半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
従来、本塾出身の学士が、善く人事に処して迂闊ならずとのことは、つねに世に称せらるるところなれども、吾々はなおこれに安んずるを得ず。
慶応義塾学生諸氏に告ぐ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
太平洋岸に面し気候温暖と書く奴は当節君一人だろうと私が大いに彼の迂闊をせめたところ、君そういう悲しい世の中かねえといって嘆いていたが
天才になりそこなった男の話 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
……ところが随分迂闊なことでありますが、私は自分の拝命する学校を知らなかったというようなわけであった。
幕末維新懐古談:65 学校へ奉職した前後のはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
ことに時局の影響で言論の監視が厳重になってからは、なおさら迂闊に口が開けない。書くにしても同様です。
イエス伝:マルコ伝による (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
というのはお蘭さん、お前さんも迂闊ですねえ、これほどの御念の入った道行をなさろうてえのに、命から二番目の路用を忘れておいでなさるなんぞは取らねえ。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何が私をこうさせたか:――獄中手記―― (新字新仮名) / 金子ふみ子(著)
そう、いまのいままでそれに気がつかなかったのは、いや、気がついていてもそれを何とも思わずにいたのは随分迂闊だが、あそこは何かの大きな樹の下だったにちがいない。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉―― (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかし、私もまた迂闊なことを訊ねたものだ。村で働きがないと云われることは、都会のものが感じるよりも、幾そう倍の侮辱になる、という衝撃については、甚だ残念ながら手落ちはこちらだ。
夜の靴:――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) (新字新仮名) / 横光利一(著)
このような者を宗旨の経王として感涙を催すインド人も迂闊の至り。
十二支考:07 猴に関する伝説 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)