“度胆:どぎも” の例文
“度胆:どぎも”を含む作品の著者(上位)作品数
中里介山9
吉川英治7
中谷宇吉郎3
林不忘3
泉鏡花3
“度胆:どぎも”を含む作品のジャンル比率
文学 > 英米文学 > 小説 物語3.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
度胆どぎもを抜かれて、茫然ぼんやりした仮色使は、慌てて見当を失ったか、かえって背後うしろに立ったのに礼をいって、
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さすがに度胆どぎもを奪われてコレハッ! と歩をとめながらいい合わしたように腰を低めて先方の薄闇をのぞきこむと……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こうした若林博士の説明は、極めて平調にスラスラと述べられたのであったが、しかしそれでも私の度胆どぎもを抜くのには充分であった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼女はのっけから私の度胆どぎもを抜きつづけであったが、とうとう、私の最も恐れていた絶体絶命の質問を平気であびせかけてしまった。
秘密 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
ところで、ワイラー氏の話であるが、何よりも話の桁がすべてちがっているので、少し度胆どぎもを抜かれた。
アラスカ通信 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
ややしばらくしてから度胆どぎもを抜かれた空声からごえ筒抜つつぬかせたが、助同心の岡村、突然、
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰かこんな奴を使って、ろくでもない文句を吹き込んで、おれの度胆どぎもを抜こうとした奴がある。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
猫の児をもらいに来たような頼みぶりでこういいましたから、豪傑連中も度胆どぎもを抜かれたようです。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ぼくは一瞬いっしゅん度胆どぎもかれましたが、こんな景色とて、これが、あの背広を失った晩に見たらどんなにつまらなく見えたでしょうか。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
洋燈ランプの火でさえ、大概度胆どぎもを抜かれたのが、頼みに思った豪傑は負傷するし、今の話でまた変な気になる時分が、夜も深々と更けたでしょう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いうことははっきりしないが、銀二郎はまずその早口に度胆どぎもを抜かれ、つぎに感心してしまった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さすがに錚々そうそうたる連中も、この論文にはいささか度胆どぎもを抜かれたようであった。
日本のこころ (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
それがなんの音だか、岸にいる者にはわからなかったが、岸へあがって来た銀公を見るなり、一人が度胆どぎもを抜かれたような声で「血だえっ」と叫んだ。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それがなんの音だか、岸にいる者にはわからなかったが、岸へあがって来た銀公を見るなり、一人が度胆どぎもを抜かれたような声で「血だえっ」と叫んだ。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
挙動だけが使者を驚かすのみでなく、その言葉も彼等の度胆どぎもを抜くに充分なものでありました。
これは八流兼学の大剣客とでも思ったのか、岡っ引二人は、少なからず度胆どぎもを抜かれたように、
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
平馬、お初の昂然こうぜんたる気焔きえんを聴いて、今更のように度胆どぎもを抜かれている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
私は何とかして不意打に伯父に会わねばならぬ。ズバリと度胆どぎもを抜いて頭ゴナシの短時間に退引のっぴきならぬところへい詰めてしまわねばならぬ。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ここに寝室へ帰って来た五人の亡者が、ハッと度胆どぎもを抜かれた出来事が一つありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あ、魂消たまげた、度胆どぎもを抜かれたわい」と三浦はゆがんだ笑顔をしていた。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
不破の関守氏が、熱海海岸の場の貫一さんのような発言をして、さすがの策士も、ちょっと度胆どぎもを抜かれたようでしたが、先方も相当、心臓を動揺させたと見えて、
と、お雪が言い出したものだから、北原賢次が再び度胆どぎもをぬかれてしまいました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
このとき、度胆どぎもをぬいてくれた松岡はたしかに一歩機先を制していたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
そのうち誰からか、きまりものの苦情が出て、何かガヤガヤもめだしたが、不意に向う側の板戸が外からガラリと開いて、度胆どぎもを抜くような太陽の光がそこから流れこむ。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、さしもの伊兵衛が度胆どぎもを抜かれたのは、その不意であった事よりも、燈下に見てさえ身の毛のよだつ、出目洞白でめどうはくの神作の怪しい力に衝たれたに違いない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はいささ度胆どぎもを抜かれて「巧いものだなあ」とひどく感心した。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
