これはあくまでも澄み切った芸で、真の音楽として批判すれば一段上の技倆があるとも言えると、こんなふうに源氏は思った。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
で、今の所、もう三、四年も働いて、いささか目鼻が明き、技倆も今一段進歩した時分、配偶者のことなど考えて見ても決して遅くはないと思っていたのであった。
幕末維新懐古談:23 家内を貰った頃のはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
機関士が思いのままに使える蒸気を機関助士につくる技倆がなかったり、あっても腕を現わすことを拒んだとしたら、列車はやがて止ってしまうよりほかに仕方がなくなる。
指導物語:或る国鉄機関士の述懐 (新字新仮名) / 上田広(著)
己れの勝に乗って、相手の技倆まで云々するような下品な黒子の男ではあった。が死者に対する礼——そうしたものを感じた私は、特に個人的なそんな感情まで答えることはしなかった。
技倆拙劣読むに堪えぬ新人の小説を、あれは大家の推薦だからいいのだろうと、我慢して読んでいる読者のことを考えると、気の毒になるし、私自身読者の一人として、大いに困るのである。
この妻は当時女流作家中では最も新古今風の歌に長じた作家で、通具もその弟通光などとともに、歌風は全く御子左風といってよい。ただ撰者になるだけの技倆があるかどうかは問題であった。
自然は人々を、各々の徳につき、技倆につき、不平等に作った。
純粋経済学要論:01 上巻 (新字新仮名) / マリー・エスプリ・レオン・ワルラス(著)
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)