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霎時
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しばし
ふりがな文庫
“
霎時
(
しばし
)” の例文
『智恵子
様
(
さん
)
許
(
とこ
)
へ
被行
(
いらし
)
つたのか知ら!』といふ疑ひを起した。『だつて、夜だもの。』『然し。』『
豈夫
(
まさか
)
。』といふ考へが
霎時
(
しばし
)
胸に乱れた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
待て
霎時
(
しばし
)
、どうも
爾
(
そ
)
うでない、
抑
(
そもそ
)
も
乃公
(
おれ
)
が
彼
(
あ
)
の学校の監督をしないと
云
(
い
)
うものは、
為
(
し
)
ない
所以
(
ゆえん
)
があって
為
(
し
)
ないとチャンと説を
極
(
き
)
めて居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ば見ずと
言
(
いへ
)
り依て確な事にあらねば
證據
(
しようこ
)
なりとは申されぬ
篤
(
とく
)
と考へ申上げよと言れてお金は小首を傾け
霎時
(
しばし
)
考へゐたりしが
漸々
(
やう/\
)
にして
首
(
かうべ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ここで
彼
(
か
)
の別荘の怪談を残らず
打明
(
うちあ
)
けると、
主人
(
あるじ
)
もおどろいて
面色
(
いろ
)
を変えて、
霎時
(
しばし
)
は
詞
(
ことば
)
もなかったが、やがて大息ついて
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
聴水は
虚々
(
うかうか
)
と、わが
棲
(
す
)
へ帰ることも忘れて、次第に
麓
(
ふもと
)
の
方
(
かた
)
へ来りつ、
只
(
と
)
ある切株に腰うちかけて、
霎時
(
しばし
)
月を眺めしが。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
▼ もっと見る
『それはお
前
(
まへ
)
と
同
(
おな
)
じことだ』と
帽子屋
(
ばうしや
)
が
云
(
い
)
ひました、これで
談話
(
はなし
)
はぱつたり
止
(
や
)
んで、
其
(
そ
)
の
連中
(
れんぢゆう
)
は
霎時
(
しばし
)
默
(
だま
)
つて
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました、
其間
(
そのあひだ
)
愛
(
あい
)
ちやんは
嘴太鴉
(
はしぶとがらす
)
と
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
霎時
(
しばし
)
ありて、姫は詞の過ぎたるを悔み給ひしにや、面に紅を潮して我手を取り、アントニオとても我心の平和を破り、我に
要
(
えう
)
なき物思せさせんとにはあらざるべしと宣給ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かく
二七
賤
(
あや
)
しき所に入らせ給ふぞいと
恐
(
かしこ
)
まりたる事。是敷きて奉らんとて、
二八
円座
(
わらふだ
)
の
汚
(
きた
)
なげなるを
二九
清めてまゐらす。
三〇
霎時
(
しばし
)
息
(
や
)
むるほどは何か
厭
(
いと
)
ふべき。なあわただしくせそとて
休
(
やす
)
らひぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
健は待つてましたと言はぬ許りに急に
難
(
むづか
)
しい顏をして、
霎時
(
しばし
)
、昵と校長の揉手をしてゐるその手を見てゐた。そして言つた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
殺さば殺さるゝ其條目は
脱
(
のが
)
れ難し如何はせんと計りにて
霎時
(
しばし
)
思案
(
しあん
)
に
暮
(
くれ
)
たるがやう/\思ひ
附
(
つく
)
ことありてや
一個
(
ひとり
)
點頭
(
うなづき
)
有司
(
いうし
)
に命じ庄兵衞の母お
勝
(
かつ
)
。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
げにも由緒ありげな
宝物
(
ほうもつ
)
である。忠一も
霎時
(
しばし
)
は飽かず眺めていたが、やがて手に取って
打返
(
うちかえ
)
して見ると、兜の
吹返
(
ふきがえ
)
しの裏には、「
飛騨判官藤原朝高
(
ひだのほうがんふじわらのともたか
)
」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
灸所
(
きゅうしょ
)
の痛手に金眸は、一声
嗡
(
おう
)
と叫びつつ、
敢
(
あえ
)
なく
躯
(
むくろ
)
は倒れしが。これに心の張り弓も、一度に弛みて両犬は、左右に
摚
(
どう
)
と
俯伏
(
ひれふ
)
して、
霎時
(
しばし
)
は起きも得ざりけり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
