自覺じかく)” の例文
新字:自覚
卯平うへいはそれととも乾燥かんさうした肌膚はだ餘計よけいれて寒冷かんれいほねてつしたかとおもふとにはか自由じいううしなつてたやうに自覺じかくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すなは戰時中せんじちう膨張ぼうちやうした日本にほん經濟けいざい戰後せんごおい收縮しうしゆくした状態じやうたいついての國民自體こくみんじたい自覺じかく喚起くわんきすることが非常ひじやう必要ひつえうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
こゝろのなかで、これ神經衰弱しんけいすゐじやく結果けつくわむかしやう機敏きびん明快めいくわい判斷はんだんを、すぐつくげるあたまくなつた證據しようこだらうと自覺じかくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ひさしぶりで孤獨こどく生活せいくわつつてる、これも病氣びやうきのおかげかもれない。色々いろ/\なことをかんがへてひさしぶりで自己じこ存在そんざい自覺じかくしたやうながする。これはまつた孤獨こどくのおかげだらうとおもふ。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
腦髓なうずゐや、視官しくわん言語げんご自覺じかく天才てんさいなどは、つひにはみな土中どちゆうはひつてしまつて、やが地殼ちかくとも冷却れいきやくし、何百萬年なんびやくまんねんながあひだ地球ちきうと一しよ意味いみもなく、目的もくてきまはくやうになるとなれば
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
るのはいやなんでせう」と御米およねこたへた。御米およねには、自分じぶんはじめから小六ころくきらはれてゐると自覺じかくがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またしかしながら變化へんくわしたる經濟上けいざいじやう事情じじやうたい國民こくみん自覺じかく出來できないからである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
宗助そうすけ坂井さかゐからつてしなが、御米およね嗜好しかうつたので、ひさりに細君さいくんよろこばせてつた自覺じかくがあるばかりだつたから、別段べつだんそこにはかなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それゆゑ政府せいふとしては財界ざいかい立直たてなほしめに財政ざいせい整理緊縮せいりきんしゆく國債こくさい整理せいりをなし他面ためん國民こくみんをして現在げんざい我國經濟界わがくにけいざいかい實情じつじやうつい充分じうぶん自覺じかくをなさしめしかしてきん解禁かいきん決行けつかうせんとしたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)