“横柄:おうへい” の例文
“横柄:おうへい”を含む作品の著者(上位)作品数
中里介山10
芥川竜之介7
吉川英治7
佐々木味津三5
海野十三4
“横柄:おうへい”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語11.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
無情冷酷……しかも横柄おうへいな駅員の態度である。精神興奮してる自分は、しゃくさわってたまらなくなった。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
殊に時めく大尽に向って、鰡八、鰡八、と言って横柄おうへいに頭から呼びかけるような人は、滅多にないはずなのであります。
次郎は、横柄おうへいな口のきき方をする鈴田に対して、いつになくいきどおりを感じ、返事をしないまま塾長室に行った。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
恵門は横柄おうへいにふりかえると、思いのほか真面目な顔で、『さようでござる。御同様大分だいぶ待ち遠い思いをしますな。』と
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
横柄おうへいに呼びたてながら、ずかずかとはいっていったその鼻先へ、ぬっとその新右衛門が顔を向けると、少し変でした。
右門捕物帖:30 闇男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
——その老人は、クリストフの多少失礼な冗談にもよく答えるのを常としていたが、その時は、横柄おうへいな様子を示した。
横柄おうへいな方ね。……それに第一もしそうだったとしても、それこそほんとうに音楽を愛する仕方ではありませんか。」
朝になると、取り澄ました態度を装いながらもどってきて、もしなんとか言われたら横柄おうへいな答えをするつもりだった。
横柄おうへいなのは仕方がないが、エラ物であったというではないか、そうして酒を飲んだか、という尋ね方は、おかしいと思いました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
横柄おうへい喰倒くいたお飲倒のみたおして歩く黒川孝藏くろかわこうぞうという悪侍わるざむらいですから
「逃げるなよ。今に返報をしてやるから。」などと、素戔嗚の勇力を笠に着た、横柄おうへいな文句を並べたりした。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いつもそれと名ざされてはいなかったが、しかし明らかにわかるようなやり方で、横柄おうへいなクリストフが嘲笑ちょうしようされていた。
彼らの勇武劇の中には、詩的虚偽がこの上もなく横柄おうへいに現われていた。彼らは英雄というものについて、滑稽こっけいな観念をいだいていた。
かれは、帽子ぼうしをとっただけで、べつに頭もさげず、ジャンパー姿の次郎をじろじろ見ながら、いかにも横柄おうへい口調くちょうでたずねた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
土手で横柄おうへいにたずねるのは、この辺の百姓町人のたぐいでないことはわかっているが、人もあろうに、久助さんに土地案内を聞くとは間違っている。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
取ってかえしに、奥からでてきたのは、菊池家きくちけの家来とみえて、いかさまがんじょうな三河武士みかわぶし横柄おうへいに頭の上から見くだして、
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は椅子の背に頭をもたせたまま、さも魔術の名人らしく、横柄おうへいにこう答えました。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、そのあいだ俊助しゅんすけに逃げられまいと思ったのか、剃痕そりあとの青いあご横柄おうへい土耳其帽トルコぼうをしゃくって見せて、
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
金持らしい金持となると、近づき難いし、骨を折って出入りしても、買物となると、横柄おうへいぶっているわりに、貧乏人より金には細かくて、彼に云わせれば、
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年から見れば自分の息子のような官兵衛だし、身分からいっても家老のせがれに過ぎないので、それに答えてやる彼の言葉も極めて横柄おうへいでまた露骨だった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのきびきびした横柄おうへいな早口で、エリザベスの同伴者は、窓のむこうから言った。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
これはまあ生地きじが百姓らしい上に一癖ありそうで、前のほど横柄おうへいでないところは、主従とも見えないが、たしかに前のに対して一目は置いているようです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
医師は腰を延ばすような構えをして、横柄おうへいにギラリと目を光らせた。そして、又、
不連続殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
運転手に「もっと早く」「もう少しゆっくり」などと横柄おうへいな命令を下していた。
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これから大発明をして学界に貢献しようと云う余に対してはやや横柄おうへいである。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
みじめな佝僂せむしは、とがった肩を精一杯いからせて横柄おうへいに言うた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
植木屋にしては、武士めいた横柄おうへいな口をきくやつ……皆は、そう思いながら、
