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牝鶏
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めんどり
ふりがな文庫
“
牝鶏
(
めんどり
)” の例文
旧字:
牝鷄
いや
牝鶏
(
めんどり
)
を
瞞着
(
まんちゃく
)
するために瀬戸物で卵を作るそうでしな、なぜ瞞着せなければならぬかというとでし、牝鶏というやつは卵を産むと、——
評釈勘忍記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
良兼は護の縁につながつて居る者の中の長者であつた。良兼の妻も内から
牝鶏
(
めんどり
)
のすゝめを試みた。雄鶏は
終
(
つひ
)
に
閧
(
とき
)
の声をつくつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
家鴨
(
あひる
)
の
嘴
(
くちばし
)
で
突
(
つつ
)
かれたり、
牝鶏
(
めんどり
)
の
羽
(
はね
)
でぶたれたり、
鳥番
(
とりばん
)
の
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
に
追
(
お
)
いかけられるなんかより、どんなにいいかしれやしない。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
小さな頭を振りたてて
鍵
(
キー
)
を見つめ、鍵の上に両手を
躍
(
おど
)
らしながら、
牝鶏
(
めんどり
)
がくちばしで物を突っついてるような様子だった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
厩
(
うまや
)
と
鳥屋
(
とや
)
といっしょにあった。
牝鶏
(
めんどり
)
の馬を評する語に、——あれは
鶏鳴
(
とき
)
をつくる事も、
鶏卵
(
たまご
)
を生む事も知らぬとあったそうだ。もっともである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
竈屋
(
かまや
)
の方では、
下女
(
げじょ
)
が火を焚き始めた。
豆殻
(
まめがら
)
をたくのでパチパチパチ盛んに音がする。鶏もいつのまか降りて羽ばたきする。コウコウ
牝鶏
(
めんどり
)
が鳴く。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
鶏
(
とり
)
ならこれから卵を産もうという一番
値
(
ね
)
のする
牝鶏
(
めんどり
)
を十羽買えるだけのお
銭
(
あし
)
を払わねばならなかったことをいった。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
濡
(
ぬ
)
れた
牝鶏
(
めんどり
)
程度に扱っていた。今日は、対等だ。見上げたもんだ。彼は
雀躍
(
こおど
)
りする。なかなか面白くなってきた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
此処
(
ここ
)
には子供が八人おりまして、
而
(
しか
)
も私が
籠
(
かご
)
の中のたった一羽の
牝鶏
(
めんどり
)
なのです。時々子供達はお互に
喧嘩
(
けんか
)
しますが、それでも大概は皆仲好く遊んでおります。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あひるの卵をかえした
牝鶏
(
めんどり
)
が、その養い子のひよっこの「水におぼれんことを恐れて」鳴き立てる話と
読書の今昔
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「あのマダム、まるで金の玉子を生む
牝鶏
(
めんどり
)
のことでもいうように、あの部屋の景色のことを云ったわね」
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この語は coq から来ていて、一羽の
雄鶏
(
おんどり
)
が数羽の
牝鶏
(
めんどり
)
に取巻かれていることを条件として展開する光景に関するものである。すなわち「
媚態的
(
びたいてき
)
」を意味する。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
しかしベニーニュ・ボシュエもかつて祭文のうちにおいて一羽の
牝鶏
(
めんどり
)
の事に説きおよぼさなければならなかった、しかも彼はみごとにそれをやってのけたのだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
一同喜び、狐の忍入った雞小屋から二羽の
鶏
(
とり
)
を捕えて潰した。黒いのと、白い
斑
(
ぶち
)
ある
牝鶏
(
めんどり
)
二羽。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すると、彼らは臆病になって、まるで巣についた
牝鶏
(
めんどり
)
に
雛
(
ひな
)
が寄り添うように、恐ろしさに震えながら、われわれのほうへ身をすり寄せて、われわれを振り仰ぐに違いない。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
誰もかもみんな、どこかが片輪になっていると言いました。それから、私たちの動き方、歩き方は、ちょうどあの羽ばたきはするが飛ぶことの出来ない
牝鶏
(
めんどり
)
のようなものだ。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ドミエの漫画ですよこれは……。何とコッケイな、何とちぐはぐな
牝鶏
(
めんどり
)
の姿なのでしょう。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「ああエルサレム、エルサレム、予言者たちを殺し、
遣
(
つかわ
)
されたる人々を石にて撃つ者よ、
牝鶏
(
めんどり
)
のその
雛
(
ひな
)
を翼の下に集むるごとく、我なんじの子どもを集めんと
為
(
せ
)
しこと
幾度
(
いくたび
)
ぞや」
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
野や山坂のきらいなく押し通る小型の荷車だから、わざと歯の心棒には油を
注
(
さ
)
さない。車輪が廻るにつれて、キイキイと
牝鶏
(
めんどり
)
が啼くような
軋
(
きし
)
み声をたてるので鶏公車という名があった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこに
此間
(
こないだ
)
名刺を置いて歩いたとき見て置いた鳥屋がある。そこで
牝鶏
(
めんどり
)
を一羽買って、伏籠を職人に注文して貰うように頼んだ。鳥は羽の色の真白な、むくむくと太ったのを見立てて買った。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
雄鶏
(
おんどり
)
と
牝鶏
(
めんどり
)
と遊ぶところへ、
釣針
(
つりばり
)
で
餌
(
え
)
をくれ、鳥の
咽喉
(
のど
)
に引掛けて釣取るという。犬を盗むものもある。それは黒砂糖で
他
(
よそ
)
