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數多
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かずおほ
姉に
妹に
數多き
同胞をこして
肩ぬひ
揚げの
幼なだちより、いで
若紫ゆく
末はと
寄する
心の
人々も
多かりしが、
空しく二八の
春もすぎて
今歳廿のいたづら
臥
隣の
火はほんのりと
空をぼかした。
隣の
庭には
自分の
村落から
他の
村落から
手桶や
飯臺へ
入れた
握り
飯が
數多く
運ばれた。
消防に
力を
竭した
群集は
白い
握飯を
貪つた。
……
知つてゐるのは、
秋また
冬のはじめだが、
二度三度、
私の
通つた
數よりも、さつとむら
雨の
數多く、
雲は
人よりも
繁く
往來した。
尾花は
斜に
戰ぎ、
木の
葉はかさなつて
落ちた。
今歳は
別きてお
客樣の
數多く、
午後三
時よりとの
招待状一つも
空しう
成りしは
無くて、
暮れ
過ぐるほどの
賑ひは
坐敷に
溢れて
茶室の
隅へ
逃るゝもあり、二
階の
手摺りに
洋服のお
輕女郎
さま/″\の
手遊を
數多きほど
見得にして、七つ九つ十一つくるもあり、
大鈴小鈴背中にがらつかせて、
驅け
出す
足袋はだしの
勇ましく
可笑し、
群れを
離れて
田中の
正太が
赤筋入りの
印半天