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横柄
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おうへい
ふりがな文庫
“
横柄
(
おうへい
)” の例文
熱狂的なまた
横柄
(
おうへい
)
な気性は、間もなく自分を学友たちのなかでのきわだった人物にさせ、また少しずつ、しかし自然な順序を踏んで
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
彼らの勇武劇の中には、詩的虚偽がこの上もなく
横柄
(
おうへい
)
に現われていた。彼らは英雄というものについて、
滑稽
(
こっけい
)
な観念をいだいていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と云い云い如何にも
横柄
(
おうへい
)
な態度で、自分の背後の古ぼけたボンボン時計を見た。二時半をすこし廻わっている。少々心細くなって来た。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
見も知らない小男から、こんな
横柄
(
おうへい
)
に臨まれたのは初めてだった。けれど、不思議にも冷笑できない威圧をうけた。——兄の家臣。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横柄
(
おうへい
)
なのは仕方がないが、エラ物であったというではないか、そうして酒を飲んだか、という尋ね方は、おかしいと思いました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
かれは、
帽子
(
ぼうし
)
をとっただけで、べつに頭もさげず、ジャンパー姿の次郎をじろじろ見ながら、いかにも
横柄
(
おうへい
)
な
口調
(
くちょう
)
でたずねた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
私共には眼尻に
皺
(
しわ
)
をよせて、
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
でものをいう主人が、召使いに対すると、こうも
横柄
(
おうへい
)
になるものかと、私は少からず
悪感
(
あくかん
)
を
催
(
もよお
)
しました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と大分
横柄
(
おうへい
)
……中に居るものの
髯
(
ひげ
)
のありなしは、よく其の
勘
(
かん
)
で分ると見える。ものを云ふ顔が、
反返
(
そりかえ
)
るほど
仰向
(
あおむ
)
いて、沢の目には
咽喉
(
のど
)
ばかり。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「挨拶、ふん、挨拶、あの
横柄
(
おうへい
)
な
継母
(
かか
)
が、ふんちっとばかい
土産
(
みやげ
)
を持っての、言い訳ばかいの挨拶じゃ。加藤の
内
(
うち
)
から二三度、来は来たがの——」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
横柄
(
おうへい
)
に呼びたてながら、ずかずかとはいっていったその鼻先へ、ぬっとその新右衛門が顔を向けると、少し変でした。
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
坊さんらしくない
横柄
(
おうへい
)
な声で訊いた。僕はどう云おうかと思っていると、縁の下からあとずさりをしながら森君が
這
(
は
)
いだして来た。洋服中泥だらけだ。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
恵門は
横柄
(
おうへい
)
にふりかえると、思いのほか真面目な顔で、『さようでござる。御同様
大分
(
だいぶ
)
待ち遠い思いをしますな。』
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とずう/\しい奴で、
種々
(
いろ/\
)
馳走になり、
横柄
(
おうへい
)
な顔をして帰りました故、奉公人は皆不思議がって居りました。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
無情冷酷……しかも
横柄
(
おうへい
)
な駅員の態度である。精神興奮してる自分は、
癪
(
しゃく
)
に
障
(
さわ
)
って
堪
(
たま
)
らなくなった。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
しかしあの番頭の客あしらいは、
横柄
(
おうへい
)
だ。まるで泊らせないために、応対しているようではないか。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
光一が第一に不愉快なのは
切符
(
きっぷ
)
の売り場に大きなあぐらをかいてしりまであらわしているほていのような男が
横柄
(
おうへい
)
な顔をしてお客を下目に見おろしていることである
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
ああと
横柄
(
おうへい
)
に答えて、眼鏡の下から見あげるように、今度は六ヶ月間でしたよ、うまく行きましたが、もうシリンダは取り換えた方がええですな、と口を尖らせて云った。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
さも
横柄
(
おうへい
)
な言葉付きも、二人を怒らせはしなかった。時にとっての
救
(
すく
)
い
主
(
ぬし
)
、感情を害しては大変であると、数馬も武兵衛も
恭
(
うやうや
)
しく彼の言葉に従った。三人は足早に歩き出した。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
横柄
(
おうへい
)
なるお声で、おいおいと、ひと声、ふた声お呼びくだされば、打てば響くというふうに、腰元どもなり、あるいはまた、三太夫とも申すべき奴らがたちどころに立現れまして
顎十郎捕物帳:16 菊香水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
肋骨
(
ろっこつ
)
の間から、心臓を目がけて、
錐
(
きり
)
でも刺すように話していると、相手の後明は、最初はいやに
横柄
(
おうへい
)
ぶって、虚勢を張っていたんだが、しまいには、おそろしくなったらしいんだ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
島田のいう事は、姉が蔭で聴いていたらさぞ
怒
(
おこ
)
るだろうと思うように
横柄
(
おうへい
)
であった。それから手前勝手な立場からばかり見た
歪
(
ゆが
)
んだ事実を
他
(
ひと
)
に押し付けようとする邪気に充ちていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あるいは平気を
装
(
よそお
)
うて居たのか実際
呑気
(
のんき
)
であったのか分らんが、一体チベット人は何か大事に臨むとごく度量が据って居るかのように
横柄
(
おうへい
)
くさく構えて居る風が誰にもあるようです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そのきびきびした
横柄
(
おうへい
)
な早口で、エリザベスの同伴者は、窓のむこうから言った。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
医師は腰を延ばすような構えをして、
横柄
(
おうへい
)
にギラリと目を光らせた。そして、又
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