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「挨拶、ふん、挨拶、あの横柄おうへい継母かかが、ふんちっとばかい土産みやげを持っての、言い訳ばかいの挨拶じゃ。加藤のうちから二三度、来は来たがの——」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「誰か知らぬが、見なれぬ侍がふたり、いやに横柄おうへいに邸内へ入ってきたぞ」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というのは、博士はその昔、研究所長として、はなはだ横柄おうへいであった。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ルーズベルトの口調くちょうは、だんだん例の横柄おうへいさを加えてくる。
横柄おうへいな口のききかたがまずわかいかれの矜持プライドを傷つけた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
見も知らない小男から、こんな横柄おうへいに臨まれたのは初めてだった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それならばこちらでいうこと、かりにも加賀大納言だいなごんさまお声がかりの御用商人でござんす。あいさつもなく飛び込んできて、何を横柄おうへいなことをおっしゃりますかい」
横柄おうへいな声で呼びかけた武士。振返ったところは五社明神の社前。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
木戸番と役割とがここで組打ちを始めてしまうと、最初からこの近いところにいた口上言いや出方でかたや世話役の連中、これもあんまり市五郎が横柄おうへいで乱暴だから飛んで来て、
「七面鳥は郡長の奥さんじゃ。あんな横柄おうへいな鳥はわしゃ好かん」
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
と大分横柄おうへい……中に居るもののひげのありなしは、よく其のかんで分ると見える。ものを云ふ顔が、反返そりかえるほど仰向あおむいて、沢の目には咽喉のどばかり。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
私共には眼尻にしわをよせて、猫撫声ねこなでごえでものをいう主人が、召使いに対すると、こうも横柄おうへいになるものかと、私は少からず悪感あくかんもよおしました。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
見ただけでも分りそうなものなのに、悉く逆上しきっているのか、二度も三度も横柄おうへいに役人風を吹かしましたので、仕方なくあの傷痕を静かにふりむけると、微笑しながら言いました。
道庵には、この緩慢なる行列の正体がわかっているのかどうか、しきりに奇妙がって、中を見おろしていると……行列の主人公とも見える、水々しい新元服の美男が、いかにも横柄おうへいに、
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「おい、ウイスキイを一杯。」と、横柄おうへいな声で命令した。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
客は註文を通したのち横柄おうへいに煙草をふかし始めた。
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その老婆は馬車のなかに立って、いかにも横柄おうへいな声で自分を馬車から降ろせと命令するように言い放つと、その態度に恐れをなして、伯爵の家来たちはすぐにその老婆を降ろしてやった。
誰だって自分の気にさわるようなことを言われたなら、少しは生気のある、時には横柄おうへいな口さえきくものであるが、この男から、そんな思いきった言葉を期待することは断じて出来ない。
案内も乞わず、庭へみえた二人の武者は、横柄おうへいだった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らは横柄おうへいで無遠慮であり、冷淡でぶしつけだった。
さも横柄おうへいな言葉付きも、二人を怒らせはしなかった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
横柄おうへいの方のが、それを聞きとがめると、
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あるいは平気をよそおうて居たのか実際呑気のんきであったのか分らんが、一体チベット人は何か大事に臨むとごく度量が据って居るかのように横柄おうへいくさく構えて居る風が誰にもあるようです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
島田のいう事は、姉が蔭で聴いていたらさぞおこるだろうと思うように横柄おうへいであった。それから手前勝手な立場からばかり見たゆがんだ事実をひとに押し付けようとする邪気に充ちていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
井村、溝部は刀を提げたまま、横柄おうへいに座敷へ通る。揚屋へは刀禁制であるが、壬生といえば刀のまま上る。井村は、大胡坐おおあぐらをかいて、酒を命じ、芸子げいこ太夫たゆうを呼びにやる。
しかしあの番頭の客あしらいは、横柄おうへいだ。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
いかにも横柄おうへいにさきがけて口をきった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
その時にボーイは横柄おうへいな態度で云った。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と、ぶつけるように横柄おうへいな口調である。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
しかし、当時の練塀小路は河内山宗俊が啖呵たんかをきったほどの有名な小路ではなく、御家人ごけにん屋敷が道向かいには長屋門をつらねて、直参顔じきさんがお横柄おうへいな構えをしているかと思うと
坊さんらしくない横柄おうへいな声で訊いた。
贋紙幣事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
と相手は横柄おうへいな口のきき方をした。
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