度胆どぎもを抜かれた学生は、眼だけですみの方から、それを見ていた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
いきなり弓の折れを持って、羽目板はめいたをピシリッとうった。その音のはげしいこと、蛾次郎のふるえあがったのはむろん、菊池半助きくちはんすけさえ度胆どぎもを抜かれた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武者修行も、実は、そこで度胆どぎもを抜かれたということであります。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
神尾がここでもまた、子供たちに度胆どぎもを抜かれたという始末です。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
銀百足ぎんむかでの名ある豪刀を引ッ掴んだ神保造酒、さすがに度胆どぎもを抜かれたのか、片手を障子にかけたまま、その座敷へ踏み込みもせず、じッ! 眼を据えて凝視みつめている。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
流石の通尖も、これには度胆どぎもをぬかれてしまつた。
万吉は、こいつの度胆どぎもを抜いてやろうという気で、
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侠者子路はまずこの点で度胆どぎもかれた。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
見る間に駈け寄ってきたのは春日新九郎、青額あおびたいに紫紐の切下げ髪は余り美貌過ぎて、不敵な郷士の度胆どぎもを奪うには足りないが、勇気は凜々りんりんとして、昔の新九郎とは別人のように、
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕等は生活様式や境遇は失業者に違いないが、一度ひとたび、ハンマーを握らせ、配電盤スイッチ・ボードの前に立たせ、試験管と薬品とを持たせるならば、彼等の度胆どぎもを奪うことなどは何でもない。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私はまったく度胆どぎもをぬかれて跳び上がった。
人々は度胆どぎもをぬかれ、あッけに取られた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
はじめての人は誰でも度胆どぎもを抜かれる。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
昔に変る伝法口調。——あの前髪振袖の柔弱者が、どうしてこんな荒っぽい剣侠肌な人間に変ったろう——と玄蕃もこれには度胆どぎもを抜かれた。新九郎はまた、昔怖れた玄蕃を、今は眼下に見て、びくともしない。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はすっかり度胆どぎもをぬかれました。
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その次の部屋も、前と同じつくりの二十坪ほどもあろうかと思われる部屋で、豪華な家具や寝台が置かれてあり、その上、度胆どぎもを抜かれるほど驚ろいたのは、その部屋に、かろうじて、うすものをつけた、或は
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
実際、私は同行者のこの危険この上ない姿勢にまったく度胆どぎもを抜かれてしまい、地上にぴったりと腹這はらばいになって、身のまわりの灌木かんぼくにしがみついたまま、上を向いて空を仰ぐ元気さえなかった。
意外なことがつぎ/\と起るのに、客人たちは度胆どぎもを抜かれて、やかたあるじから「帰れ」と云われても直ぐには動くけしきもなく、興奮しきった主の顔の、喜んでいるのか泣いているのか判断のつかない眼つきを見ていた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
相手は女だ、城は蝸牛ででむし、何程の事やある、どうとも勝手にしやがれと、小宮山は唐突だしぬかれて、度胆どぎもつかまれたのでありますから、少々捨鉢の気味これあり、おくせず後に続くと、割合に広々とした一間へ通す。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「出しぬけに、先手を喰って貴様たちは、さぞ度胆どぎもをつぶしたろう。身のほどわきまえぬ悪計を企むと、運命というやつは、たいがい逆に転んでくるものだ。——誰でもよしっ、この剣をもって、そいつらの細首を打ち落せ」と、佩剣はいけんを武士に授けた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それで、あらまし老女の家の内外の形勢の予備知識を得ておいてから、その内状をあばきにかかるべく、いかなる手段を取ろうかと考えたが、これはへたなことをするよりは、いきなり南条にぶっつかって、その度胆どぎもを抜いてやるのが面白かろうと、結局、こうして今日、押しかけてみたわけです。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
僕は、「兵士の歌」のAを、バンヤンの嶮路けんろに向けて悪魔と戦わせてやろうか、気難し屋のBをラ・マンチアの紳士と相対せしめて問答させてやろうか、ピザの学生をスウィフトの飛行島に赴かせて、ラガド大学の科学室を見学させて度胆どぎもを抜いてやろうか……などと思うだけでも、面白さにわが身を忘れた。
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)
「禁制の海外へ密行するか、そうでなければ牢へはいるか。この二つより法はないとな。こうでもしたらおれの退屈も、少しぐらいはいやされるかも知れない。海外密行はむずかしいとしても、牢へはいるのは訳はない。他人の物を盗めばいい。どうだ千三屋賛成しないかな」「へーい」といったが商人は、度胆どぎもを抜かれた格好であった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)