暁と夕の詩あかつきとゆうべのうた
Ⅰ或る風に寄せて おまへのことでいつぱいだつた西風よ たるんだ唄のうたひやまない雨の昼に とざした窗のうすあかりに さびしい思ひを噛みながら おぼえてゐたおののきも顫へも あれは見知らないものたちだ…… 夕ぐれごとにかがやいた方から吹いて来 …