の家の犬を呼び出し、殺して煮て食い、皮は張付けて敷物に造るとか。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
詩も
亦
(
また
)
牝鶏
(
めんどり
)
が卵を抱く様に
或
(
あ
)
る
孵化
(
ふくわ
)
の時日を要するものなんでせう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
牝鶏
(
めんどり
)
さん! だが、どのみち娘さんとは結婚しませんよ。
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「
牝鶏
(
ひんけい
)
のあしたすると言うて、
牝鶏
(
めんどり
)
が差し出るからよ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「未だ
牝鶏
(
めんどり
)
に時を告げさせるには早い」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と、
言
(
い
)
うのでした。それは
自分達
(
じぶんたち
)
が
世界
(
せかい
)
の
半分
(
はんぶん
)
ずつだと
思
(
おも
)
っているからなのです。ある
日
(
ひ
)
牝鶏
(
めんどり
)
は
子家鴨
(
こあひる
)
に
向
(
むか
)
って
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
メルキオルはなお
牝鶏
(
めんどり
)
のように喉を鳴らしていた。クリストフは
自棄
(
やけ
)
に彼の腕をとらえ、力の限り揺った。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その上彼は一窓庵で考えつづけに考えた習慣がまだ全く抜け切らなかった。どこかに卵を
抱
(
いだ
)
く
牝鶏
(
めんどり
)
のような心持が残って、頭が平生の通り自由に働らかなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最近殺した兎が、皿の中で鼻から血を出している。いくつもの籠は、
牝鶏
(
めんどり
)
にやる
粒餌
(
つぶえ
)
でいっぱいだ。にんじんは、両腕をまくりあげ、
臂
(
ひじ
)
までつっこんで、そいつをかき廻す。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
あまり早く手を下すことは、「黄金の卵を生む
牝鶏
(
めんどり
)
を殺す」のと同じである。しばらく待ったとて何の不都合があろう。もう取り逃がすことはないとジャヴェルは信じきっていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そのとき旦那が
牝鶏
(
めんどり
)
に家鴨の卵を抱かしてみた、その卵がけえって、ほかのひよこといっしょに育ったが、家鴨の子は家鴨だべえさ、ちょっと育つと養魚場の池の中へへえって泳ぎだしただ
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
牝鶏
(
めんどり
)
が卵を生んだあとの気持ち。まあ、そんなことも言えましょう。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
反対に泥棒が立派な
煙草入
(
たばこいれ
)
を忘れていつたので、さしひきすると得をしてしまつた
勘又
(
かんまた
)
さんでも、
真鍮
(
しんちゆう
)
のぴかぴか光つた茶釜と
牝鶏
(
めんどり
)
を一羽盗まれた
弥助
(
やすけ
)
さんと同じやうに、かんかんになつて怒つた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
ああエルサレム、エルサレム、予言者たちを殺し、
遣
(
つかわ
)
されたる人々を石にて撃つ者よ、
牝鶏
(
めんどり
)
のその
雛
(
ひな
)
を翼の下に集むるごとく、我なんじの子らを集めんと
為
(
せ
)
しこと幾度ぞや、
然
(
さ
)
れど、汝らは好まざりき
駈込み訴え
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「これは
牝鶏
(
めんどり
)
なんでして、あなた。」
ディカーニカ近郷夜話 後篇:04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
と
牝鶏
(
めんどり
)
が時を作った。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
姿やさしき
牝鶏
(
めんどり
)
の
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さて
朝
(
あさ
)
になって、ゆうべ
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
た
妙
(
みょう
)
な
訪問者
(
ほうもんしゃ
)
はすぐ
猫達
(
ねこたち
)
に
見
(
み
)
つけられてしまいました。
猫
(
ねこ
)
はごろごろ
喉
(
のど
)
を
鳴
(
な
)
らし、
牝鶏
(
めんどり
)
はクックッ
鳴
(
な
)
きたてはじめました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そして
牝鶏
(
めんどり
)
のように首をつんとさして、ふり向きもせず横目で、クリストフをじろじろ眺めていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そのとき旦那が
牝鶏
(
めんどり
)
に
家鴨
(
あひる
)
の卵を抱かしてみた、その卵がけえって、ほかのひよこといっしょに育ったが、家鴨の子は家鴨だべえさ、ちょっと育つと養魚場の池の中へへえって泳ぎだしただ
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
軍帽の
牝鶏
(
めんどり
)
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして善良な
牝鶏
(
めんどり
)
が専心に卵を
孵
(
かえ
)
すように、二人の若い恋人の物語を育ててやった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「むろん
牝鶏
(
めんどり
)
が生みます」
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
籠
(
かご
)
にいっぱいつめ込まれてる
牝鶏
(
めんどり
)
、——遠くには、
屠殺
(
とさつ
)
されてる豚の鳴き声、——料理場のまな板の上には、
臓腑
(
ぞうふ
)
を抜き取られてる魚、……クリストフはもうそれらの光景に堪え得なかった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
卵を産みたての
牝鶏
(
めんどり
)
のようだと、彼女はよくクリストフに言った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
牝
漢検準1級
部首:⽜
6画
鶏
常用漢字
中学
部首:⿃
19画
“牝鶏”で始まる語句
牝鶏小屋