攻撃こうげき)” の例文
そこへ、七回のうら、アールクラブの最後さいご攻撃こうげきで、最初さいしょの打者、岩田いわたが、安打で一るいに出たのだ。応援団おうえんだんが色めきたったのもむりはない。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
わたしがIとの事件じけんでM、H攻撃こうげきされたことを、わたし悲観ひかんしてゐるやうなことを、わたしわたし最近さいきん作品さくひんいたりしたので
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
このわれわれのやった大しばいについて不愉快ふゆかいなお方はどうか祭司次長にその攻撃こうげきの矢を向けて下さい。私はごく気の弱い一信者ですから。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
攻撃こうげきされても仕方がない。そこでおれはまた起って「私は正に宿直中に温泉に行きました。これは全くわるい。あやまります」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
翌日よくじつ新聞しんぶんには、やみなか摸摸すり何人なんにんとやらんで、何々なに/\しなぬすまれたとのことをげて、さかん会社くわいしや不行届ふゆきとどき攻撃こうげきしたのがあつた。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
如何いかんとなればとかく何事にしても弊害へいがいあれば弊害そのもののみを攻撃しないで、それに随伴ずいはんする事なれば何事によらず攻撃こうげきしやすいものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
其頃そのころ歐羅巴エウロツパしよ新聞しんぶんふでそろへて、弦月丸げんげつまる遭難さうなん詳報しやうほうし、かの臆病をくびやうなる船長等せんちやうら振舞ふるまひをばいた攻撃こうげきするとともに『日本人につぽんじんたましひ。』なんかと標題みだしいて
なるほど、いま太平洋はいつ敵国の軍艦や飛行機から攻撃こうげきをうけるか、たいへんあぶない時期にはいっていた。
豆潜水艇の行方 (新字新仮名) / 海野十三(著)
イバンスの脳裏のうりには、なにかひらめくものがあった、凶漢きょうかん三人は路を迂回うかいして、ニュージーランド川のほとりから、左門洞を攻撃こうげきしているのではあるまいか?
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
灰色ネズミ軍の勇士ゆうしはしばらく穴の中にじっとして、中から攻撃こうげきされるのを待ちかまえました。
おそらく、あのあに補充兵ほじゅうへいであろうとおもうと、老兵士ろうへいしをして○○攻撃こうげきさいに、自分じぶんた一光景こうけいおもさせるのでした。険阻けんそてき陣地じんち突撃とつげきうつ暫時前しばらくまえのことです。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さりとてこのまゝさしかんに、内政ないせいのみだれ攻撃こうげきたねりて、あさからぬ難義なんぎ現在げんざいうへにかゝれば、いかさまにばやとてなやみぬ、わがまゝもそのまゝ、氣隨きずいそのまゝ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
万人は親の子でなくて、親の親の親の親等広い範囲はんいと関係があって、いわば天の子であり、その意味で、親そのものを批判ひはんし、教育し、是正ぜせいし、攻撃こうげきしているものであることを感じる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
その記憶をもって、真面目な今の生徒を見ると、どうしても大森君のように、彼らを攻撃こうげきする勇気が出て来ないのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕がかくのごとき言を述べたならば、あるいはいたずらに人を責むるように聞こゆるであろうが、わが輩はそれがし何某なにがしなる個人を攻撃こうげきする考えは毛頭もうとうない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
まことさんは、ぼうでかぶとむし玉虫たまむししたとすと、あわてて口笛くちぶえきながら、からだをすくめて、んできたはちの攻撃こうげきけようとしました。やがて、はちはまたへもどりました。
玉虫のおばさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
弁じ立てておいて、自分の方を表向きだけ立派にしてそれからこっちの非を攻撃こうげきする。もともと返報にした事だから、こちらの弁護は向うの非が挙がらない上は弁護にならない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あるいは公然と演説するにしても事実をげて武王ぶおう太公たいこうの政策やら人身を攻撃こうげきしたならば、彼らは決して義人でもなければ、善人でもなく、後世は彼らを乱臣賊子らんしんぞくしと呼ぶであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
攻撃こうげきをつづけたのでした。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして人が攻撃こうげきすると、僕は知らないとか、露西亜ロシア文学だとか、俳句が新体詩の兄弟分だとか云って、人をけむくつもりなんだ。あんな弱虫は男じゃないよ。全く御殿女中ごてんじょちゅうの生れ変りか何かだぜ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)