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すみだ
ふりがな文庫
“
隅田
(
すみだ
)” の例文
数多
(
たくさん
)
抱えている
婢
(
じょちゅう
)
達は、それぞれ
旦那衆
(
だんなしゅう
)
のお
供
(
とも
)
をして屋根船に乗り込んで、
隅田
(
すみだ
)
の花見に往っているので家の中はひっそりしていた。
鼓の音
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
其時ふとこいつあ千住の方にいるんじゃないかと思ったんで、変電所へ踏込む積りで、橋の
袂
(
たもと
)
を右へ、
隅田
(
すみだ
)
駅への抜道をとりました。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
厭
(
いと
)
はず
出歩行
(
であるく
)
のみか
娘
(
むすめ
)
お
熊
(
くま
)
にも
衣類
(
いるゐ
)
の流行物
櫛笄
(
くしかうがひ
)
贅澤
(
ぜいたく
)
づくめに
着餝
(
きかざ
)
らせ
上野
(
うへの
)
淺草
(
あさくさ
)
隅田
(
すみだ
)
の
花
(
はな
)
兩國川
(
りやうこくがは
)
の
夕涼
(
ゆふすゞ
)
み或は
芝居
(
しばゐ
)
の
替
(
かは
)
り
目
(
め
)
と上なき
奢
(
おごり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
隅田
(
すみだ
)
の川は足もとにきらめく月光をあびながら、その川の上へぬっと枝葉を突き出している大川名代の首尾の松までがくっきりとひと目でした。
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
其身
(
そのみ
)
が世の
名利
(
みやうり
)
に
拘
(
かゝ
)
はらねばなり、
此日
(
このひ
)
見
(
み
)
るもの
皆
(
みな
)
嬉
(
うれ
)
しく、人の
為
(
す
)
る
業
(
わざ
)
を
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
ひしは、朝の心の
快濶
(
くわいくわつ
)
なりしうつりか、
其
(
その
)
飛々
(
とび/\
)
の
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
み
隅田
(
すみだ
)
の
春光
(
しゆんくわう
)
今日
(
けふ
)
新
(
あたら
)
し。
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
駕籠は思川の
袂
(
たもと
)
でおりた。橋を渡って少しゆくと、手紙にしるしてあったとおり、右側の
隅田
(
すみだ
)
川に沿ってその茶屋があり、門柱に「川西」と書いた行燈が出ていた。
屏風はたたまれた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
なあに漕法さえしっかり出来上ってれば
舵
(
かじ
)
はその日に誰れかを頼んだって間に合わぬこともない。これが高等学校以来もう六年も
隅田
(
すみだ
)
川で漕いで来た窪田の
肚
(
はら
)
であった。
競漕
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
この仲のよくない爺婆の石像は、明治時代になって、
暫
(
しばら
)
くどこへ行ったか行く方不明になっていましたが、後に
隅田
(
すみだ
)
川東の
牛島
(
うしじま
)
の
弘福寺
(
こうふくじ
)
へ引っ越していることが分りました。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
隅田
(
すみだ
)
川の
濁流
(
だくりゅう
)
、ポンポン蒸汽、
伝馬船
(
てんません
)
、モオタアボオト等に囲まれ、せせこましい練習をしていた、ぼく達にとって、文字どおり、ドリイミング・コオスといった感じです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
それから三十分ほどのち、女中ののった自動車は、
白鬚
(
しらひげ
)
橋をわたって、
隅田
(
すみだ
)
公園のやみのなかに止まりました。女中はそこでおりて、まっ暗な立木のあいだへ、はいっていきます。
灰色の巨人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこは鉄道馬車に乗って三時間もかかって行く
隅田
(
すみだ
)
川の
辺
(
ほと
)
りで一町内すっかり芸者屋で、芸者の子になるとおいしい物が食べられて、奇麗な着物は着たいほうだい、踊りを踊ったり
