御話おはなし)” の例文
どうも、そうさんもあんまり近頃ちかごろ御出おいででないし、わたし御無沙汰ごぶさたばかりしてゐるのでね、つい御前おまへこと御話おはなしをするわけにもかなかつたんだよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さてお話し致しますのは、自分が魚釣うおつりたのしんでおりました頃、ある先輩からうけたまわりました御話おはなしです。徳川期もまだひどく末にならない時分の事でございます。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
旧幕政府きゅうばくせいふの内情を詳記しょうきしたるは、いずれ先生の御話おはなしりたるものなるべし、先生にはくもかかる機密きみつ御承知ごしょうちにて今日までも記憶きおくせられたりといえば、先生
いま濱田ハマダ宮本ミヤモト兩先生りようせんせい御話おはなしついて、わたくし已徃きおうおいかんじましたること一寸ちよつと貴方所あなたがたまうげましたのです。
ナニ参拝人さんぱいにんはなしをいたせとっしゃるか……よろしうございます。わたくしもそのつもりでりました。これからポツポツおもしてその御話おはなしをしてることにいたしましょう。
それをすこ御話おはなしして大方たいはうをしへはんとほつするので御在ございます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
うけたまはりしうへ又々また/\御話おはなし申べくとて庄三郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じつ今日けふは其用で御父おとうさんにひにたんですが、いま御客おきやくの様だから、ついでと云つては失礼だが、貴方あなたにも御話おはなしをして置きます
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
じいさんの御話おはなしからかんがえてましても、竜宮りゅうぐうはドウやらひとつ蜃気楼しんきろう乙姫様おとひめさま思召おぼしめしでかりそめにつくあげげられるひとつ理想りそう世界せかいらしくおもわれますのに、実地じっちあたってますと
かへしけりそれより長兵衞は大傳馬町おほでんまちやう家主いへぬし平右衞門方へいゑもんかたゆき先達さきだつ御話おはなし聟殿むこどの白子屋庄三郎方にてもらたきよしゆゑ御世話下おんせわくださるべし白子屋事は材木町ざいもくちやうにて千三百りやう地面ぢめん持居もちをり御屋敷方おやしきがたの出入澤山たくさんあり株敷かぶしきは三千兩ほどなり然れば五百りやうぐらゐ持參ぢさんありてもよろしかるべし殊更ことさら娘お熊は當年廿二歳にて容貌きりやうもよくうけたまはれば聟殿むこどの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
にいさん、すこ御話おはなしがあつてたんですが」とひらなほられたので、宗助そうすけすこおどろいた氣味きみで、暑苦あつくるしい洋服やうふくさへへずに、小六ころくはなしいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ぢや、はなす方が都合がささうだつたらはなしませう。もし又るい様だつたら、何にも云はずに置くから、貴方あなたはじめから御話おはなしなさい。それいでせう」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そうさん、なんですか、彼事あのことはまだ御話おはなしをしなかつたんでしたかね」といた。宗助そうすけがいゝえとこたへると
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いま貴方あなた御父様おとうさま御話おはなしうかゞつて見ると、うなるのは始めからわかつてるぢやありませんか。貴方あなただつて、其位な事はうから気がいていらつしやる筈だと思ひますわ
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今日はどんな模様だなと、例の築山の芝生しばふの上にあごを押しつけて前面を見渡すと十五畳の客間を弥生やよいの春に明け放って、中には金田夫婦と一人の来客との御話おはなし最中さいちゅうである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)