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突如
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とつじょ
ふりがな文庫
“
突如
(
とつじょ
)” の例文
後から考えるのに、このときモンパパ号は
突如
(
とつじょ
)
として大爆発を起し、船体は粉砕し、一団の火光になって四方へとびちったのであった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「首じゃ、首じゃ、首じゃア……一番首、二番首、三番首と十七の首じゃア!」
突如
(
とつじょ
)
起
(
た
)
ち上った神尾喬之助、晴ればれと
哄笑
(
こうしょう
)
して
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
出発の苦心 そういう具合にして間道の研究をしたがさてこの村から
突如
(
とつじょ
)
飛び出して道のない山の方へ行くことの出来ない事情があります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と、
突如
(
とつじょ
)
として、
雷霆
(
らいてい
)
のように、一喝されて、こちらは、身を隠して、
隠密
(
おんみつ
)
と事を成そうとしつつある、いわば、後暗い彼——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
突如
(
とつじょ
)
として、このとき、
耳
(
みみ
)
をつんざくような
砲声
(
ほうせい
)
が、
間近
(
まぢか
)
でしました。
短
(
みじか
)
く、また
長
(
なが
)
かった、
二人
(
ふたり
)
の
夢
(
ゆめ
)
が
破
(
やぶ
)
れたのです。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
「何を
怒
(
いか
)
るや
怒
(
いか
)
り
猪
(
い
)
の——
俄
(
にわか
)
に
激
(
げき
)
する数千
騎
(
き
)
」
突如
(
とつじょ
)
として山
崩
(
くず
)
れ落つ
鵯越
(
ひよどりごえ
)
の
逆落
(
さかおと
)
し、
四絃
(
しげん
)
を
奔
(
はし
)
る
撥音
(
ばちおと
)
急雨
(
きゅうう
)
の如く、
呀
(
あっ
)
と思う間もなく身は
悲壮
(
ひそう
)
渦中
(
かちゅう
)
に
捲
(
ま
)
きこまれた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この時
本町
(
ほんまち
)
の
方
(
かた
)
より
突如
(
とつじょ
)
と現われしは巡査なり。ずかずかと歩み寄りて何者ぞと声かけ、
燈
(
ともしび
)
をかかげてこなたの顔を照らしぬ。丸き目、深き
皺
(
しわ
)
、太き鼻、
逞
(
たく
)
ましき
舟子
(
ふなこ
)
なり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
間もなく、北方には、甲斐の武田の没落が伝えられ、その年、夏の初めには、
突如
(
とつじょ
)
として本能寺の変が起り、信長の死が、地殻の色をも
革
(
か
)
えるほど、大きく世上を
愕
(
おどろ
)
かした。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫉妬
(
しっと
)
にかられて、人殺しの覚悟までしていたオセロは、
突如
(
とつじょ
)
として小学生に化してしまった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ところが正九郎のそのはれものに、
突如
(
とつじょ
)
現
(
あら
)
われた
闖入者
(
ちんにゅうしゃ
)
が手をふれたのである。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
見たであろうのと
突如
(
とつじょ
)
春琴が思い余ったように尋ねたいえいえ見てはならぬと仰っしゃってでござりますものを何でお言葉に
違
(
たが
)
いましょうぞと答えるともう近いうちに傷が
癒
(
い
)
えたら繃帯を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
幾重にも陣地を構築して待っていたにも
拘
(
かかわ
)
らず、レイテの戦況が一段落するや米軍は
突如
(
とつじょ
)
としてリンガエンに上陸を開始して来たのだ。リンガエンに於ける日本の守備は誠に微弱であった。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
彼は百万の資財を投じ、三年の
年月
(
としつき
)
を
費
(
ついや
)
して、
地殻上
(
ちかくじょう
)
に、一つの大きなおできを作り出した。眠り病にかかった城下町Y市の郊外に、
突如
(
とつじょ
)
として
五色
(
ごしき
)
の造花の様にけばけばしい腫物の花が開いた。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それが明治に入って
突如
(
とつじょ
)
化学染料の力に追いやられて、全く倒れてしまったのは悲惨な出来事でありました。ただ宮中の御用が今もあって、郊外の
漆山
(
うるしやま
)
