昭和九年三月二十一日の夕から翌朝へかけて函館市に大火があって二万数千戸を焼き払い二千人に近い死者を生じた。実に珍しい大火である。そうしてこれが昭和九年の大日本の都市に起こったということが実にいっそう珍しいことなのである。 徳川時代の江戸には …
著者 | 寺田寅彦 |
ジャンル | 社会科学 > 社会 > 社会福祉 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「中央公論」1934(昭和9)年5月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約21分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約34分(300文字/分) |