御苦労だったなあ、と声をかけると、ああと横柄おうへいに答えて、眼鏡の下から見あげるように、今度は六ヶ月間でしたよ、うまく行きましたが、もうシリンダは取り換えた方がええですな、と口を尖らせて云った。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
不意に横柄おうへいな口調で尋ねました。
横柄おうへいなことばつきになっていた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そうやってちょっとでも私が足を止めようとすると、私のすぐ隣りにいた私よりか背の高い、目の大きな、ちぢれ毛の、異人さんのような少女が、手を上げたり下ろしたりする拍子に、私を横柄おうへいそうにこづいた。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「負傷手当を船から『出すべき』だ? べきだとは何だ! べきだとは! そんな生意気な横柄おうへいなことをいうんだったら、どうとも勝手にしろ、おれは、手前てめえらに相手になってる暇はないんだ! ばかな!」
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
博士は、横柄おうへいな口をきいた。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
白水がその重々しい論調で、肋骨ろっこつの間から、心臓を目がけて、きりでも刺すように話していると、相手の後明は、最初はいやに横柄おうへいぶって、虚勢を張っていたんだが、しまいには、おそろしくなったらしいんだ。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
それに、いくらなんでも、人の前に出て頭巾をかぶったなりに挨拶をするのは、みようによっては甚だしい横柄おうへいなもので、それをお角ほどの女が、一目置いて応対しているのは、よほどの奇観といわなければならないことです。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
呼びとめられたもんだから、米友が「え!」と言って呼びとめられただけでなく、「これこれ子供」と言って、はなは横柄おうへいな言葉で、しかも人を呼びながらこっちを見ないで、自分の釣の方にばかり目をつけているのです。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だが、これは、あんなに横柄おうへいに揮った権力にたいするなんという貧弱ないいわけであろう! 自由行動という生得の権利をあんなに執拗しつように、あんなに無礼に否定されたことにたいするなんという貧弱な損害賠償であろう!
「藪原長者とはそこもとか」武士もきわめて横柄おうへいに、「少し訊きたいことがある……大勢のおともをお連れなされた、立派な白髯のご老体が、近頃再々そこもとの館へお通いなさるると云うことじゃが、それは本当でござろうな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
実際、私の熱情的な、熱狂的なまた横柄おうへいな気性は、間もなく自分を学友たちのなかでのきわだった人物にさせ、また少しずつ、しかし自然な順序を踏んで、自分よりはさほど年が上ではない者全部に権力をふるうようにさせてしまった。
と、市松は例の横柄おうへいあごをもって、虎之助をさしながら、今しがた、黒田官兵衛が、帰陣の途中、輿こしになう者が、坂道に足をすべらせ、そのために官兵衛が輿から落ちたというはなしを、かなり誇張を加えて、一同に語った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて次の間へ通った新蔵は、遠慮なく座蒲団を膝へ敷いて、横柄おうへいにあたりを見廻すと、部屋は想像していた通り、天井も柱も煤の色をした、見すぼらしい八畳でしたが、正面に浅い六尺の床があって、婆娑羅大神ばさらだいじんと書いた軸の前へ
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今後は大いに協力一致、手を取り合って進もう、我々の団結に依って、横柄おうへいな得意の人達にも思い知らせることの出来るのは愉快なことである、我々が競争し、得意を奪い合うために、段々と汲取賃が低下したことは何という馬鹿げたことであったか
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
光一が第一に不愉快なのは切符きっぷの売り場に大きなあぐらをかいてしりまであらわしているほていのような男が横柄おうへいな顔をしてお客を下目に見おろしていることである、それと向かいあって栄養不良のような小娘が浅黄の事務服を着てきわめてひややかに切符を受けとる。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
が、世間から款待もてはやされて非常な大文豪であるかのように持上げられて自分を高く買うようになってからの緑雨の皮肉はさえを失って、或時は田舎のお大尽のように横柄おうへい鼻持はなもちがならなかったり、或時は女に振棄ふりすてられた色男のように愚痴ッぽく厭味いやみであったりした。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
横柄おうへいなるお声で、おいおいと、ひと声、ふた声お呼びくだされば、打てば響くというふうに、腰元どもなり、あるいはまた、三太夫とも申すべき奴らがたちどころに立現れまして、いかなる御用命にも即座におこたえするようになっておりますから、なんなりと鷹揚おうようにお申しつけくださいますよう。
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「見られい。わしの云うた事に、いつわりはなかったろうな。諸天童子は即座にこの横道者おうどうものを、目に見えぬつるぎで打たせ給うた。まだしもかしらが微塵に砕けて、都大路みやこおおじに血をあやさなんだのが、時にとっての仕合せと云わずばなるまい。」と、さも横柄おうへいに申しました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
薄黒い入道は目を留めて、その挙動ふるまいを見るともなしに、此方こなた起居たちいを知ったらしく、今、報謝をしようと嬰児あかごを片手に、を差出したのを見も迎えないで、大儀らしく、かッたるそうにつむりを下に垂れたまま、ゆるく二ツばかりかぶりったが、さも横柄おうへいに見えたのである。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)