でわずかに栽培を続けているに過ぎません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
突如
(
とつじょ
)
鉛色
(
なまりいろ
)
の
地平
(
ちへい
)
に
鈍
(
にぶ
)
い
音響
(
おんきやう
)
が
炸裂
(
さくれつ
)
する
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
ここに
突如
(
とつじょ
)
として赤外線男の
魔手
(
ましゅ
)
は伸び、帝都全市民の
面
(
おもて
)
は紙のように色を
喪
(
うしな
)
って、「赤外線男」
恐怖症
(
きょうふしょう
)
に
罹
(
かか
)
らなければならなくなった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
突如
(
とつじょ
)
、はでな
色彩
(
いろどり
)
が格子さきにひらめいたかと思うと、山の手のお姫様ふうの若いひとが、吹きこむ雨とともに髪を振り乱して三尺の
土間
(
どま
)
に立った。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
三郎兵衛は、ようやくにして、
屋根廂
(
やねびさし
)
のあわいから、赤黒い火焔の渦を吐き出しはじめた広海屋の方をも、
突如
(
とつじょ
)
として起ったあたりの
騒擾
(
そうじょう
)
をも、見向きもせず
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
このときふと一
本
(
ぽん
)
の
木立
(
こだち
)
が
目
(
め
)
にとまりました。それはしらかばのようです。「おや、
見
(
み
)
たことのあるけしきだぞ。」と、
秀作
(
しゅうさく
)
さんは、
突如
(
とつじょ
)
こう
思
(
おも
)
うと、
自分
(
じぶん
)
の
目
(
め
)
をうたがいました。
しらかばの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
敏
(
さと
)
くも、時代の方向を、見さだめたつもりで、中国経略の途中から、
突如
(
とつじょ
)
、主将の秀吉を裏切り、また盟主信長に反抗を宣言して、
伊丹
(
いたみ
)
の城にたてこもった荒木
摂津守村重
(
せっつのかみむらしげ
)
の孤立化こそ
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はせんべやの前で
突如
(
とつじょ
)
かけ出し、家まで一息に走って帰った。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そうこうしているうちに、
突如
(
とつじょ
)
として耳を破るような
轟然
(
ごうぜん
)
たる
大音響
(
だいおんきょう
)
がしました。同時に隧道の入口からサッと大きな火の
塊
(
かたまり
)
が
抛
(
ほう
)
りだされたように感じました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それには、鳥越城と対している味方の
倶利伽羅
(
くりから
)
の
砦
(
とりで
)
にも
拠
(
よ
)
らず、敵の気づかぬまに、
石動
(
いするぎ
)
から北方の山地を間道づたいに加賀へ抜けて、鳥越城の背後から、
突如
(
とつじょ
)
、急襲しようという策をえらんだ。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一瞬にして
掴
(
つか
)
んでしまったという評判のある、この「
射撃手
(
しゃげきしゅ
)
」事件が、
突如
(
とつじょ
)
として新聞の三面記事の王座にのぼった其の日のこと、東京××新聞の若手記者
風間八十児
(
かざまやそじ
)
君が
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その十三
條
(
すじ
)
の尾がむくむくと太くなり、段々と地上に近づいて来たとき、北方の空から、
突如
(
とつじょ
)
として二隊の快速力を持った戦闘機があらわれ、一隊は殺人団機の後をグングン追いついて行った。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
醤は燻を
帯同
(
たいどう
)
し、その毒瓦斯をもって、
突如
(
とつじょ
)
戦線に現れた。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
突如
(
とつじょ
)
として、空襲警報を伝えて、サイレンが鳴りだした。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「はあ、待ちに待ったる新軍艦ホノルル号が
突如
(
とつじょ
)
ニューヨーク沖に現れました。九万九千トンの巨艦ですぞ。いやもう見ただけでびっくりします。全く
浮城
(
うきしろ
)
とはこのことです。金博士の実力は大したものですねえ」
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“突如”の意味
《形容動詞》
予想しない事態が前触れもなく起こるさま。
(出典:Wiktionary)
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
“突”で始まる語句
突
突然
突立
突込
突出
突飛
突兀
突伏
突張
突嗟