後
(
おく
)
れて来りし
半白
(
はんぱく
)
の老人大原家とは同格の家柄と見えて
横柄
(
おうへい
)
にツト庭先へ入り来り
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
その老婆は馬車のなかに立って、いかにも
横柄
(
おうへい
)
な声で自分を馬車から降ろせと命令するように言い放つと、その態度に恐れをなして、伯爵の家来たちはすぐにその老婆を降ろしてやった。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
誰だって自分の気にさわるようなことを言われたなら、少しは生気のある、時には
横柄
(
おうへい
)
な口さえきくものであるが、この男から、そんな思いきった言葉を期待することは断じて出来ない。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
(雪子は前から、中姉ちゃんのいる時といない時では啓坊の態度が大変違う、と云っていたが、昨日は特に
横柄
(
おうへい
)
であったと云う)「水戸ちゃん」だって随分けったいに思ったであろうし
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
世間から
款待
(
もては
)
やされて非常な大文豪であるかのように持上げられて自分を高く買うようになってからの緑雨の皮肉は
冴
(
さえ
)
を失って、或時は田舎のお大尽のように
横柄
(
おうへい
)
で
鼻持
(
はなもち
)
がならなかったり
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
植木屋にしては、武士めいた
横柄
(
おうへい
)
な口をきくやつ……皆は、そう思いながら
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
母は私を、ちょっと
小意気
(
こいき
)
な家につれて行った。私達はその家の
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
に腰を掛けて、しばらく待った。すると
黒襦子
(
くろじゅす
)
の帯を引き抜きに締めた
年増
(
としま
)
の女が出て来て
横柄
(
おうへい
)
に私の母に
挨拶
(
あいさつ
)
を返した。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
というのは、博士はその昔、研究所長として、はなはだ
横柄
(
おうへい
)
であった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、みじめな
佝僂
(
せむし
)
は、
尖
(
とが
)
った肩を精一杯いからせて
横柄
(
おうへい
)
に言うた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「七面鳥は郡長の奥さんじゃ。あんな
横柄
(
おうへい
)
な鳥はわしゃ好かん」
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
横柄
(
おうへい
)
な口のききかたがまずわかいかれの
矜持
(
プライド
)
を傷つけた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「
然
(
そ
)
う思って、精々
横柄
(
おうへい
)
に構えているんだ。堀尾」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
いかにも
横柄
(
おうへい
)
にさきがけて口をきった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
私を
横柄
(
おうへい
)
そうにこづいた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
取ってかえしに、奥からでてきたのは、
菊池家
(
きくちけ
)
の家来とみえて、いかさまがんじょうな
三河武士
(
みかわぶし
)
、
横柄
(
おうへい
)
に頭の上から見くだして
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あんなに
横柄
(
おうへい
)
に揮った権力にたいするなんという貧弱ないいわけであろう! 自由行動という生得の権利をあんなに
執拗
(
しつよう
)
に
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
土手で
横柄
(
おうへい
)
にたずねるのは、この辺の百姓町人の
類
(
たぐい
)
でないことはわかっているが、人もあろうに、久助さんに土地案内を聞くとは間違っている。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は厚顔にも自分でやってきて、クリストフにそれを言った。あたかも
鞭
(
むち
)
打ちに相当する子供にでも対するがように、ごく
横柄
(
おうへい
)
に訓戒をたれた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「逃げるなよ。今に返報をしてやるから。」などと、素戔嗚の勇力を笠に着た、
横柄
(
おうへい
)
な文句を並べたりした。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
次郎は、
横柄
(
おうへい
)
な口のきき方をする鈴田に対して、いつになく
憤
(
いきどお
)
りを感じ、返事をしないまま塾長室に行った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
当時の練塀小路は河内山宗俊が
啖呵
(
たんか
)
をきったほどの有名な小路ではなく、
御家人
(
ごけにん
)
屋敷が道向かいには長屋門をつらねて、
直参顔
(
じきさんがお
)
の
横柄
(
おうへい
)
な構えをしているかと思うと
右門捕物帖:15 京人形大尽
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
横柄
(
おうへい
)
な得意の人達にも思い知らせることの出来るのは愉快なことである、我々が競争し、得意を奪い合うために、段々と汲取賃が低下したことは何という馬鹿げたことであったか
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「君が
河合
(
かわい
)
庄太郎か」刑事が
横柄
(
おうへい
)
な調子で云った「オイ、番頭さん、この人だろうね」
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
十分
酒肴
(
さけさかな
)
に腹を
肥
(
ふと
)
らし勘定は本妙寺中屋敷へ取りに来いと、
横柄
(
おうへい
)
に
喰倒
(
くいたお
)
し
飲倒
(
のみたお
)
して歩く
黒川孝藏
(
くろかわこうぞう
)
という
悪侍
(
わるざむらい
)
ですから、年の若い方の人は見込まれて
結局
(
つまり
)
酒でも買わせられるのでしょうよ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これから大発明をして学界に貢献しようと云う余に対してはやや
横柄
(
おうへい
)
である。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
船から『出すべき』だ? べきだとは何だ! べきだとは! そんな生意気な
横柄
(
おうへい
)
なことをいうんだったら、どうとも勝手にしろ、おれは、
手前
(
てめえ
)
らに相手になってる暇はないんだ! ばかな!
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“横柄”で始まる語句
横柄子
横柄面
横柄顔