあるものは、もう
今時分
(
いまじぶん
)
から
手廻
(
てまは
)
しをするのだと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どこへどころじゃござりません。お
上
(
かみ
)
さんこそ
今時分
(
いまじぶん
)
、どちらへおいでなさいました」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今時分
(
いまじぶん
)
、こんな
處
(
ところ
)
へ、
運動會
(
うんどうくわい
)
ではありますまい。
矢張
(
やつぱ
)
り
見舞
(
みまひ
)
か、それとも
死體
(
したい
)
を
引取
(
ひきとり
)
に
行
(
ゆ
)
くか、どつち
道
(
みち
)
、
頼
(
たの
)
もしさうなのは、
其
(
その
)
お
媼
(
ばあ
)
さんの、
晃乎
(
きらり
)
と
胸
(
むね
)
に
架
(
か
)
けた、
金屬製
(
きんぞくせい
)
の
十字架
(
じふじか
)
で。——
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今時分
(
いまじぶん
)
こんなとこうろうろしてるんだから。気まりが悪りいわ。
渡鳥いつかへる:軽演劇一幕四場
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
賄
(
まかない
)
は
遥
(
はる
)
か半町も離れた二階下の台所に行かなければ一人もいない。病室では
炊事割烹
(
すいじかっぽう
)
は無論菓子さえ禁じられている。まして時ならぬ
今時分
(
いまじぶん
)
何しに
大根
(
だいこ
)
おろしを
拵
(
こしら
)
えよう。
変な音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
何
(
なに
)
、
眠
(
ねむ
)
いもんか……だけどもねえ、
今時分
(
いまじぶん
)
になると
寂
(
さび
)
しいねえ。」
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「なァんだ、
春重
(
はるしげ
)
さんかい。
今時分
(
いまじぶん
)
、
一人
(
ひとり
)
でどこへ
行
(
い
)
きなすった」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「去年の
今時分
(
いまじぶん
)
だ。」
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今
常用漢字
小2
部首:⼈
4画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“今時”で始まる語句
今時
今時風
今時花恋慕流