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
人の
往来
(
ゆきき
)
も繁く人家も多くなっているが、その時分は
隅田川
(
すみだがわ
)
沿いの
寺島
(
てらじま
)
や
隅田
(
すみだ
)
の村〻でさえさほどに
賑
(
にぎ
)
やかではなくて、
長閑
(
のどか
)
な別荘地的の光景を存していたのだから、まして中川沿い
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
桃色大輪の吉野桜、それが千本となく万本となく、
隅田
(
すみだ
)
の
堤
(
どて
)
、上野の丘に白雲のように咲き満ちています。花見
衣
(
ごろも
)
に赤
手拭
(
てぬぐ
)
い、幾千という江戸の男女が毎日花見に明かし暮らします。酒を飲む者。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かつて
亀戸
(
かめど
)
の
森
(
もり
)
に
隅田
(
すみだ
)
の
岸
(
きし
)
に、また
朝鮮
(
てうせん
)
に
台湾
(
たいわん
)
に
満州
(
まんしう
)
に
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
朧
(
おぼろ
)
とは今日の
隅田
(
すみだ
)
の月のこと
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
お
連
(
つれ
)
なされ
上野
(
うへの
)
成共
(
なりとも
)
隅田
(
すみだ
)
成ともお心任せの方へ至り終日お遊び爲されませ和吉も
今年
(
ことし
)
は十四なれば
貴君
(
あなた
)
のお
供
(
とも
)
には
恰好
(
かくかう
)
と
嬉
(
うれ
)
しき餘り忠義の忠兵衞己れ一
個
(
にん
)
饒舌廻
(
しやべりまは
)
し其座を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
川のこっちは浅草もはずれの橋場通り、向こうは寺島、
隅田
(
すみだ
)
とつづく閑静も閑静な
雛
(
ひな
)
の
里
(
さと
)
です。
右門捕物帖:32 朱彫りの花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いわば
月並
(
つきなみ
)
の衣類なり所持品です。それがうまく
効
(
こう
)
を奏して
隅田
(
すみだ
)
氏の妹と間違えられたのです。顔面の
諸
(
もろ
)
に
砕
(
くだ
)
けたのは、神も夫人の
心根
(
こころね
)
を
哀
(
あわれ
)
み給いてのことでしょう。僕は復讐を誓いました。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あるときは、
隅田
(
すみだ
)
川の乗りあい船のかたすみに、うずくまっていたこともあります。またあるときは、
後楽園
(
こうらくえん
)
野球場のスコア・ボールドの上に、ほおづえをついて、ねそべっていたこともあります。
宇宙怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
学問所へゆくつもりで邸を出て、そのまま
隅田
(
すみだ
)
川の河畔で茫然と時を過したり、本所とか深川あたりを目的もなく歩きまわったり、また猿若町の芝居小屋の片隅で、じっともの思いに
耽
(
ふけ
)
ったりした。
はたし状
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
じつに、この横堀こそは、秋の
隅田
(
すみだ
)
に名物のあの土左衛門舟が
艫
(
とも
)
をとめる
舫
(
もや
)
い堀なのです。
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ヘイ水揚
物
(
もの
)
も御座りましたが夫も
大略
(
あらかた
)
結了
(
かたづい
)
て少の
閑
(
ひま
)
を得ましたより參りし
解
(
わけ
)
も外ならず時も
彌生
(
やよひ
)
の好時節上野
隅田
(
すみだ
)
の花も
咲出
(
さきいで
)
何處も彼所も
賑
(
にぎは
)
ふゆゑ
貧富
(
ひんぷ
)
を問ず己が
隨意
(
まゝ
)
割籠
(
わりご
)
を造り
酒器
(
さゝへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
隅
常用漢字
中学
部首:⾩
12画
田
常用漢字
小1
部首:⽥
5画
“隅田”で始まる語句
隅田川
隅田堤
隅田川両岸一覧
隅田丸
隅田城
隅田家
隅田宿
隅田村
隅田乙吉
隅田梅子