“癌:がん” の例文
“癌:がん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治12
森鴎外3
海野十三3
夢野久作2
宮本百合子2
“癌:がん”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 自然科学 > 論文集 評論集 講演集11.8%
文学 > 日本文学 > 日本文学0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
健康保全に関するものでは伝染病研究所やがん研究所のようなもの、それから衛生試験所とか栄養研究所のようなものもある。
函館の大火について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
私の父は胃にがんが出来てからもなお、素人浄るり大会で、忠臣蔵の茶屋場の実演に平右衛門へいえもんとなって登場した。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
この超短波をデアテルミーのように、人体じんたいに通しますと、がんなどに大変き目のあることが発見されました。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
——多少の犠牲は忍んでも、いまのうちに鎌倉の手をかりて、宮廷のがん剔抉てっけつしてしまうにくはない、と。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がんのやうな悪性腫瘍しゆやうも、もう動物に移し植ゑることが出来て見れば、早晩予防の手掛りを見出すかも知れない。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
どうしても真犯人を見出して処刑し、永年のがんであった彼等一味の、のさばり加減かげんたわめる必要があった。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして抜本的に、中央のがん足利あしかが初世以来の幕府勢力までことごとく京都から追い払ってしまった彼である。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
劉表も袁紹も、世子問題では、大きな内政のがんを作っている。いずれも正統の嫡男を立てていない。曹操は大いに笑い、
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばかな煽動をする奴もあればあるものだ。がんは体じゅうにできている物じゃない。一個の元兇を抜けばいいのだ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このあざのようながんに似た不死身の一処をさすりながら、彼は生き彼は書き、ありもしない才華へのあこがれに悶えている残酷さである。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
この放射線ががんという病気をなおすことは、誰でも知っているが、このごろでは、人類のためもっと貴重なはたらきをしてくれることがわかった。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
がんと同じに、幼時の細胞が皮膜のようになって組織内にのこっていて、それが成長するにつれ育ったり分裂したりして害をおよぼすのだそうです。
荊州の領土貸借問題は、両国の国交上、多年にわたるがんであったが、ここにようやく、その全部とまではゆかないが、一部的解決を見ることができた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
動物にがんを植えたらその血液からは出なくなったなどという研究が沢山専門学者の手で発表された。
千里眼その他 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
まったく、人も建物も腐朽しきっていて、それが大きながんのような形で覗かれたのかもしれない。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
中江兆民はがんかかつて余命いくばくもないといふとき、「一年有半」といふ随筆を書いた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
そうかと思うと、がんで見込のない病人の癖に、から景気をつけて、回診の時に医師の顔を見るや否や、すぐ起き直ってしりまくるというのがあった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もうがんは胃の方ばかりじゃないそうだ。咽喉のどの辺へも来ているということだ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しかし、要路の者たちの議がまとまらないので、かれは、所司代として京都へのぞみながら、まだ充分に、反幕府のがんと睨む公卿くげたちへ手をのばしかねていた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不治のがんだと宣告されてからかえって長い病床の母親は急に機嫌よくなった。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「おじいさんがんがあったのだね、驚いたなあ、何時いつころからなんだ。」
そうして彼の田虫は彼の腹へがんのようにますます深刻に根を張っていった。
ナポレオンと田虫 (新字新仮名) / 横光利一(著)
しかし昔は人のこの病を恐るること、ろうを恐れ、がんを恐れ、らいを恐るるよりも甚だしく、その流行のさかんなるに当っては、社会は一種のパニックに襲われた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
檜垣の主人は一年ほどまえから左のうしろくびがんが出はじめた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
