“ひとや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
17.7%
牢獄16.5%
獄舎16.5%
獄屋7.6%
牢屋6.3%
一矢6.3%
囹圄6.3%
一夜3.8%
人屋2.5%
2.5%
牢舎2.5%
監獄1.3%
囚獄1.3%
一燒1.3%
人家1.3%
1.3%
囚舎1.3%
牢舍1.3%
獄内1.3%
獄舍1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
考えれば、まだきのうのように思われるが、実はもう一年まえになった。——あの女が、盗みのとがで、検非違使けびいしの手から、右のひとやへ送られる。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
繋留場には、種牛の外に、二頭の牡牛もつないであつて、丁度死刑を宣告された罪人が牢獄ひとやの内に押籠おしこめられたと同じやうに、一刻々々と近いて行く性命いのちの終を翹望まちのぞんで居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
遼陽の獄舎ひとやかれて清けれど猶かなしきは窓の金網かなあみ
世界の人は日本人の誰某たれそれは恩人が獄屋ひとやつながれて非常な苦しみを受けて居るのを知りつつ打棄うちすてて国に帰ってしまった。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
臣は自らが——わが魂が、みにくき牢屋ひとやなるこの現し身を抜け出ずるに道理をうべし。
うかつに、立ったら一矢ひとやであろう。彼は、着物をおいた所まで、細心に、這って行った。肌も拭わず、身にまといかけた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾身わがみならぬ者は、如何いかなる人もみな可羨うらやましく、朝夕の雀鴉すずめからす、庭の木草に至るまで、それぞれにさいはひならぬは無御座ござなく、世の光に遠き囹圄ひとやつなが候悪人さふらふあくにんにても、罪ゆり候日さふらふひたのしみ有之候これありさふらふものを
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よしなきことにあたら一夜ひとや
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
ながひとやつながれし人間ひとの、急に社会このよへ出でし心地して、足も空に金眸きんぼうほらきたれば。金眸は折しも最愛の、照射ともしといへる侍妾そばめの鹿を、ほとり近くまねきよせて、酒宴に余念なかりけるが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
恐ろしき恋醒心何を見る我が目捕へん牢舎ひとやは無きや
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
ふたつなき阿古屋の玉をかき抱きわれ泣きほれて監獄ひとやに居たり
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
日もすがらひと日監獄ひとやの鳩ぽつぽぽつぽぽつぽと物おもはする
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
らす囚獄ひとやは。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
囚獄ひとややみふかき
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
……それが、どぶはしり、床下ゆかしたけて、しば/\人目ひとめにつくやうにつたのは、去年きよねん七月しちぐわつ……番町學校ばんちやうがくかう一燒ひとやけにけた前後あとさきからである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
深山路の人家ひとやもあらず聲もせぬ
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
さればこそ土地のものは、総六に魔がしたといった。正直の通った親仁は、やがて、ただ通りがかりの旅の客に、船を一そう頼まれたとばかり、情を解せざる故をもて、程なくひとやゆるされた。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
室と室との間にいとけわしき階段あり之を登れば廊下にして廊下の両側につらなれる密室はこと/″\く是れ囚舎ひとやなるべく其戸に一々逞ましき錠を卸せり、廊下の入口に立てる一人、是が世に云う牢番ならんか
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
驕傲けうがうなるフエルララの朝廷よ。その名は今タツソオによりて僅に存ずるにあらずや。當時の王者の宮殿は今瓦石の一たいのみ、その詩人を拘禁せし牢舍ひとやは今巡拜者の靈場たりなどゝおもへり。
いまし飮食を牛に負せて山谷たにの中に入る。いましかならずこの牛を殺して食ふならむ」といひて、すなはちその人を捕へて、獄内ひとやに入れむとしければ、その人答へて曰はく
我等の居りし處は御館みたち廣間ひろまにあらずゆかあらく光乏しき天然の獄舍ひとやなりき 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)