牢屋ひとや)” の例文
自分としてはべつに熱帯の大自然を知っているわけではないのですが、やっぱり大気と自由は好きだったのです。温室は彼女にとっても、やはり牢屋ひとやでありました。
臣は自らが——わが魂が、みにくき牢屋ひとやなるこの現し身を抜け出ずるに道理をうべし。
こんなにも 牢屋ひとやめいた部屋うちを
暁と夕の詩 (新字旧仮名) / 立原道造(著)
この世はさながらに土の牢屋ひとやか。
「そりゃもちろん、皆さんのうちには、こんな牢屋ひとや暮らしが極楽みたいに見えるかたも、たくさんおいででしょうね。何しろ自由の身だったといっても、みじめな暮らしをして来たんですからねえ。」
人の世は牢屋ひとやなり。
偏奇館吟草 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)