元来、紀州の統治は、信長すら手を焼いた宿痾しゅくあがんだった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この大事を挙げながら、そんな手ぬるい宣言を将軍の口から発しては困ります。今にして、宮闕きゅうけつがんを除き、根を刈り尽しておかなければ、後日かならず後悔なさいますぞ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでもがんの転移証状であることは書けなかつたのである。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
今日は朝十時から子宮がん患者の手術があります。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
これは躯に三つのがんを持っているようなものだ。
また、蜂須賀家のがんになるだろうともいった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、その董卓も、当時の暴臣どもも、多くは、すでに異郷で白骨になっている。——ただ今なお、董卓の遺臣の郭汜かくし李傕りかくのふたりがあくまで、漢室のがんとなって、帝に禍いしていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甲斐かいざかいの憂惧うれいがされば、これで心をやすらかにして、はた中原ちゅうげんにこころざすことができるというもの。家康いえやすにとって、伊那丸はおそろしいがんであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がんはときどき激しく痛み出した。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
警戒すべき後宮のがん
これより先き自分は弟に本郷の蓬莱町へ玉流堂というささやかな書店を開かせた、同時に自分は活字道楽をはじめた、この活字道楽というのは今日までも自分にとって一つのがんのようなもので、かなり苦しめられつつあって、容易に縁の切れない道楽の一つであるが
生前身後の事 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「ひもといふもんはがん見たいなもんで、切り離したら生きちやゐられないし、と言つて喰つつけといてもやつぱり、なアんて縁起でもないことを言つて惡いわね。つまりその、花に蝶々、水に魚で、持ちつ持たれつ、その味は辰つアんなんかにアわからないのよ。」
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
「顔だけ見ているとそうでもないが、裸体はだかになると骸骨がいこつだ。ももなんか天秤棒てんびんぼうぐらいしかない。能く立ってられると思う、」と大学でがんと鑑定された顛末てんまつを他人のはなしのように静かに沈着おちついて話して
「もう土地の医師の処を二三軒廻って来た婦人の患者です。最初誰かに脹満ちょうまんだと云われたので、水を取って貰うには、外科のお医者が好かろうと思って、誰かの処へ行くと、どうも堅いからがんかも知れないと云って、針を刺してくれなかったと云うのです」
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
朱実のことが、その一つの原因というよりは最も多く、あの後では、彼の気もちを不愉快にしていたし、武蔵からの挑戦状で、あわてて京都へ帰ってみれば、祇園藤次が逐電ちくてんしてしまうやら、また家政のがんはこの年暮くれへ来ていよいよ重体なもようとなり、日々
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「呉の大方針は確定した。これからはただ足下とわが輩とが、よく一致して、君侯と呉軍のあいだに立ち、敵を破砕するあるのみだから、——孔明のような介在は、あっても無益、かえって後日のがんにならないとも限らない——どうだろう? いっそ今のうちに、彼を刺し殺しては」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、その胃潰瘍が程なく全快して、出血が止ったので念のために、この胃潰瘍ががんになっているかいないかを調べる目的でX光線レントゲンにかかって、レントゲン主任の内藤医学士から「異状無し」と宣告されたのでホットして帰って来て寝台に引っくり返ったばかりのところであった。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは、その右の膝小僧の上に大きな肉腫が出来たからで、私が母校のW大学のトラックで、ハイハードルの練習中にこしらえた小さなきずが、現在の医学では説明不可能な……しかもがん以上に恐ろしい生命いのち取りだと云われている、肉腫の病原を誘い入れたものらしいという院長の説明であった。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二十二日にね、『文芸』のすっかり完結して、予定の二十日より二日のびたけれど、序文、目次、年表とりそろえ『中公』が五時で終るのでフーフーかけつけて、やっと渡し、やれやれと本当に一年越しの重荷をおろしいい心持になったところ、大瀧の叔母に当る人が永く胃がんでいたのが亡くなり、そのお通夜ということになりました。
チェーホフはメンシコフに手紙を出して、胃腸の潰瘍かいようでもあるまい、がんでもあるまいなどと、しきりに病状を案じているばかりでなく、もしトルストイに死なれたら自分の生活には大きな穴が明くだろう、自分は不信心者だが、ほかのどんな信仰よりもあの人の信仰が一ばん身近に感じられる……と、すなおな調子で告白している。
しかし——当世のことはさむらいと百姓、つまり兵農の分離ということのほかにがんはないかというと、事は左様に単純なものではないのですな。兵と農とのほかに、つまりさむらいと百姓とのほかに、別に一つの大きな勢力が現われました、その現われた大きな勢力が、兵をも食い、農をも食い、みるみるうちに食い肥って、あらゆるものを食い尽して、舌なめずりをしようとする悪魔の出現を見ないわけにはいかないでしょう。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)