健は待つてましたと言はぬ許りに急に難しい顔をして、
霎時
(
しばし
)
、
眤
(
じつ
)
と校長の
揉手
(
もみで
)
をしてゐるその手を見てゐた。そして言つた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
穴の底は再び
旧
(
もと
)
の闇に
復
(
かえ
)
った。遠い地の下を行く水の音が聞えるばかりで、
霎時
(
しばし
)
は太古の如くに
静
(
しずか
)
であった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
黄金丸はまづ
恭
(
うやうや
)
しく礼を施し、さて病の由を
申聞
(
もうしきこ
)
えて、薬を賜はらんといふに、彼の翁心得て、まづその
痍
(
きず
)
を打見やり、
霎時
(
しばし
)
舐
(
ねぶ
)
りて後、何やらん薬をすりつけて。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
御縁
(
ごえん
)
に致して願ひまするは此お
縁側
(
えんがは
)
を
霎時
(
しばし
)
の中お
貸
(
かし
)
なされて下さらば
酒器
(
さゝへ
)
を
開
(
ひら
)
きて
腹
(
はら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
町には
矢張
(
やはり
)
樺火
(
かばび
)
が盛んに燃えてゐた。彼は裏口から廻つて
霎時
(
しばし
)
お利代と話した。そして石炭酸臭い一封の手紙を渡された。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
汝
(
おの
)
れ化物、再び姿を現わさば真二つと、刀の柄に手をかけて
霎時
(
しばし
)
の間、
闇
(
くら
)
き水中を睨み詰めていたが、ただ渦巻落つる水の音のみで、その後は更に音の沙汰もない。
河童小僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
湿つた土に擦れる下駄の音が、取留めもなく
縺
(
もつ
)
れて、疲れた頭脳が直ぐ
朦々
(
もやもや
)
となる。
霎時
(
しばし
)
は皆無言で足を運んだ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
成程
(
なるほど
)
……。」と、巡査は又
首肯
(
うなず
)
いたが、市郎と冬子は
未
(
ま
)
だ腑に落ちぬらしく、
霎時
(
しばし
)
は黙って考えていた。広間の方には坊さんでも来たのか、
鉦
(
かね
)
を叩く音が低く聞えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
濕
(
しめ
)
つた土に
擦
(
す
)
れる下駄の、音が取留めもなく
縺
(
もつ
)
れて、疲れた頭が直ぐ
朦々
(
もう/\
)
となる。
霎時
(
しばし
)
は皆無言で足を運んだ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何やら探す樣な
氣勢
(
けはひ
)
がしてゐたが、
鏗
(
がちや
)
りと銅貨の相觸れる響。——
霎時
(
しばし
)
の間何の物音もしない、と老女の枕元の障子が靜かに開いて、
窶
(
やつ
)
れたお利代が顏を出した。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
清子と靜子は、
霎時
(
しばし
)
は二人が立留つてゐるのも氣附かぬ如くであつた。清子は初めから物思はし氣に俯向いて、そして、物も言はず、出來るだけ足を遲くしようとする。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
較々
(
やゝ
)
霎時
(
しばし
)
して、自分は徐ろに其一片の公孫樹の葉を、水の上から摘み上げた。そして、
一滴
(
ひとつ
)
二滴
(
ふたつ
)
の
銀
(
しろがね
)
の雫を口の中に滴らした。そして、いと丁寧に塵なき井桁の
端
(
はし
)
に載せた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
較々
(
やや
)
霎時
(
しばし
)
して、自分は
徐
(
おもむ
)
ろに其
一片
(
ひとひら
)
の公孫樹の葉を、水の上から摘み上げた。そして、
一滴
(
ひとつ
)
二滴
(
ふたつ
)
の
銀
(
しろがね
)
の雫を口の中に
滴
(
た
)
らした。そして、いと丁寧に塵なき井桁の端に載せた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
長野の真赤にした大きい顔が、
霎時
(
しばし
)
渠の眼を去らないで、
悠然
(
ゆつたり
)
とした笑を続けさせて居た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ハア。』と聞えぬ程低く云つたが、
霎時
(
しばし
)
して又、『二面の方ですか、三面の方ですか?』
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
霎
漢検1級
部首:⾬
16画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“霎”で始まる語句
霎
霎雨